Excelベースの予算管理がぶつかった限界 先進企業の解決策とは事例:プレステージ・インターナショナル

BPOサービスの提供で知られるプレステージ・インターナショナルでは、事業拡大で国内14社、海外14カ国17拠点に展開するグループの予算管理業務が増大。その問題解消に向けて予算管理システム導入した。

2014年08月06日 10時00分 公開
[ITmedia]

グローバル規模で事業が急速拡大する中、非効率な予算管理作業が課題に

 ロードアシスト事業、インシュアランス事業、プロパティアシスト事業、CRM事業、カード事業など多様なBPOサービスをグローバルに展開するプレステージ・インターナショナル。同社の予算管理の課題について、同社執行役員 経営統括部長の中山克哉氏は次のように語る。

 「われわれはグループ企業各社の予算編成や進捗・予実管理を統括する立場にあるわけですが、近年、グループ企業が増加し国内外の取引先が急速に拡大することに伴い、管理作業がますます複雑になることが切実な課題として浮上してきていました」

 同グループでは、事業主体となる部門単位・顧客単位・案件単位で詳細に予算を管理している。現在、予算を管理すべき部門数は全世界で280にも上っているという。事業拡大に伴い、この件数が急速に増加しているのだ。

 このことに加え、複雑な予算管理作業が重荷となる。従来の予算編成プロセスは次のようなものだ。まず本社がMicrosoft Excelベースの「予算シート」を各部門に提供する。次に各部門が予算案を元に数値入力を行い、本社側へ送付する。本社では、Excelファイルを1つひとつ開き、予算値の検証や配賦、集計などの一連の処理を行う。

 「予算編成、予算進捗、予実管理を含め、全てExcelをベースとした手作業が主体なため、管理側では多くの手間が必要でした。また各部門が作成した予算シートの内容を適正に解釈、集計するためのスキルも不可欠でした。そうした人に依存するやり方自体が労力的にも既に限界に来ているというのが実感でした」と説明するのは、経営統括部 予算統制課の小林啓慈氏だ。

 加えて、こうした方法ではそれら各部門と本社側のやり取りについての履歴が残らず、また数値の入力、集計ミスなどのリスクを抱えているといった統制上の問題もあった。

 このような背景の下、業務効率性やガバナンス強化の両面から、予算管理システムを導入しプロセスを標準化・自動化することが求められていた。次ページ以降で同社が選んだ解決策を紹介する。


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