「ネットワークをユーザーの手に」、それがSDNの本質普及への道筋がはっきり見えた

SDNの活用が広がるにつれ、ユーザーの事例から、あらゆる組織に共通するSDNの明確なメリットが見えてきたという。それはどういうことなのか。

2014年02月17日 00時00分 公開
[ITmedia]

 組織におけるネットワークとは何なのか。従来のやり方には限界があるのではないか。こうした疑問を抱いた人々が、次々にSDNを採用し始めている。まずはデータセンター事業者の間でこの動きは進んできたが、同様な考えで、企業やその他の団体においても、SDNの導入が増えつつある。

 「従来のやり方には限界がある」とはどういうことなのか。ネットワークの世界が、これまで「プロの世界」に閉じこめられてきたということだ。ネットワーク機器に関する専門知識を備え、その設定や操作に長けた人々が「ネットワークのプロ」と呼ばれてきた。そしてプロ以外はネットワークを触らない、触れないということが常識になっていた。これにより、ネットワークエンジニアと、企業や事業者におけるエンドユーザーあるいはビジネス推進者との間に、大きな溝が生まれたのである。結果としてネットワークの運用は、事業者のビジネス、企業における業務ニーズに対して、極めて鈍感なものになってしまった。

 企業の情報システム担当の中では業務に近いところにいるITシステムの担当者から見ても、ネットワークは隠蔽された世界だ。「ここから先はネットワークの担当に頼まないとダメだ」「ネットワークの専門家でなければ分からない」といった会話が日常的に聞かれる。一方ネットワーク担当者の側では、ネットワーク機器に若手が打ち込んだコマンドラインを見て、「このコンフィグ(設定)じゃダメだ」と叱責したりしている。果たして、これがネットワーク運用の本質なのだろうか。


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