ビジネス駆動型ALMで目指す“アプリケーション品質の向上”ALMベンダーの動向を探る:第4回 日本HP

ユーザー要求に合致しないシステムは“無用の長物”となり、その投資も回収できなくなる。こうしたビジネスとITのギャップはシステムの寿命を縮め、企業の体力も浪費する。ALM導入はその解決策となるだろうか。

2009年12月21日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 アプリケーションの寿命を左右する重要な要素の1つに「アプリケーションの品質」が挙げられる。その品質低下を招く要因は、開発から運用・廃棄までのライフサイクルの中でさまざま存在する。例えば、ユーザー要求を正確に反映していない設計書を基に開発した場合、その後のユーザーテストで不具合が見つかると大幅な手戻りが生じる。また、品質の低いアプリケーションはその運用段階で、不具合の修正を常に余儀なくされたり、仕様変更に柔軟に対応できない事態に陥ったりすることもある。

ビジネスとITのギャップを解消する

photo 日本HPの岡崎氏

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)のHPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジ・ソリューションズ事業本部 マーケティング部 岡崎義明氏は「業務アプリケーションに求められる品質とは“いかにビジネスに貢献できるか”にある」と語る。また「ITの成功がビジネスの成功とは限らない」と指摘。例えば、設計仕様書の通りに業務アプリケーションが稼働しても、その仕様自体が実際のビジネスプロセスと合致していないと、結局は使われなかったりすることもある。その場合、企業が投資したコストは無駄なものになる。

 今回は、日本HPのALMソリューションを紹介する。同社は、ITによるビジネス成果を最適化させる「BTO(Business Technology Optimization)」をコンセプトに掲げ、ビジネスとITとのギャップを解消するソリューションの提供を目指している。同社のALMソリューションも同様に「ビジネス側からの要求を正確に実装する業務アプリケーションの開発・運用を支援する」というアプローチを取っている。

“西暦2000年問題”以降、急激に変化した環境

 岡崎氏は「業務アプリケーションを取り巻く環境は“西暦2000年問題対応”を境にして、急激に変化した」と語る。この10年の間にWeb 2.0Webサービス、アジャイル開発といった新しいサービスや開発手法も登場した。これにより、既存のクライアントアプリケーションと同等のパフォーマンスを得られるWebアプリケーションが企業の業務アプリケーションとして活用されている。また当時改修したシステムの中には、再構築する時期に差し掛かっているものも多い。岡崎氏は「さまざまな新しい技術が生まれており、ITがビジネス的な重要性を考えるとアプリケーションを最新化するべき時に来ている」と語る。

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