2012年、情報系アプリケーションで最も読まれたホワイトペーパーはこれだホワイトペーパーランキング

ソーシャルやビッグデータに加え、グループウェア、BIなどに強い関心――。2012年に多く読まれた、情報系アプリケーションに関するホワイトペーパー上位10本を紹介する。

2013年01月10日 08時00分 公開
[鳥越武史,TechTargetジャパン]

 情報共有やデータ分析といった情報系アプリケーション分野において、ユーザー企業が2012年に注目していたのは何だったのだろうか。その1つの指標として、TechTargetジャパンに登録されているホワイトペーパーのダウンロードランキングを見ていこう。

2012年のホワイトペーパーダウンロード数ランキング(情報系アプリケーション)
順位 ホワイトペーパータイトル 提供
1位 なぜ社内ソーシャルネットワークの導入は失敗するのか? オーシャンブリッジ
2位 ビッグデータアナリティクス:知っておくべきアーキテクチャ、スキル、ロードマップ SAS Institute Japan
3位 地域中核病院がExchangeからLotus Notesに移行した理由 日本アイ・ビー・エム
4位 ちょっと“オタクな”技術者が見せる。Google Appsでの開発/実装例 ゼネラル・ビジネス・
サービス
5位 ビッグデータ活用のためのDWH/Hadoop基盤構築 Greenplum DB/Greenplum MR
徹底解説書
EMCジャパン
6位 ファイルサーバの利用実態から分かった文書管理のベストプラクティス 日本マイクロソフト
7位 Excel依存、ITエキスパート不足。「売れ筋商品」を伸ばす分析手法の改善策とは? SAPジャパン
8位 分析の常識が変わるビッグデータ時代に求められるBIとは 日本オラクル
9位 全社員が使えるBIツールとは何かを突き詰めたら、ポイントはここにあった ユニチカ情報システム
10位 ワークフローのリプレース検討、国内企業に必要なワークフロー機能とは? リスモン・ビジネス・
ポータル

ソーシャルやビッグデータに注目

 2012年に最もダウンロードされたホワイトペーパー上位10件のランキングを上に示した。1位となった「なぜ社内ソーシャルネットワークの導入は失敗するのか?」は、社内SNS構築を手掛けるオーシャンブリッジの導入事例を基に、ソーシャルメディア活用の課題と活用のポイントをまとめたホワイトペーパーだ。導入当初、ほとんど社内SNSが利用されない状況が続いたという同社。当初の目的である「メールから社内SNSへの移行」という目的を従業員に対して明確にすることで、活用の促進に成功したという。

 ビッグデータ関連のホワイトペーパーが2位、5位、8位にランクインし、読者の関心の高さを示した。ビッグデータを取り巻く現状を整理するのに役立つのが、2位の「ビッグデータアナリティクス:知っておくべきアーキテクチャ、スキル、ロードマップ」である。米調査会社IDCが自社の調査結果に基づき、ビッグデータを取り巻く最新技術、ビッグデータ活用に必要なスキルセットなどを紹介したホワイトペーパーだ。ビッグデータ分析の想定用途をまとめた図など、ビッグデータの理解に役立つ資料を豊富にそろえる(図1)。

図 図1:ビッグデータ分析の想定用途。データの多様性と高速性によって4象限に分類している(提供:SAS Institute Japan)《クリックで拡大》

 5位の「ビッグデータ活用のためのDWH/Hadoop基盤構築 Greenplum DB/Greenplum MR徹底解説書」は、構造化データは従来型のデータウェアハウス、非構造化データはHadoopで処理するといった役割分担が必要になると指摘。8位の「分析の常識が変わるビッグデータ時代に求められるBIとは」は、大量データを高速分析するための手段として、ソフトウェアとハードウェアを一体化した垂直統合システムの有効性を主張する。

根強い関心のグループウェア

 グループウェアへの関心も高い。3位の「地域中核病院がExchangeからLotus Notesに移行した理由」は、福岡県飯塚市の地域中核病院である飯塚病院が、グループウェアを「Microsoft Exchange Server」から「IBM Lotus Notes/Domino」へ置き換えた事例を紹介する。グループウェア基盤の刷新時期を迎えた同院は、トータルコストの削減が可能な点などを考慮してNotes/Dominoへの移行を決断したという。

 グループウェアの1機能である文書管理に焦点を絞って解説したのが、6位の「ファイルサーバの利用実態から分かった文書管理のベストプラクティス」である。ファイルサーバを利用して文書管理をする場合、ファイル名やフォルダ体系、ファイルの保存先などを十分に統制できず、欲しいファイルが欲しいときに見つからないといった課題が生じやすいと指摘する。解決策として、望ましいフォルダ階層の例やファイルの分類方法などを解説(図2)。こうした作業を効率化する手段として、グループウェアの文書管理機能の利用を提案する。

図 図2:文書管理に適したフォルダ階層の例。フォルダ階層は、ファイルの検索や管理に影響を与える要素の1つであり、一定のルールを設けて標準化することが大切だと指摘(提供:日本マイクロソフト)

 4位と10位は、共にワークフローに関するホワイトペーパーだ。4位の「ちょっと“オタクな”技術者が見せる。Google Appsでの開発/実装例」は、単体ではワークフロー機能が搭載されていないGoogle Appsに焦点を当て、セールスフォース・ドットコムの「Chatter」などを活用したワークフローシステムの構築例を解説。10位の「ワークフローのリプレース検討、国内企業に必要なワークフロー機能とは?」は、ワークフローを利用する広告業と専門商社の導入事例などを紹介する。

データ分析/BIにも注目

 データ分析やビジネスインテリジェンス(BI)への関心も高い。7位の「Excel依存、ITエキスパート不足。『売れ筋商品』を伸ばす分析手法の改善策とは?」は、愛知県や岐阜県でスーパーマーケット事業を展開するマックスバリュ中京のBI導入事例を紹介。同社経営管理部システム担当部長の豊田昌史氏は、BI選定の最大のポイントは運用性だったと明かす。社内にITのエキスパートがいない中で、難しい運用の仕組みでは定着しないと考えたのが、その理由だ。

 BIを導入したものの、うまく使いこなせていない企業も多いだろう。9位の「全社員が使えるBIツールとは何かを突き詰めたら、ポイントはここにあった」は、BIツールの使い方そのものをユーザー間で共有する仕組みを設けたり、初心者やパワーユーザーといった利用者のスキルに応じて操作画面を変化させることで、BIの活用を促進できると主張する。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、情報系アプリケーションに関する技術文書や製品資料、事例紹介などを掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

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