Ubuntu Edgeに失敗したCanonical創設者、次の目標はIoTスマートフォン、IoT、そして宇宙

単なるLinuxディストリビューターの域を超え、スーパースマートフォン開発にも乗り出したCanonical。創設者のシャトルワース氏に、Ubuntuの今後の展開をインタビューした。

2015年07月07日 08時00分 公開
[Cliff SaranComputer Weekly]
Computer Weekly

 オープンソースサプライヤー、英Canonicalの創設者マーク・シャトルワース氏は、「Ubuntu Edge」(訳注)のクラウドファンディングで3200万ドルを調達する試みに失敗した。しかし、彼はまだコンバージドハンドヘルドデバイスのビジョンに向けて尽力を続けている。

訳注:UbuntuベースのOSを搭載した、高機能スマートフォン。キーボードなどを接続してデスクトップ環境としても使用でき、Canonicalは「スーパースマートフォン」と呼ぶ。

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 同氏は、1300万ドル弱しか調達できなかったクラウドファンディングイニシアチブを振り返り、次のように話した。「人々が興味を示し、素晴らしいアイデアだと言ってくれたことを誇りに思っている。今はソフトウェアに全力を傾け、スマートフォンを出荷している」

 今回のイニシアチブは、Canonicalによるスマートフォン用LinuxとなるUbuntuディストリビューションの開発につながっている。

 Ubuntu Edgeの狙いを振り返り、シャトルワース氏は次のように付け加えた。「2015年10月にはスマートフォン上のUbuntuにより、デスクトップエクスペリエンス、つまりポケットPCエクスペリエンスの提供を開始する予定だ」

 そのころには、主要スマートフォンメーカーのハードウェアが、これを実行できるほど高性能になっていることを同氏は期待している。「問題になるのは何Mピクセルのカメラが搭載されるかではなく、どの程度のRAMが搭載されるかだ。これは小さなPCであり、われわれはその機能の限界を取り除くことができる」と同氏は話す。

 シャトルワース氏は、このようなデバイスではクラウドを併用し、CPUを集中的に使用する処理はクラウドにオフロードすることになると考えている。「作業の90%がスマートフォンに適しているというユーザーは、負荷の高い処理をクラウドにオフロードできるだろう」と同氏は話す。

IoTの原動力となるUbuntu Core

 Canonicalは最近、「Ubuntu Core」というコンテナ向けに最適化したUbuntuを導入した。これは、パッケージングメカニズムを変えて、更新の信頼性を高めるように設計されているとシャトルワース氏は話している。「Ubuntu Coreでは、あるアプリが別のアプリに悪影響を与えないようにアプリを互いに分離することもできる」

 同氏の最近のブログ投稿を見ると、ドローンの熱心なファンでもあるようだ。

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