次期ソフトウェアライセンス契約のために効果的なアプローチとは?失敗事例から学ぶ契約交渉術

ベンダーにリードされるまま結んだライセンス契約で、わたしが犯したひどい過ちと予防策を紹介しよう。

2010年10月26日 07時30分 公開
[Niel Nickolaisen,TechTarget]

 わたしと同じ経験をお持ちの読者もきっと多いに違いない。ソフトウェアの選定に当たり、わたしはまず、徹底した評価チェックリストを作成した。次に、機能横断的な選定委員会を作り、候補となるソフトウェア会社数社を選ぶ。そこからさらに選択肢を絞り込み、コストとメリットを徹底分析し、選考経過を経営陣に説明し、最終決定を下した。そして、決定後は選んだソフトウェアのライセンスを最善の条件で利用できるよう、強い態度で交渉を開始した。

 よく分かっていなかったころは、ベンダーにリードされるまま、いつか使うかもしれないと思ったライセンスすべてと、何かに使うこともあるだろうと思った個々の製品すべてを契約に盛り込んでいた(倉庫管理者は現在使っている倉庫管理システムに十分満足しているが、わたしが新しいベンダーから素晴らしい条件でゲットしたこの倉庫管理システムモジュールを見れば、使ってみたくなるに違いないと思っていた)。しかもベンダーは、決算前に契約を済ませた場合に限って大幅に値引きしてくれるという。もし次の四半期にずれ込めば、ベンダーはそこまでの値引きをする気にはならないと思った。

 何度かこの方法で契約した後、自分がどれほどひどい過ちを犯していたか気付いた。まず、状況が大きく変化したので、いつか必要になるかもしれないと思って追加したライセンスは1つも使わなかった。次に、直近の計画にないモジュール用の合意ライセンスを含める必要もなかった。そして、値引きは決算期末に合わせる必要はなかった。次の四半期が始まってからようやく契約の準備が整った場合でも、値引率は変わらなかった。

 つまり、わたしは相当の額を浪費して、一切使うことのないライセンスの価格交渉をしていたのだ。それ以来、わたしはソフトウェアのライセンス契約に関して、まったく異なるアプローチを取るようになった。以下にその一部を紹介する。

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