徹底レビュー:あらゆる面で最高級の「ThinkPad X1 Yoga」に納得できるのは誰?その価格に見合った価値はあるのか(1/5 ページ)

数多あるノートPCのほとんどが「なんかあれに似ている」というスタイルと性能に足並みをそろえる中、数少ない独自性を保っているのがThinkPadシリーズだ。その最新シリーズのコンバーチブルモデルも個性を保っているだろうか。

2016年04月30日 07時00分 公開
[Charles P JefferiesTechTarget]
薄型ノートPCのサブブランドとしても定着したThinkPad X1シリーズに2-in-1タイプのThinkPad X1 Yogaシリーズが加わった《クリックで拡大》

 Lenovoの「ThinkPad X1 Yoga」は、Lenovoの最上位ブランド「ThinkPad」コンバーティブル型ノートPCだ。同社のラインアップでは、「ThinkPad Yoga 260」「ThinkPad Yoga 460」よりも上位に位置付けられている。

 最安なモデルでも1400ドル(北米価格。以下同様)とかなり高額だ。本稿のレビューで使用したモデルは、解像度が2560×1440ピクセルのディスプレイ、Intelの「Core i7-6500U」(2.5GHz/最大3.1GHz、2コア4スレッド、3次キャッシュメモリ4Mバイト)、容量を512GBにアップグレードしたSSDという構成で、価格は1900ドルとさらに高額になっている。

 14型ディスプレイを搭載するビジネス向けコンバーティブル型ノートPCとしては、ThinkPad X1 Yogaが最薄かつ最軽量だとLenovoは主張している。確かに、2016年4月の時点において、同クラスでThinkPad X1 Yogaより薄型で軽量のデバイスは見当たらない。加えて、ThinkPad X1 Yogaは、品質、パフォーマンス、バッテリー持続時間のバランスも優れている。

 大きな欠点は、ユーザーが自分でアップグレードできないことと、装着型のドックソリューションがないことだ。そして、言うまでもないが高価であることも欠点として挙げざるを得ない。それでも、プレミアム価格のコンバーティブル型ノートPCとしては堅実な選択肢といえるだろう。

構造とデザイン

ディスプレイを360度開き、利用場面に合わせた4つのモードを切り替えて利用できる

 ThinkPad X1 Yogaの黒いボディーは、一見するといつものThinkPadと同じに見える。相違点は、ほとんどのThinkPadシリーズよりかなり薄いことだ。特に“ThinkPad Classic”と並べると、その違いは歴然だ。本体の高さは16.8ミリしかない。ただし、幅と奥行きは、それぞれ333ミリと229ミリで標準的な14型ディスプレイ搭載ノートPCと同じくらいだ。ディスプレイのベゼルが狭縁になったことで、ThinkPad X1 Yogaの近代的な外観はさらにすっきりとした。

 ThinkPad X1 Yogaにコンバーティブル機能が備わっていることは、本体後部にある360度回転する左右のガンメタルヒンジを見なければ分からない。このヒンジのおかげで、ディスプレイを360度回転させ、本体底面に対して折りたたむことができる。270度の角度で回転を止めて逆さまにし、カバー上部と本体前面を下にして立たせれば、テントモードになる。また、キーボード面を下にすれば、スタンドモードとして利用できる。

 ThinkPad X1 Yogaは14型ディスプレイ搭載ノートPCとしては軽量だが、タブレットモード使用時に約1.36キロという重量はかなり重く感じる。比較対象として、Appleの「12.9インチ iPad Pro」と比べると、12.9インチ iPad Proの重さは713グラムで高さもThinkPad X1 Yogaの半分未満に過ぎない。幅と奥行きもやや短い。このサイズと重さを考えるに、純粋なタブレットの代わりにするつもりでThinkPad X1 Yogaを購入するのは得策ではない。

 ボディーパネルの感触はプラスチックのようだ。しかし、実際には、本体はマグネシウム合金を、カバーはカーボンファイバーを採用している。Lenovoによれば、ThinkPad X1 Yogaは米国防総省制定のMilitary Standard(MIL規格)に基づいてテストを実施しているという。本体は比較的がっしりしているが、カバーの天面側を強く押すとその圧力がディスプレイに伝わる。ThinkPad X1 Yogaでは可能な限りボディーを薄くしているため、これは十分にあり得る話だ。

 パーツごとの組み合わせと仕上がりの品質は高く、評価機を確認した限りはパーツ間に不自然なすき間は一切ない。本体とカバーの四隅は直角に近いが、ユーザーを保護するためわずかな丸みを帯びている。また、天面にはゴム仕上げのバンパーも用意している。そのため、ぶつけたり落としたりしてもディスプレイへのダメージを吸収してくれる。

 ThinkPad X1 Yogaには、ユーザー自身ができるアップグレードの現実的な選択肢を用意していない。本体底面に開けられるパネルはなく、9個のプラスねじを全て取り外すことで辛うじてType 2280 SSD用のM.2スロットにアクセスできるだけだ。LPDDR3 メモリはThinkPad X1 Yogaのマザーボードにはんだ付けされているため、増設や交換は不可能だ。

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