徹底比較:9.7インチ「iPad Pro」と2万円安い「iPad Air 2」、どのような違いがある?データ容量の他、性能、カメラ、バッテリーなどに違い(2/2 ページ)

2016年06月05日 07時00分 公開
[Ed HardyTechTarget]
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ワイヤレス

 iPad Air 2も9.7インチiPad Proも、デュアルバンド(2.4GHz/5GHz)のWi‑Fi a/b/g/n/acでMIMOに対応している。また、Bluetooth 4.2を利用できる。つまり、どちらのタブレットも、Wi-Fi接続の点では高速で、信頼できると考えられる。

 追加費用を支払えば、どちらのタブレットも4G LTEモデルを購入できる。4G LTEモデルでは、CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. BとUMTS/HSPA/HSPA+/DC‑HSDPAを利用できる。4G LTEモデルにした場合、9.7インチiPad ProではLTE Advanced(23バンド)を利用できるが、iPad Air 2はLTE(20バンド)となる。追加費用を支払ってあらゆる場所からインターネットに接続しようという場合は、iPad Air 2と9.7インチiPad Proのどちらでも目的を達成できる。

 ワイヤレス分野に関しては、iPad Air 2と9.7インチiPad Proは互角だ。だが、LTE Advancedに対応している通信事業者を利用しているユーザーは、9.7インチiPad Proを利用した方が4G通信速度が速くなる可能性がある。

 初代iPad Airは802.11acをサポートしていない。Bluetoothのバージョンは4.0で、LTEのサポートは14バンドのみだ。

ソフトウェア

 iOSの最新バージョンへのアップグレードは、9.7インチiPad ProとiPad Air 2の両方に提供されている。Appleは、古いタブレットにもアップグレードを提供できるよう尽力しているため、iPad Air 2を選んでも、この先何年もOSのアップデートを受け取ることができる。とはいうものの、将来のiOSバージョン実行時のパフォーマンスは、より強力なプロセッサを搭載している9.7インチiPad Proの方が優れていると考えられる。

 サードパーティー製ソフトウェアについても同様のことがいえる。iPad Air 2は今のところ、現在最先端のゲームやユーティリティーを処理できる。だが、iPad Air 2が時代遅れになり始めたときでも、それよりも高速なCPUを搭載した9.7インチiPad Proはまだ現役でいることだろう。これは、並列表示でマルチタスクを行う場面を考えると特によく分かる。どちらの製品も2つのアプリを同時に表示できるが、デバイスの処理能力が高いほど、動作は軽快だ。

iOSの並列表示マルチタスク画面《クリックで拡大》

 初代iPad Airはこの分野では寿命が感じられるようになってきている。最新バージョンのiOSを実行できるが、プロセッサが低速なため、最新のハイエンドアプリケーションは実行できないし、2つのアプリの同時実行は全く不可能だ。

カメラ

 9.7インチiPad Proのカメラは大幅に強化されている。背面カメラは1200万画素、正面カメラは500万画素だ。それに対して、iPad Air 2は背面カメラが800万画素、正面カメラは120万画素である。iPad Air 2では1080p動画しか撮影できなかったが、カメラが強化されたおかげで、9.7インチiPad Proでは4K(3840×2160ピクセル)動画を撮影できるようになっている。

 変わったのはカメラの画素数だけではない。9.7インチiPad Proには、iOSタブレットとして初めてフラッシュが搭載された。さらに、写真と動画を組み合わせて撮影できる「Live Photos」機能も追加されている。

バッテリー持続時間

 Appleの公表値では、9.7インチiPad ProとiPad Air 2のバッテリー持続時間はいずれも、Wi‑Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生で最大10時間となっている。TechTargetがテストしたところ、それとは幾分異なる結果が出た。

 ベンチマークツールGeekbench 3を使ったところ、1回の充電で持続時間は9.7インチiPad Proが15時間2分、iPad Air 2は8時間52分だった。明らかに、9.7インチiPad Proの方がiPad Air 2よりもバッテリー持続時間が大幅に長い。

 初代iPad Airは同じテストで9時間19分だった。iPad Air 2よりは長いが、9.7インチiPad Proほどではない。

結論

 9.7インチiPad ProとiPad Air 2を付き合わせて比較したところ、デザイン面では互角、ディスプレイの品質、ソフトウェアのサポート、ワイヤレス機能もほぼ互角であった。しかし、iPad Air 2が9.7インチiPad Proよりも優れている分野は存在しなかった。

 パフォーマンス、RAM容量、ストレージオプション、端子、スピーカー、カメラ、バッテリー持続時間の面では、9.7インチiPad Proの方が明らかに優れている。9.7インチiPad Proには、小差で勝っている上述の分野に追加で、これだけの評価ポイントがある。

 9.7インチiPad Proと初代iPad Airでは、あらゆる面で9.7インチiPad Proが勝っているのは疑いがない。

価格

 9.7インチiPad ProとiPad Air 2は、ストレージ容量が同一のモデルが用意されていないので、直接価格を比較するのは難しい。9.7インチiPad ProのWi-Fiモデルは、内蔵ストレージが32GBで599ドル(6万6800円《税別、以下同じ》)。iPad Air 2のWi-Fiモデルは、内蔵ストレージが16GBで399ドル(4万4800円)。内蔵ストレージが64GBのiPad Air 2は499ドル(5万5800円)だ。

 かなり多くの点で9.7インチiPad Proの方が優れたデバイスといえる。しかし、ハイエンドタブレットを求めていないユーザーは恐らくiPad Air 2で満足できるだろう。iPad Air 2を選んだ場合、支出を200ドル抑えることができる。だが、2-in-1やノートPCの代わりに使用しようと考えているユーザーは、9.7インチiPad Proのストレージ容量が大きいモデルを選ぶのがお勧めだ。

 初代iPad Airは生産が終了している。初代iPad Airのユーザーは、9.7インチiPad Proか12.9インチiPad Proのどちらかにアップグレードすることを強くお勧めする。

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