トレンドマイクロ、「内からの脅威」に対応する情報漏えい対策製品を発表NEWS

2007年に買収した米ProvillaのDLP(情報漏えい対策)製品を5月末にリリースする。コピー&ペーストなどによる機密情報の部分的な漏えいなども防ぐことが可能。

2008年04月15日 12時01分 公開
[堀見誠司,TechTargetジャパン]

 トレンドマイクロは4月14日、情報漏えい対策製品「Trend Micro LeakProof 3.0」(以下、LeakProof)を発表した。機密情報のUSBメモリへの無断コピーや電子メールなどによる送信をブロックし、内部からの情報漏えいリスクを抑えることができる。同社が情報漏えい対策市場に初投入する製品で、今後1年で3億円の売り上げを見込む。

画像 LeakProofのアプライアンス型サーバ

 LeakProofは、電子メール、インスタントメッセージング(IM)、USBメモリ、画面キャプチャーなどによるエンドポイントでの情報漏えいのタイミングをリアルタイムに監視・制限する、いわゆるDLP(Data Loss Prevention:情報漏えい対策)のためのソリューション。同社が2007年10月に買収した米Provillaの製品がベースとなっている。例えば、保護対象の文書ファイルがUSBメモリを媒介に持ち出されようとしたり、機密内容の一部がメールやIMなどにコピー&ペーストされて送られようとすると、ブロック機能が働く。

 製品は、機密情報の識別用に保護対象となるファイルから特徴的な文字列を抽出してフィンガープリントを作成・配布する専用サーバアプライアンスと、Windows PCに常駐してデータの入出力を監視するクライアントソフトウェアで構成されている。PCからSMTPやFTPで転送するデータの中に一部でもフィンガープリントに一致するデータが含まれていれば、通信をブロックするという仕組みだ。特徴は、独自の「DataDNA」技術により、文書の種類や中身にかかわらずフィンガープリントのサイズを1Kバイト以内に抑えられる点。システムの処理が業務に影響を与える心配がないという。USBメモリにデータをコピーする際も制限機能が働くが、トレンドマイクロ製品として販売される新バージョンでは、暗号化を条件にコピーを許可する機能を備えた。

画像 GmailのようなWebメールへの機密データのコピーもブロックできる

 持ち出しを制限できる文書ファイルはOfficeアプリケーションなど300種類以上。コピーを規制する入出力も、USB機器やCD/DVDドライブ、Bluetooth対応機器をサポートする。

 LeakProofアプライアンスは、対応クライアント数により2機種が用意される。1000クライアントまで対応する「LP-100」の価格は137万5000円、2500クライアントまで対応する「LP-500」が220万円(いずれも税抜き)。クライアントの価格はボリュームディスカウント(5クライアントで9万3000円)が適用され、100クライアントの場合、LP-100と組み合わせると287万5000円となる。販売代理店である日立システムアンドサービスが5月30日より順次出荷する。なお9月30日まで、LP-100+100クライアント構成時の価格を98万円(税抜き)のキャンペーン価格とした期間限定の評価用パッケージを併せて提供する。

 同社のマーケティングプログラムマネージャーの小林伸二氏は、今後の企業の情報漏えい対策として、同社の得意分野である外部からの侵入対策だけでなく、法規制の観点から内部からの漏えい対策も重視しなければならないと話す。「情報漏えいの原因の8割は社内にあり、そのほとんどは紛失やメールの誤送信、設定ミスといった不注意によるもの。社員の運用に頼らない、強制力のある専用の漏えい対策製品が必要になる」(小林氏)

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