2008年06月25日 08時00分 UPDATE
特集/連載

IT部門中心の全社プロジェクトに「グリーンIT」はバズワード(流行語)か戦略か

今や流行語と化している「グリーンIT」だが、これを単なる流行語で終わらせずに実践している企業の実例から戦略を探っていく。

[Carol Sliwa,TechTarget]

 「グリーンIT」という言葉が流行する前から、自分たちがやっている省エネ戦略を「グリーン」と銘打っていたIT部門も多いが、だからといってグリーンITのための広範な戦略を持っているとは限らない。

 米Forrester Researchが2007年10月、従業員1000人以上の企業のIT管理者130人を対象に実施した調査では、グリーンIT遂行のための総合計画を持っていたのは15%のみだった。

 しかし総合計画を持っていないIT管理者も、アクションプランと管理戦略を正当化する提案や事業上の動機を見つけるのに苦労はなさそうだ。

 「素晴らしいのは会社にとって正しいことができるだけでなく、環境にとって正しいことができるという点だ。多くの場合、これは非常に収まりがいい」とForresterのアナリスト、クリストファー・マインズ氏は言う。

 IT部門は、コンピュータの電源を切ったりデータセンターのサーバを統合するといった典型的な省エネ・経費削減手段から手を付ければいい。しかし真のグリーンIT戦略は、ソフトウェアの省エネ設計、コンピュータ機器のリサイクル、原料効率のための新しい創造的プラン立案といった、典型的な手段以外の分野にまで及ぶ。

 例えば、セントルイスに拠点を置く農業関連企業の米MonsantoはPCとサーバをリサイクルしているが、輸送・燃料経費と環境への影響を抑える目的でさらなる措置を取ろうとしている。以前はリサイクルのためにデスクトップPCをシカゴに輸送していたが、今では地元セントルイスのリサイクルサービスを検討している。

基本理念の浸透

 会社のCEOや上層部からの命令や指示はないと、MonsantoのITインフラ業務責任者リサ・クレイマー氏は話す。農業を主力事業とするMonsantoは環境保護を社是としており、こうした取り組みはその一環となる。従業員はあらゆる局面で「さらなる効率化をどう図るかについて考える」ことを奨励される。

 重要なトップダウンの経営戦略としてMonsantoは、自主プログラムのChicago Climate Exchangeに参加している。同プログラムに基づき、2010年までに米国の主力事業で生じる二酸化炭素(CO2)の直接排出量を2000年のレベルより6%引き下げるか、カーボンオフセット買い取りを行う。

 もう1つの大きな決断として、ミズーリ州クリーブクールの拠点では地元の電力会社Amerenとの提携を通じ、全エネルギー消費量の10%を風力などの再生可能資源から購入することを約束している。

 同じ流れでMonsantoは最近、省エネデータセンターを建設し、米グリーンビルディング審議会にLEED(Leadership in Energy and Environmental Design、エネルギーと環境に配慮したデザインにおけるリーダーシップ)認定を申請している。IT部門はサーバ仮想化と統合でも大きな実績を上げ、300台以上あったサーバを16の物理ホストに減らした。

 「これはMonsantoの理念の一部にすぎない。つまり全従業員に浸透していることだ」とクレイマー氏は言う。

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