2013年12月26日 08時00分 UPDATE
特集/連載

1シーズンで扱う図面は1万5000点ロータスF1チームが1レースで収集するデータは何バイト?

ロータスF1チームは集約型データセンターを構築し、プライベートクラウドを稼働させる。IT部門はデータ処理能力の向上とコスト削減によってマシン開発に貢献する。

[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ロータスF1チームは間もなく、2015年度のチャンピオンシップ優勝に向けたマシン開発に合わせて、集約型データセンターインフラの運用を開始する。

 VMworld 2013 Europeにおいて、ロータスF1チームのIT/IS専門部長のマイケル・テイラー氏は、「F1はテクノロジーに関しては世界最先端のスポーツだ」と語り、ITは同チームを支える重要な要素だとする。

Computer Weekly日本語版 2013年12月18日号無料ダウンロード

1218_120.jpg

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年12月18日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 ロータスはEMCと4年契約を結んでいて、EMCは2014年の開発パートナーになっている。「このパートナーシップの眼目は、チャンピオンシップに挑むに当たり、ロータスF1チームの既存のインフラを刷新することだ」と、テイラー氏は説明する。

 「ITが関わる範囲は、設計、研究開発、エンジニアリング、トラックサイドの全てに及ぶ」といい、IT部門はチームの一員として全面的にチームを支援している。適切なデータを適切な人に適切なタイミングで届けることは、有効なビジネスアナリティクスの理念の1つだ。F1では、設計段階でもレース当日でもアナリティクスを活用している。

 「F1は空力開発が全てだ。自チームと競争相手のパフォーマンスを評価する。サーキットごとに内容は違う」とテイラー氏は言う。

 マシン開発では、複雑な流体力学シミュレーションデータ、マシンの60%の大きさのモデルを使って得た風洞データ、実際のサーキット上のデータを総合して考える必要がある。テイラー氏は、「60%の大きさのモデルを使った風洞データと、サーキットでの実際のパフォーマンスデータの2種類のデータを数式を使って処理し、その結果を取り込むことで優れたCFD(数値流体学)シミュレーションを実現し、絶えずマシンの改良を図っている」と説明する。

 F1マシンはプロトタイプのたまもので、1シーズン中の改良は3万回に及ぶ場合がある。シーズン中、レースエンジニアは1万5000点もの図面を扱う。

 データ処理に関しては大きな課題がある。それは、必ずしも単純にデータの量の問題ではなく、変更の多さ故でもある。「1時間のうちに100GバイトのCFDデータを生成することもある」といい、通常のグランプリのレースでは、50Gバイトものデータを収集することもある。

 テイラー氏によると、トラックサイドのアナリティクスの意義は、ITによってレースエンジニアに競争上の優位性をもたらすことだという。「エンジニアにとっては、10分の1秒が違いを生む。例えば、ドライバーが1ラップ走るのに80秒かかり、1ラップのデータの処理に80秒かかる場合、0.1秒がピットインの判断に影響する可能性がある。タイミングによっては、ドライバーはもう1周回らないとピットインできないからだ。一連の処理時間が短縮されれば、(レース戦略を)改善できる」。そのため、IT部門はレースエンジニアと同じように、F1チームの一員となっている。

優勝するためのデータセンター

 ロータスF1チームの現在のデータセンターは、マルチレイヤースイッチネットワークを使って構成されている。物理サーバと仮想サーバから成る1つのデータセンターで、手動で階層化したNASストレージを使用している。

 同チームはこの6カ月間に、新しいデータセンターインフラとして拡張性とアジリティの高いプライベートクラウドを構築してきた。新しいインフラにプライベートクラウドを採用したのは、複数のアクティブなデータセンターを使って短時間でプロビジョニングを実現し、オンプレミスとクラウド間で負荷分散とデータ共有を行う必要があるためだ。

 「EMCとのパートナーシップによって集約型インフラを構築したことで、ITのアーキテクチャはシンプルになった」(テイラー氏)

 ロータスF1チームのプライベートクラウドは、VCEのvBlockを基盤とするポリシーベースの階層型ストレージを提供する。「ホットデータ(アクセス頻度の高いデータ)が適切な場所に保持されるように、ストレージを階層化している」と、テイラー氏は説明する。必要な場所に必要なときにデータにアクセスできるか否かが、レースの勝敗を分ける場合があるからだ。

 ロータスF1チームは、VCE vBlockの他に、EMCのVNXストレージアレイとAtmosオブジェクトストレージ、VMwareの仮想化ソフトウェアも使用している。また、EMC VNXアレイをデータセンターに導入する予定だ。

コスト削減を促進

続きはComputer Weekly日本語版 2013年12月18日号にて

1218_80.jpg

本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。

Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー

別冊Computer Weekly 企業向けGoogleサービスのリスクとメリット

Computer Weekly日本語版 12月4日号:iPadに勝利したWindows 8タブレット

Computer Weekly日本語版 11月20日号:セキュリティ担当者を悩ます2つの敵


この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news147.jpg

マイクロアド関連会社、上海発の訪日クルーズ船内で日本の商品を販促
マイクロアド・インバウンド・マーケティングは中国の訪日クルーズ船と提携し、上海から...

news136.jpg

「KANADE DSP」が機械学習を活用してコンバージョン獲得コストの自動最適化機能を強化
京セラコミュニケーションシステムは「KANADE DSP」において、コンバージョン獲得コスト...

news131.jpg

日本のマーケターはプログラマティックとソーシャルに積極的、AdRollが調査
AdRoll日本法人は、日本のプログラマティック(運用型広告/データに基づくリアルタイム...