データアナリティクスサービスを提供するSaaSプロバイダーのPiは、システムの全面入れ替えを決断。その際、定番のVMware vSphereはコストと複雑性を理由に導入しなかったという。同社が選んだ製品とは?
データサービス企業Piは、VMware製品は費用がかさむ上に複雑であるという理由で却下し、Nutanixのハイパーコンバージドタイプのストレージに、同じくNutanixのハイパーバイザー「Acropolis」を搭載して展開した。
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Piは、仮想プライベートクラウド経由で顧客の社内外に配置されたデータを操作してリアルタイムレポートを含むデータアナリティクスサービスを提供するSoftware as a Service(SaaS)を展開している。同社は英ロンドンに本部を置き、米国、オーストラリア、南アフリカにも拠点を設けている。
Nutanix製品を展開するまで、同社は「旧来のサーバベースのアーキテクチャに巨大なストレージ装置を接続して」運用していたと、同社CEOのキーサップ・コー氏は語る。
「以前のシステムには拡張性がなかった。だが、データは増え続けた。そのため2〜3カ月置きにフォークリフトが必要なほどの大型装置のアップグレードを繰り返していた」と同氏は振り返る。
Piが古い環境のリプレースを決断し、Nutanix製品の展開を開始した際にまず導入したのはLinuxベースのハイパーバイザー「KVM」だった。「利点は、従業員が自ら拡張やシステム展開できることだ」とコー氏は話す。
この時点でPiは、コストと複雑性故にVMware製品を選択肢から外した。
「VMwareも検討したが、すぐに却下した。本番環境に展開してみることもなかった」とコー氏は話し、経緯を語った。「現在利用しているNutanixのシステムにもわれわれがカスタマイズや最適化を施した部分がある。『VMware vSphere』は、そこが難解だった。そこでわれわれは『こういう作業をこれからも社内の人間が担当し続けるのだから、オープンソースに移行してみるのはどうだろう』と考えた。また、費用の問題もあった。VMwareのライセンス許諾条件では大容量メモリの利用が禁じられていた。だが、われわれは大容量のメモリを含む環境を構築していた」
「そこでわれわれはKVMだけでなくAcropolisも追加することにした。AcropolisとKVMとの間に排他的な要素はないので共存できる。Acropolisは単なるハイパーバイザーではなく、Nutanix製のリソースなら全て管理できる統合環境だ。それから、PiはUNIXユーザーなので、『Hyper-V』はそもそも検討の対象外だった」
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