ITに真理はあるのだろうか。真理というのはつまり、それが必ず正しいと言える手法、プロセス、技術ということだが、そういうものは存在するのだろうか。ポートフォリオ管理導入のための最善の方策について助言を求められた時以来、わたしはそのことについてずっと考えてきた。アドバイスした後に、わたしの見方はわたしの見方でしかないと悟った。ポートフォリオ管理に対するわたしのアプローチは、状況によって異なる。これはITに関する自分の行動の多くに言えることだ。変更管理を実施する正しいやり方は1つしかないのだろうか。ソフト開発やプロジェクト管理はどうだろう。
ITにおける唯一の真理は多分、われわれは不確かな漠然とした環境でそれを運営しているということだろう。では実績をどうやって測ればいいのか。自分の手法やツールが最新のものなのか、それとも重大な欠陥があるのかは、どうやって判断すればいいのだろう。
こうした疑問への答えを見つける最善の方法は、IT管理職仲間のネットワーク(わたしは「ナード・ネットワーク」と呼んでいる)を築いて利用することだ。何かのやり方で迷ったとき、特定の技術について情報が欲しいとき、ベンダーと取引をするための知恵が欲しいとき、私はナード・ネットワークに接触して答えを待つ。
例えば数週間前、仕事仲間の1人がコールセンターで顧客からかかってくる電話の録音を始めたいと考えた。コールセンターのオペレーターの研さんと実績向上の一助になると思ったからだ。わたしは電話録音技術について経験がなかったので、ネットワークの仲間に電子メールを送り、顧客の電話録音にどんなツールを使っているか尋ねた。2時間もしないうちに5種類のツールについて、利点と欠点のまとめ付きで情報が寄せられた。この助けを借りてわたしはチェックすべきツールのリストを作成した。わたしがこれほど電話録音ソフトに精通していて、わずか数時間で有望な技術を利点・欠点まで付けてリストアップできたことに、仕事仲間は目を見張った。わたしはまるで天才だった。

わたしは技術的問題と管理的問題の両方についてナード・ネットワークに助けを求める。これまでにアドバイスしてもらったのは、プロジェクト管理のやり方や、取引先との関係改善、実績の管理と評価、SOX法コンプライアンスの簡素化、Microsoft Officeにアップグレードすべきかどうか、破損したOracleデータベースのデータ復旧にどのツールを利用すべきかなど、数え上げたらきりがない。
ナード・ネットワークをどう築き上げたかというと、まず、地元の情報管理協会(SIM)に参加した(SIMはIT管理職で組織する専門家協会)。しかしSIMに加入するだけでは不十分だった。会合に出席し、自分の内向的性格を押してほかの参加者にアプローチし、自分と同じ問題を扱っているかどうかを探った。
ITカンファレンスやユーザーグループ会合に出席したときも同じやり方をした。食事や休憩の間に質問をし、ネットワークを築いた。ITベンダーには顧客の連絡先を教えてもらい、自分のネットワークに付け加えた。
ナード仲間から得た情報のみに基づいて決定を下すことはしないが、そこから得た情報は重要な手掛かりとなる。フィードバックは選りすぐり、自分の経験および自分の組織の文化に照らし合わせて検討する。自分のネットワークを利用することで、より早くより良い答えが得られるだけでなく、おかげで過ちを犯さずに済んだことも数え切れない。
本稿筆者のニール・ニコライゼン氏は、エネルギー・建設資材会社ヘッドウォーターズの戦略計画担当副社長。