デスクトップ仮想化により医療情報システムを刷新 呉医療センターNEWS

電子カルテシステムと情報系システムのアプリケーションを全てクライアント仮想化し、1台の端末で両方のシステムを同時に利用できる医療情報システムに刷新した。

2011年11月25日 12時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 富士通と広島県呉市の独立行政法人国立病院機構 呉医療センター(以下、呉医療センター)は11月24日、仮想化技術によって呉医療センターの医療情報システムをシンクライアント方式システムに全面刷新したことを発表した。

 これまでの呉医療センターの医療情報システムでは、セキュリティ確保のために電子カルテシステムとインターネットに接続できる電子メールや診療科データベースなどの情報系システムとを分離させた2つのネットワークを構築し、運用管理していた。そのため、電子カルテに入力した情報を別のシステムに再入力などの二重管理が必要になり、医療スタッフの業務が煩雑となっていた。

 上記の課題を解決するため、呉医療センターは電子カルテシステムと情報系システムのアプリケーションを全てクライアント仮想化で実装し、1台の端末で両方のシステムを同時に利用できる医療情報システムに刷新した(関連記事:先進病院が進める「医療クラウド」構築事例)。

photo 呉医療センターの新システム構成イメージ

 このシステムでは、富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」を中核に約35の部門システムを連携(関連記事:将来の地域医療連携にも対応する電子カルテ「HOPE/EGMAIN-CX 」)。セキュリティを確保するため、電子カルテシステムと情報系システムを完全に分離した2つのクライアント仮想化環境に分けて管理する。また、それぞれのシステムへのアクセス時にはICカード認証によるシングルサインオンを利用し、2つの仮想サーバにアクセスする仕組みを取っている。

 呉医療センターではシステムを刷新したことで、電子カルテを使いながらインターネットで文献を検索するなど、診療中でもインターネットの利用が可能になった。また、ローミング機能も搭載しており、医療スタッフは院内のどの端末からでも自分のファイルを参照することができる。さらに部門システムごとに設置していたサーバを仮想化技術によって統合し、バックアップなどの運用管理を一元化した。これらによって端末数が削減され、端末の設置スペースが従来に比べて約6割削減するなど、業務の効率化とコスト削減を実現したという。

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