2015年09月02日 10時00分 UPDATE
カスタムナーチャリング

Publickey 新野氏が聞く“組織のワークスタイル”を変革する「スマホの内線化」とは

クラウドの利用が広がる中、最近では企業内電話をクラウド化し、コスト削減や働き方の改革を推進する動きがある。従来型のPBXが抱える課題、クラウド化によるビジネスメリットとは。Publickey 新野氏がその正体に迫った。

[TechTarget]

 クラウドサービスは、企業のさまざまな分野で活用され、その適用範囲を広げている。オンプレミスシステムでは実現の難しい柔軟性や拡張性、迅速性、資産を持たずに利用できる軽量性が人気の秘密だ。

 当初こそ、機能の制約やセキュリティへの不安などによって、実際の用途は限られていた。しかし、技術的な問題がクリアされ、有用性が認知されるに従って、より重要な基幹システムなどでもクラウドを活用する事例が増え、また新しいサービスも登場してきている。

 PBX(構内交換機)やビジネスホンなどの音声設備についても同様に、クラウド化のニーズが高まっている。企業活動に必要不可欠な「電話」の機能をクラウド化することで、昨今注目されている“ワークスタイル変革”を強力に推進しようというわけだ。さらに、スマートフォンを内線化することで電話の活用の幅を大きく広げる可能性も秘めている。

 従来型のPBXが抱える課題とは何か。PBXをクラウド化することによって、ビジネスがどのように変わるのか。元@IT編集人で現在は「Publickey」を運営している新野淳一氏が、NTTコミュニケーションズのキーパーソンに話を聞き、同社の音声サービスのクラウド戦略とそれを支える技術の優位性を探った。

電話システムにも適用できるクラウドのメリット

 NTTコミュニケーションズが提供する「Arcstar Smart PBX」は、PBX(構内交換機)やビジネスホンなどの音声設備をクラウド化するサービスだ。PCやIPフォンの他、スマートフォンアプリで利用することができ、外出先でもインターネット接続さえあれば、外線だけでなく内線通話も可能となる。ミッションクリティカルな「電話」の機能をクラウド化することで、昨今注目されている“ワークスタイル変革”を強力に推進するサービスといえる。

 従来型のPBXが抱える課題とは何か。PBXをクラウド化することによって、ビジネスがどのように変わるのか。

 元@IT編集人で現在は「Publickey」を運営している新野淳一氏が、NTTコミュニケーションズ ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部 販売推進部門 担当部長 鈴木正彦氏に話を聞いた。


ge_nttcom_nurture_a001.jpg Publickeyの新野淳一氏

新野 PBX、つまり電話というシステムは、もともと企業の総務部門が管理しているものでした。これがIP-PBX化し、さらにクラウドPBX化していくと、情報システム部門が関わったシステムになると思われます。電話は、非常に重要なビジネスシステムの1つであるのに、立ち位置が不明瞭になってきているのではないでしょうか。

鈴木 クラウド化を機に、情報システム部門が積極的に関わるケースはあります。しかし一方で、総務部門がコスト削減や従業員の働き方の改革を推進するに当たって、PBXをクラウド化するというパターンも増えています。

 私たちは、「クラウド=IT」「クラウド=情報システム部門」という考えでなくともよいと思っています。電話であることに変わりはありませんし、従来のPBXよりも管理しやすいくらいです。運用を当社に任せることができ、システムを購入することなく手軽に利用できるソリューションとして、注目度が高まっているのは確かです。

新野 クラウドPBXが生きるのは、どのような用途でしょうか?

鈴木 Arcstar Smart PBXのサービス開始前に主なターゲットと想定していたのは、PBXを購入してから5〜6年がたち、システム更改の時期を迎えている企業でした。サービスを開始してみると、私たちが想定していなかった利用者の関心も高いということが分かりました。

 例えば、店舗や営業所などの多数の小さな拠点を持つ企業が挙げられます。また、そうした店舗を迅速に展開したり、臨時の拠点を開設・閉鎖したりすることの多い企業も同様です。クラウドPBXであれば、わざわざビジネスホンやPBXを導入することなく、すぐにでも利用を開始できるため、こうしたニーズにマッチしたのです。

 Arcstar Smart PBXは、さまざまな端末に対応していますので、既に利用しているスマートフォンをそのまま活用することができます。また、外勤の営業担当者が多い企業や部署においても、外出先からオフィスにかかってきた電話を取ることができるため、ワークスタイル変革の一環として好評です。

新野 設備を持たずに利用できるのは、非常によいメリットですよね。“投資”は、どんなものでも判断に長い時間を要してしまうものです。これによって、新規店舗の展開が遅れると、大きな影響を受ける企業もあるでしょう。クラウドサービスは、ビジネスをスピードアップするための最良のツールといえます。

 導入されている企業の規模についてはいかがでしょうか?

鈴木 大企業からの引き合いも増えていますが、現在のところ、50〜300人ほどの中小規模が多いですね。

新野 中小規模の企業は、とかく人事や組織の変更が多いですね。合併や引っ越しも頻繁に発生するでしょう。

鈴木 社員の働き方や動き方も頻繁に変わります。そのため会社の中でも外でも、どこにいても同じように電話を受けることができるクラウドPBXは、非常に有用なのです。

新野 運用の手間も省けますね。

鈴木 人事異動などで、従来型のオンプレミスのPBXの設定を変更する場合、業務に影響の無いよう従業員がいない休日に、専門のエンジニアを呼んで作業をしてもらう必要がありました。タイミングを図る必要がありますし、立ち会いも必要なので時間もコストも掛かります。ある企業では、単純な設定変更だけで年間30万円も掛かっていたそうです。組織変更の伝達に不備があれば、設定ミスが発生する可能性もあるでしょう。

 Arcstar Smart PBXであれば、Web管理画面から総務部門などの担当者が自由に変更することが可能です。もちろん作業費用などは発生しません。急な人事変更にも即座に対応できます。

 昨今のビジネスが高い柔軟性や迅速性が求められるようになったと同時に、人事や総務にも同様のパフォーマンスが求められています。今日明日にも、すぐに対応できるような仕組みが必要なのです。

新野 クラウドサービスであることを生かして、これまでにない使い方などは登場しているのではないでしょうか。

鈴木 ある企業では、Arcstar Smart PBXの「転送機能」に着目し、社内向けの簡易コールセンターとして活用しています。ナビダイヤルやフリーダイヤルと組み合わせて社員の問い合わせ窓口の番号を一本化した上で、窓口で回答が難しい内容はかけ直すことなく各部署に電話を転送して対応するという仕組みです。これらをクラウドで実現できます。このためだけにオンプレミスPBXを構築するのは、導入コストが高過ぎるという判断です。

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スマートフォンを内線化することで電話の活用の幅が広がる

ge_nttcom_nurture_a003.jpg NTTコミュニケーションズ
鈴木正彦氏

新野 Arcstar Smart PBXの最大のメリットは、「スマートフォンの内線化」にあると思われます。この点について、利用企業からはどのような評価を得られていますか。

鈴木 スマートフォンを社員に配布している企業からは、「残されていた固定電話が必要なくなった」「スマートフォンの活用の幅が広がった」と、高い評価を頂いています。

 また、当社のクラウドPBXはキャリアフリーで、どの通信事業者のスマートフォンでも機種を選ばずにアプリをインストールするだけで利用できます。そのため、BYOD(私物端末の業務利用)にも最適のサービスだと考えています。情報漏えい対策も施されていますので、自分の気に入った使いやすい端末を業務に活用することができるのです。

新野 最近何かと話題になっているSIMフリー端末とMVNOサービスの組み合わせでも利用できるのですか。

鈴木 はい、問題ありません。データ通信用のサービスだけで使えますので、通信費を大幅に削減できるでしょう。

新野 電話の利便性を高め、用途を広げるサービスだと感じます。

鈴木 電話は企業の基本的なコミュニケーション手段として日々使用されているものなので、使い勝手自体を課題と感じることが少ないようです。Arcstar Smart PBXを使って初めて、オンプレミスPBXや固定電話・携帯電話では見えにくかった課題を解決することができます。

 例えば、外出が多い社員に対し、内線電話や部署の代表番号にかけたり、携帯電話にかけ直したりなど連絡手段をあれこれと試す労力や時間を要してしまいます。また、そうした電話に応対するために、部署には取り次ぎ業務の負担が掛かっています。しかし、Arcstar Smart PBXならば外出先でも会社への電話を直接受け取れます。組織としての働き方を変えられるのです。

第3のコミュニケーションツール メッセージングをセキュアに

新野 Arcstar Smart PBXのWeb電話帳オプションには、新たに「メッセージ機能」が搭載され、社員間でアプリを使ってチャットが行えるようになりました。

鈴木 コンシューマー向けには、さまざまなメッセージサービスが登場しており、ビジネスで使用している方も少なくないでしょう。しかし、ビジネスのメッセージをやりとりするのは不安ですし、関係のない知人へ機密情報を誤送信してしまう恐れもあります。

 しかしメッセージングは、電話・メールに次ぐ、重要なコミュニケーションツールだと考えています。メールよりもリアルタイム性が高く、会議中など電話することが難しい環境でも利用できます。

 Arcstar Smart PBXのメッセージ機能は、基本的に企業内でやりとりするサービスですし、端末にはメッセージを残さずセキュアにやりとりできる仕組みになっているため、コンシューマー向けサービスよりも安全に利用できます。

ge_nttcom_nurture_a004.jpg 音声に加え、社員間でテキストメッセージをセキュアな環境でやりとりできる。

新野 トライアルも可能だそうですね。

鈴木 Arcstar Smart PBXは、インターネット接続環境さえあれば利用できますが、音質や接続性などに不安を感じる利用者もいます。公衆網や社内のWi-Fiなど、接続回線を変えたらどうなるのかという疑問もあるでしょう。そこで、サービスをご契約いただく前に、内線通話を実際に体験できる無料トライアルを提供しています。

新野 将来的な展望や計画について、お聞かせください。

鈴木 Arcstar Smart PBXはインターネットを基盤とするサービスですが、よりセキュアな回線を利用したいという要望もお受けしています。そこで、私たちが提供しているVPNサービス「Arcstar Universal One」の対応を今後予定しています。

新野 大変興味深いお話でした。本日はどうもありがとうございました。

提供:NTTコミュニケーションズ株式会社

提供:NTTコミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部

「Arcstar Smart PBX」の代表的な5つの機能(内線通話機能、転送機能、コールピックアップ機能、シングルナンバーリーチ機能、Web設定機能)をもとに使い方などご利用イメージをご紹介いたします。