顧客視点のビジネス戦略策定を支援するオンラインセミナー、「IBMオンライン・ユニバーシティー」開講エキスパートの知識やノウハウを共有

どんな顧客に何をどう提供すれば喜んでもらえるのか――。顧客中心のビジネス戦略立案を考える企業/ビジネスパーソンを支援するため、日本IBMは「IBMオンライン・ユニバーシティー」を開講した。

2013年06月25日 00時00分 公開
[ITmedia]

顧客中心のビジネス戦略を検討する際のヒントを提供する

 昨今、あらゆる業種/業界において、消費者のニーズが多様化し、企業では“顧客中心”や“顧客起点”でのビジネス戦略が重要になってきている。従来は、「製品/サービスをどう売るか」という企業本位のマーケティングが中心だったが、もはやそれでは消費者のニーズは捉えきれなくなっているのが実情。これからは、「どんな顧客に何をどう提供すれば喜んでもらえるのか」という、顧客中心の考え方が必要不可欠になりつつある。

 しかし、いざ、顧客中心のビジネス戦略にシフトしようとしても、何が必要で、どんなことから始めたらよいのか分からず、第一歩が踏み出せていない企業がほとんど。それもそのはず、顧客中心のビジネスに必要な要素は企業ごとに異なり、何かのツールを導入すれば解決するというものでもないからだ。

 そこで、こうした顧客中心のビジネス戦略の立案を支援するべく、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)が新たに開講したのが「IBMオンライン・ユニバーシティー」である。

 日本IBMでは、さまざまな分野で数多くのエキスパートを抱えているが、今まで、エキスパートの知識やノウハウを広く共有する場は少なかった。セミナーなどで講演する機会もあるが、それだけでは参加できる人数も限られてしまっていた。そのため、今回、どこからでも気軽に参加できるよう、オンラインセミナー(講座)としてIBMオンライン・ユニバーシティーを展開するという。

 このセミナーの大きな特徴は、従来のように、特定の製品やサービスを紹介するのではなく、あくまで、顧客中心のビジネス戦略を検討する際のヒントとなるコンテンツを提供することにフォーカスしている点だ。とはいえ、経営者向けの内容に特化しているわけではなく、日本IBMが有する顧客視点のビジネス知識をベースにしながら、受講者が普段の業務でも適用できる実用的なセミナーとなっている。

ユーザー体験シナリオの作成――顧客中心のビジネス戦略を実現するために

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 スマーターコマース EMMソリューションズ コンサルタントの柴田順子氏(左)と同 営業の伊藤織可氏(右)

 「IBMオンライン・ユニバーシティー」で提供されるコンテンツの中でも、特に注目されるのが「ユーザー体験シナリオ」をテーマにしたオンラインセミナーだ。「顧客中心のビジネス戦略を実現するためには、それぞれの企業がターゲットとするべき顧客像を明確にすることが重要です。『ユーザー体験シナリオ』では、その企業に最適なペルソナ(架空の顧客像)を設定し、ペルソナユーザーが実際に商品を購入したり、サービスを利用した時の体験シナリオを作ることで、顧客中心のビジネス戦略に向けた課題を洗い出します」と語るのは、同セミナーの講師を務める日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 スマーター・コマース EMMソリューションズ コンサルタントの柴田順子氏。「ユーザー体験シナリオ」を実践することは、まさに顧客中心のビジネス戦略への第一歩といえる。

 では、どのようにして「ユーザー体験シナリオ」を作っていくのか。実際に、現場でユーザー体験シナリオの作成を手掛けている日本IBM スマーター・コマース営業の伊藤織可氏は、こう説明する。

 「ユーザー体験シナリオを作成するためのファーストステップとなるのがペルソナの設定です。まず、どのような顧客をターゲットにするのかを明確にしなくては、シナリオ作成には進めません。ここでは、『既存顧客の満足度をさらに高めたい』『新規顧客を開拓したい』『グローバル市場に進出したい』といった、企業が目指すビジネス戦略の方向性を踏まえながら、ペルソナを設定していきます」

 一方で、「ビジネス戦略の方向性が明確になっていない企業が多いのも実情」と伊藤氏は指摘する。こうした企業に対しては、経営企画部や戦略立案担当者とディスカッションを行い、顧客にどんな価値を届けたいのかを明確化し、方向性を確認しながらペルソナを設定していくという。

 ペルソナが設定できたら、それを基にユーザー体験シナリオの作成に入る。企業によっては、すでにユーザー体験シナリオが作られているケースもあるが、「ほとんどの場合、販売部門やマーケティング部門が独自で作った希望的シナリオであって、第三者の視点から見ると、現実的なシナリオとはいえません」(伊藤氏)と、企業内で作成されるユーザー体験シナリオは、顧客の本当の動きが反映されていないという。

 「当社では、企業の顧客側の目線に立ち、Webサイト、テレビや雑誌などの広告、さらには販売店舗まで、顧客とのあらゆるタッチポイントを網羅した上でユーザー体験シナリオを作ります。必要であれば、実際にWebから商品を購入したり、店舗に行って顧客層や接客の様子、商品の陳列状況などまでチェックします。そして、単に価格が安いから買うというシナリオではなく、商品を手に取る喜び、商品を使うことの喜びなど、お金に換算できない価値までを含めて、シナリオに盛り込んでいきます。場合によっては、商品を購入しないシナリオを作るケースもあります」と、顧客が商品の価値を感じるのは「価格」だけではないと伊藤氏は強調する。

 さらに、ユーザー体験シナリオは作成し、提案して終わりではない。同社においては、シナリオ実現に向けたロードマップを作成して、それに着手することをも目的としている。「ファーストステップで作ったユーザー体験シナリオは、ドラフト版ともいえるもの。このシナリオをベースに、顧客中心のビジネス戦略に向けたコンサルティングを行い、現状の課題を洗い出し、シナリオを修正していきます。これによって企業は、ターゲットとする顧客が、どうやったらお店に来て、気持ちよく商品を買い、それを使い続け、口コミで人に勧めてくれるのかというところまで、ユーザー体験を追うことができます」と、柴田氏はユーザー体験シナリオを作ることのメリットを訴える。

 「また、顧客との関係性について、現場と経営層の意識がずれている企業も少なくありませんが、ユーザー体験シナリオを通じて、顧客中心のビジネス戦略に向けた意識を全社共通化できることも大きなメリットになります。過去を振り返るのではなく、これから先のビジネス戦略の方向性を見据えるためにも、ユーザー体験シナリオをぜひ実践してほしいと考えています」(柴田氏)。

6月26日に開講:第1回のテーマは「見て理解する UCD(ユーザー・センタード・デザイン)入門」

 IBMオンライン・ユニバーシティーは、6月26日に開講。第1回のテーマは「見て理解する UCD(ユーザー・センタード・デザイン)入門」となる。第2回からは、今回ピックアップしたユーザー体験シナリオをテーマにした「ビジネスゴールを達成する! ユーザー体験シナリオ実践」を、7月10日(BtoB編)、7月24日(小売編)、8月7日(保険編)の3回にわたって実施する。第5回目は、8月28日「ビジネスを支えるマーケティング・プラットフォーラム実践」を予定している。

 セミナーへの参加は、開催日時に、事前に案内されるLivestreamへアクセスするだけ。セミナーの時間は30分で、比較的アクセスしやすいランチタイムに開催するため、気軽に受講することができる。オンラインセミナーの受講画面には、メッセージを投稿できる「チャット機能」も装備しており、質問や意見があれば、リアルタイムで講師とのやりとりも可能となっている。

 顧客中心のビジネス戦略を目指している企業にとって、IBMオンライン・ユニバーシティーは必見のセミナーになるはずだ。


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