IBMが推進する“分散型開発でのALMソリューション”ALMベンダーの動向を探る:第3回 日本IBM

オフショア開発など複数拠点における開発プロジェクトが行われている現在、その開発生産性を向上させる環境の構築が重要となる。今回は、分散型開発にも対応するIBMのALMソリューションを紹介する。

2009年11月11日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

開発方法論「RUP」を具現化したALM

 今回は、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)が提供するALMソリューションを紹介する。その核になるのは、オブジェクト指向による開発方法のベストプラクティス「Rational Unified Process」(以下、RUP)を具現化した「IBM Rational Software」製品群と、それらの統合基盤である「Jazzプラットフォーム」だ。

 RUPとは、米Rational Softwareが“スリーアミーゴ”(※)の手法や自社で培ってきた経験など、さまざまなプラクティスを反映させた開発方法論のこと。RUPでは、プロジェクト計画の指針や参加メンバーの役割、作業内容および成果物の形式などが詳細に定義されている。また、要求定義/設計、プログラミング、テストなどの一連の開発作業を反復(イテレーション)しながら開発することがその特徴でもある。

※ スリーアミーゴ:統一モデリング言語(UML)を開発した、グラディ・ブーチ氏、イヴァー・ヤコブソン氏、ジェームズ・ランボー氏の3人を指す愛称。

 RUPは、Rational Softwareによって1998年に商用化され、同社を買収した米IBMが2003年に「IBM Rational Unified Process」と名称を変更。その後、同社はTelelogicやWatchfire、Cognosなどの競合企業を統合し、それらの製品をIBM Rational Softwareに組み入れている。同社のALMソリューションを活用するメリットは何なのか、日本IBMのソフトウェア事業ブランド・マーケティング ラショナル・マーケティング・マネージャー 服部京子氏に話を聞いた。

IBMが考えるALMとは?

photo 日本IBMの服部氏

 服部氏によると、IBM Rational Software製品群は「アプリケーション開発の企画段階から、実装/メンテナンスまでを包括したライフサイクル全体の効率化を支援する」という。また、同社が統合した企業の製品を取り込むことで「ALMがカバーする領域をすべて網羅する。また、“パッケージソフトウェア”や“組み込み系”における開発での効果も向上した」という認識を示す。

 さらに、これまで追求してきた「品質の良いソフトウェアの開発を支援する」という製品コンセプトに加え、「いかに“企業ビジネスに貢献できるソフトウェア”を開発できるか」にも注力するという。同社はRational Softwareの製品戦略のテーマとして「市場ニーズや企業の投資効果、そのビジネス戦略に見合ったソフトウェアの開発を支援する」ことを掲げている。それによると、Rational製品を活用して“市場ニーズを的確に反映できるソフトウェア開発の仕組み”を構築できるというのだ。

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