止められない社会インフラ──電力自由化の中で中国電力が採用した「自律型DC」とはBCP強化で複数データセンターを仮想的に統合

社会インフラを担う企業として本格的なBCPの構築や電力自由化への対応が求められていた中国電力。同社が新しいITインフラとして選んだのは「自律型DC」と呼ぶ先進的な技術だった。詳細をお伝えする。

2016年06月09日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 中国地方を中心として電力供給を担う中国電力では、電力の供給と周辺システムの稼働をより安定化するため、BCP(事業継続計画)の抜本的な改革を図った。

 2016年4月に始まった電力自由化に伴い電気事業者として、スマートメーターのデータなど、他の電気事業者へ提供する情報の重要性がさらに高まることになる。そのためには、データセンターの可用性をさらに高める必要があった。

 2011年の東日本大震災以後、災害対策のためのデータバックアップは確実に実施していたものの、システムそのもののバックアップ/リカバリーという点では対策が不十分であった。データセンターは二重化していたが、アクティブ/スタンバイが明確に分かれているために、システムのリカバリーに時間がかかるのが問題だった。

 そこで中国電力は、「Software Defined Data Center(SDDC)」の考え方を採り入れ、2つのデータセンターを仮想的な1つのデータセンターとしてシームレスに運用できる仕組みを設けた。これにより、膨大な数のスマートメーターのデータを処理しつつ、災害時でも短時間でシステムを復旧できる環境が整った。

 中国電力が採用したシステムとはどのようなものか、どのようなメリットが得られたのか。詳しく解説しよう。


提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、EMCジャパン株式会社、ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部