2012年01月31日 09時00分 UPDATE
特集/連載

クラウドが変えるモバイルアプリ開発【後編】スマートフォンアプリのクラウド移行がもたらすメリット

モバイルアプリの実行環境をクラウドに移行すれば、アプリの処理能力を向上できるだけでなく、管理面やセキュリティ面でさまざまなメリットが得られる。

[Bill Claybrook,TechTarget]

 前編「モバイルクラウドアプリ開発前に検討すべき7つのポイント」では、クラウドの能力を生かしたモバイルアプリケーション(モバイルクラウドアプリ)を開発する際に検討すべきポイントを解説した。後編は、モバイルアプリの将来像などに触れつつ、モバイルクラウドアプリのメリットを説明する。

モバイルクラウドが開発を支援

 開発者はパワフルなモバイルアプリの開発を期待されている。その際に必要となるのは安定的な実行環境だ。モバイルアプリ実行環境の最も重要な側面は、その基盤となるインフラのタイプである。モバイルアプリのデータはどこかに必ず保存されなければならず、アプリケーションもしっかり管理しなければならない。管理者は、以下を管理する必要がある。

  • 今後数年にわたって予想されるモバイル端末の急激な増加
  • さまざまなタイプの端末と、そこで稼働する多様なバージョンのOS
  • 音楽や映像、写真といった膨大な量のデータ
  • 増大するセキュリティ問題

 一部の企業は標準的な端末を配布する代わりに、従業員が私物のモバイル端末を使うことを許可している。その場合に生じるセキュリティに関するさまざまな懸念は一元的に管理する必要がある。モバイルアプリの安全性をどう確保すべきなのだろうか? モバイル端末にダウンロードされたアプリの消失や盗難を防ぐにはどうすればよいのだろうか?

 端末から遠く離れた場所にデータを保存するクラウドは、モバイル端末の統合化に理想的な環境といえるだろう。モバイルクラウドは開発者にもユーザーにも利益をもたらす。例えば、ユーザーはWebブラウザ経由でクラウドアプリにアクセスするため、モバイルOSに依存する度合いは低くなる。その結果、より多くのユーザーがより多くのモバイルアプリにアクセスできるようになる。これまでにない新しいアプリの開発に向けて、開発者は勇気付けられるだろう。さらにクラウドはモバイル端末よりも大きな処理能力を持つため、クラウドで実行するモバイルアプリは非常にパワフルになる。

エンタープライズモバイルクラウドの未来

 モバイル端末指向の世界は、多くの人々がリモートで働く職場環境分散の動きを加速するはずだ。従業員は複数の私物端末を業務で使うようになり、IT部門とアプリ開発者はそれぞれのフォームファクタに対応するアプリ開発に挑戦しなければならない。

 より多くの企業が、モバイルアプリの環境をクラウドに移行させることになるだろう。クラウドは、伝統的なデータセンターでは実現困難なプロセッサ能力やデータストレージの拡張性、迅速性、セキュリティの一元管理、アプリの可搬性、コスト効率の向上を実現する。今後数年、ユーザーはモバイル端末でクラウドに膨大な量のデータを保存するようになる。IT部門のスタッフは、重複排除やストレージ圧縮といった手法を多用することになるだろう。

 インフラを保有しているSaaS(Software as a Service)事業者は、モバイルアプリを提供する最適な事業者だ。SaaSのインフラをモバイル端末のフォームファクタに適応させるだけでよい。

 HTML5の発展と普及は、モバイルクラウドのさまざまな問題を軽減、解消してくれるだろう。例えば、モバイルアプリはURLを打ち込むだけでダイレクトにインストールできるようになる。アプリストアでダウンロード可能になるのを待つ必要はない。HTML5によって、どのプラットフォーム向けに開発されたかを問わず、ユーザーはあらゆるモバイル端末でWebのあらゆるアプリにアクセスできるようになるだろう。

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