「Chromebook」が学校を席巻? 2015年上半期、教育ITで最も読まれた記事はユーザー企業/組織の読者が選んだ、2015年上半期記事ランキング(教育IT編)(2/2 ページ)

2015年08月10日 08時00分 公開
[鳥越武史TechTargetジャパン]
前のページへ 1|2       

先生も気になる「生徒が示すIT活用の効果」

画像 山梨英和高等学校の網野さんが、実際に使った教材を交えて同校の反転授業について説明(TechTargetジャパン記事「私物iPadで『反転授業』を体験、女子高校生が感じた利点と課題は?」より)《クリックで拡大》

 IT活用教育は、学習者にどのような効果をもたらすのか。それを理解するには、教育機関や教員だけでなく、実際にIT活用教育を受けた学習者の声を聞くことも重要です。2位の「私物iPadで『反転授業』を体験、女子高校生が感じた利点と課題は?」では、iPadを活用する山梨英和中学校・高等学校(山梨県甲府市)の高校課程1年の網野理彩さんが登場。授業と家庭学習の役割を一部逆転させる「反転授業」を実際に経験する中で感じたメリットと課題を紹介しています。

 学習者にとってのIT活用の効果を判断する上で、興味深い取り組みをしているのが、日常的にIT製品を生かす、千葉県立袖ヶ浦高等学校の情報コミュニケーション科です。9位の「プロジェクションマッピングが連絡手段に? 袖高生が学校IT活用を考える」では、同科の生徒による研究発表会「課題研究発表会」の様子をリポート。日常の問題をITを生かしてどう解決するかをテーマとした研究成果を披露しています。研究内容やその発表方法から、教育機関でのIT活用が生徒の考え方に与える影響が垣間見えます。

課題は世界の学校も同じ? 自治体のIT活用事例に注目

 自治体が教育機関のIT活用に大きな影響力を持つ中、国内外の自治体の取り組みに関する記事も大きな関心を集めました。3位の「先生の仕事を年160時間分削減、大阪市『校務クラウド』の実力とは?」では、校務システムをプライベートクラウドで構築・運用する大阪市教育委員会の事例を紹介。校務処理時間を教員1人当たり年約160時間削減したという同システムの特徴を詳しく説明しています。

 IT活用を進めようとしても、現場の教員になかなか浸透しない――。教育機関のこうした悩みは、国内外を問わないようです。5位の「“考えなしのIT導入”は教育を駄目にする? スウェーデンの自治体が検証」と6位の「『タブレット40台を全校共有』は現実的? つくば市・柏市が教育IT化で議論」では、それぞれ積極的なIT活用で知られるスウェーデン・ソレントゥナ市、茨城県つくば市、千葉県柏市の教育情報化の責任者が経験を基に、現場でのIT活用を広げる工夫を説明しています。

紙とアナログの融合製品、複数タブレット導入事例にも関心

画像 東芝情報機器の「dynaSchoolデジタルノート@クリエイターズ」など、デジタルとアナログの融合を目指したIT製品が充実(TechTargetジャパン記事「“タブレット派”も“紙と鉛筆派”も納得の学校向けIT製品とは?」より)《クリックで拡大》

 ITが教育機関に普及したとしても、紙や鉛筆といった従来のアナログな手段の良さがなくなるわけではありません。こうした中、デジタルとアナログ双方の良さを巧みに取り入れたIT製品も充実しつつあります。8位の「“タブレット派”も“紙と鉛筆派”も納得の学校向けIT製品とは?」では、教育関係者向け年次イベント「第6回 教育ITソリューションEXPO」の展示の中から、こうした製品を3種紹介しています。

 上述したChromebookに加え、学習用端末として教育機関の採用が進むのがタブレットです。全ての学習者に単一の端末を整備する教育機関や自治体が多いものの、中には用途に応じて別々の端末を採用するところも現れ始めています。10位の「杉並区立天沼小学校はなぜ『iPad』『Windowsタブレット』を両方導入したのか」では、iPadとWindowsタブレット双方を導入した東京都・杉並区立天沼小学校に、使い分けの実態とその理由を聞いています。

 トップ10入りは逃したものの、教育機関のタブレット運用やセキュリティ対策に役立つ「モバイルデバイス管理(MDM)」関連記事、学習者の能動的な学習を促す「アクティブラーニング」関連記事も多く読まれました。教育機関のIT活用の動きが広がる中、IT導入そのものから運用時の課題解決や具体的な効果へと関心が移りつつあります。TechTargetジャパンではこうした状況を踏まえ、今後も教育機関のIT活用や製品選定に役立つ情報を紹介していきます。

前のページへ 1|2       

ITmedia マーケティング新着記事

news058.jpg

アドビ、Adobe Firefly機能搭載の「Adobe Express」モバイル版アプリを一般提供
アドビは、生成AI「Adobe Firefly」の機能を利用できる「Adobe Express」モバイル版アプ...

news141.jpg

2度あることは3度あった GoogleのサードパーティーCookie廃止再延期にアドテク各社がコメント
Googleは2024年末までに完了する予定だったWebブラウザ「Chrome」でのサードパーティーCo...

news148.jpg

天候と位置情報を活用 ルグランとジオロジックが新たな広告サービスを共同開発
ルグランとジオロジックが新たな「天気連動型広告」を共同開発した。ルグランが気象デー...