主要調査機関も注目する、「コンバージド・インフラストラクチャ」最新事情最新事例に見る、本当に価値のあるインフラ統合とは

今ITの世界では地殻変動が起きている。クラウド、モバイル、ビッグデータ。こうした環境変化に、サイロ化されたインフラで対処するのはもう限界だ。だが問題は、単にインフラを統合すればいいわけではないことだ。

2013年11月26日 00時00分 公開
[ITmedia]

 多くの企業が、長きにわたりITのスピード向上、コスト削減、シンプル化を目指してITインフラの統合に取り組んできた。この目的において、標準化への取り組みやサーバの仮想化を始めとする仮想化技術は非常に有効であり、普及が進んでいる。一方、まだ多くの企業で未解決の課題もある。システムごとの部分最適化を繰り返してきたことによるデータセンター内の分断(=「サイロ化」)である。

 誰もが実感している通り、今ITの世界には変化が起こっている。クラウド、モビリティ、ビッグデータといった新しいITへの要求が爆発的なスピードで進行し、これらに対するアプローチが企業の喫緊の課題となっている。そんな中、サイロ化した従来型のインフラは、ユーザーから求められるビジネスのスピードに対応しきれなくなりつつある。

 情報システム部門にとって、サーバをはじめストレージ、ネットワークをいかに統合していくべきかという課題は変わらない。業界の主要アナリストもITインフラを統合することは不可避であると明言している。ただ、前述した新しいITニーズを踏まえて、将来自社のITがどのような形になるかという視点を持ち、未来につながる柔軟性を備えた統合を考える、という難題が加わったのだといえる。ここでキーになるのは「コンバージェンス」(集約)、「コンバージド・インフラストラクチャ」(集約されたインフラストラクチャ)という概念だ。

 IDCは「コンバージドシステムの市場規模は、CAGR(年平均成長率)54.7%の勢いで成長する」(※1)と予測。Gartnerでも「2015年までに、出荷される全サーバの3分の1がコンバージド・インフラストラクチャに組み込まれたものとなる」(※2)との見方を示す。

 このように注目を集めている「コンバージド・インフラストラクチャ」とは一体何だろうか。それはどのようにして実現され、単純なインフラ統合とどのように違うのだろうか。

※1 IDC, “Worldwide Converged Systems 2012-2016 Forecast: Adoption Fueled by Faster Time”
※2 Gartner, “Is the Concept of the ‘Server’ Obsolete, or in Need of Redefining?”March 29, 2012


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