2013年09月05日 08時00分 UPDATE
特集/連載

BlackBerryを押しのけたAppleロンドン・ブレント特別区の低コストiPhone導入法

英ロンドンのブレント特別区は職員に3000台のiPadとiPhoneを支給。BlackBerryスマートフォンは段階的に引退させる。端末のセキュリティ対策にはMobileIronのモバイル端末管理ソフトウェアを利用する。

[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ブレント特別区はこれまで、BlackBerryのスマートフォン490台を電子メール用に導入していた。それを2013年2月までに引退させ、最大3000台のiPadとiPhoneに入れ替えている。これでResearch in Motion(RIM)の閉ざされた電子メールシステムに比べ、モバイルアプリケーションへのアクセスに関する柔軟性が大幅に高まる。

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 iPadでは、フォームベースのアプリケーション、プレゼンテーション、MicrosoftのSharePoint、ファイル交換、書類作成、軽量のスプレッドシートといった業務用アプリケーションを実行している。同特別区はまた、iPadのWebブラウザ「Safari」経由で利用できるソーシャルサービス用のフロントエンドアプリケーションや、高速道路と学校用の新モジュールも検討中だ。

 iOSのセキュリティ対策にはMobileIronのソフトウェアが採用され、現場の職員は制約なしでiPadとiPhoneのフル機能を活用できる。MobileIronは同特別区の暗証番号ポリシーを個々の端末上で徹底させて不正アクセスを防ぎ、端末が紛失したり盗まれたりした場合はIT担当者が遠隔操作でデータを消去する。

低コストのiPhone

 Vodafoneとの契約を通じたメリットもある。職員はコールルーティングを利用して、同特別区の既存のテレフォニーシステムの延長としてiPhoneを使用できる。

 ブレント特別区のスティーブン・コナウェイ最高情報責任者(CIO)は、新品のiPhoneではなく中古を選ぶことによって端末のコストを削減したと説明する。ただし幹部100人には最新機種のiPhone 5を支給する。

 「他の職員には中古のiPhone 3GSを支給して、iOS 6を標準にした」(同氏)。2700台のiPhone 3GSは、中古iPhoneの一括販売を専門とする業者から調達した。中古のiPhoneを購入することで、端末1台当たりの価格は低価格のAndroidスマートフォンと同程度に抑えることができたという。

 全iOS端末に導入するMobileIronのモバイル端末管理ソフトウェアについても、交渉を通じて割引料金でライセンス契約を結ぶことができた。全体的なライセンス料は、従来のBlackBerry Enterprise Serverと同程度だという。

 コナウェイ氏によると、iPadを導入して以来、ブレント特別区には直接的な生産性向上の効果が表れた。「iPadのセキュアな導入を実現したことで、職員の生産性は大幅に向上した。以前は、ケースワーカーはノートPCを持ち歩かなければならなかったが、そのやり方は第一線で働く職員の多くに適していなかった。MobileIronの導入により、適切な端末を適切な担当者に、必要なときに支給できる」と同氏は話す。

 同特別区は2012年12月、デスクなどを共有するホットデスキングに対応した新しいオフィスに移転。iPadの導入はその流れにも沿っている。

 新オフィスはビル内の完全ワイヤレス化を実現し、パブリックとプライベートの両方の無線LAN接続に対応する。「“誰も信頼するな”というのがわれわれのセキュリティ対策だ。どのようなネットワークであっても、相手に悪意があると見なす」とコナウェイ氏は説明。iPhoneとiPadはチェックを受けた後に、セキュアな接続を確立する。

MobileIronの導入

 MobileIronのシステムはインテグレーターのQolcomと契約して構築した。Qolcomのディレクター、キース・レディング氏は、ブレント特別区のMobileIronはiPadの管理に利用され、インフラと自動化の機能を提供していると話す。「MobileIronソフトウェアは、設定ファイルを使ってiPadのプライバシー、セキュリティ、カレンダータスクを設定し、セキュアな端末管理を実現する」

 Wi-Fiや仮想プライベートネットワーク(VPN)アクセスの設定にもMobileIronが使われる。また、Microsoft Exchangeの電子メールのアクセスコントロールにはMobileIron Sentryソフトウェアを利用する。レディング氏によれば、Sentryは基本的に仲介役として機能し、iPhoneやiPadのセキュリティ設定に問題がないかどうかをチェックした後にExchangeメールサーバへのアクセスを許可する。

 Qolcomはまた、MobileIronのデータベースを使ってブレント特別区のActive Directoryのユーザー認証情報をユーザーポリシーに当てはめ、iPhoneとiPadのユーザーをグループと関連付けて、グループごとに異なる同特別区のITシステムへのアクセス権を設定している。

続きは「MDM(モバイル端末管理)のための製品導入戦略ガイド」(PDF)にて

本PDFでは、さらにコナウェイ氏のインタビューが続きます。「Windowsをアップグレードするくらいなら死んだ方がましだ」と言い放つ同氏のデスクトップ戦略とは? また、MDMツール選定のポイントやMDMベンダー各社の動向についても解説します。


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