「医療機関のIT化の相談役」から地域医療連携に切り込むデル地域医療連携ソリューション紹介:デル

ヘルスケア/ライフサイエンス市場における世界有数のサービスプロバイダーであるデル。そのノウハウを日本国内にも展開し、既存の医療システムの高度化と合わせて地域医療連携を支援する。

2012年04月24日 09時00分 公開
[岡崎勝己]

3つの切り口で医療分野の開拓を目指す

 ハードウェア販売からコンサルティング、サポートまでを含めたシステムの提供を目指し、業種・業態ごとのソリューション拡充に注力しているデル。同社は創業者のマイケル・デル氏が2007年にCEOへ復帰して以降、医療機関向けITサービスで実績のある米Perot Systems(2009年)などを相次ぎ買収してきた。一連の買収攻勢により、デルは現時点でヘルスケア/ライフサイエンス市場における世界有数のサービスプロバイダーとなった。また、特定の地域や組織で医療機関を共有するHIE(Health Information Exchange)のシステム整備でも米国で多くの実績を上げるなど、医療業界での存在感を増している。

 同社は現在、日本国内において以下の3つの切り口で医療機関への提案活動を推進している。

  • エンドユーザーコンピューティング
  • ITによる医療情報の管理
  • 地域医療連携

 エンドユーザーコンピューティングは、医療現場のIT環境の整備を目的としている。具体的にはシンクライアントや仮想化技術、スレート端末などを用いてクライアント環境を整備するとともに、マイクロソフトのコミュニケーション基盤「Microsoft Lync」などを利用して医療機関における情報共有の仕組みも提案する。

 医療情報の管理では、iSCSIストレージの「Dell EqualLogic」や統合型ストレージの「Dell Compellent」など、同社のストレージ製品をデータ基盤として提供する。また、データ圧縮技術や統合管理アプリケーションなどを活用することで、増加する医療データを効率的に管理可能なシステムを提示する。加えて、クラウドや暗号化技術を通じてBCP(事業継続計画)ディザスタリカバリ(DR)などの要望にも対応する。

 地域医療連携システムの提案における同社の戦略の特徴は「電子カルテやオーダリングなどのアプリケーションベンダーを巻き込み、標準化技術で構成される同社のハードウェアを用いて、オープンなプラットフォームを提示する」点にある。

photo デルの井村氏

 デルの公共・法人マーケティング本部 市場開発部でシニア マネージャーを務める井村英三氏は「デル自体は医療系アプリケーションを持っていない。製品に縛られることなく、アプリケーションベンダー各社と連携し、対象医療機関に最適かつ柔軟なシステムを提供している」と語る。こうした強みを生かすことで、自社を“新規参入組”と分析するデルでも「多くの医療機関に価値のあるサービスを提供できる」という。

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