「バックアップ」と「性能」、主要仮想化技術に潜む根深い課題サーバ仮想化/デスクトップ仮想化に関する調査レポート

TechTargetジャパンは2016年4〜5月に、「サーバ仮想化/デスクトップ仮想化に関するアンケート調査」を実施した。本レポートでは、その概要をまとめた。

2016年07月11日 10時00分 公開
[ITmedia]

 TechTargetジャパンは2016年4月11日から5月12日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「サーバ仮想化/デスクトップ仮想化に関する読者調査」を実施した。調査結果からは、サーバ仮想化/デスクトップ仮想化の導入状況や導入後の課題などが明らかとなった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定で閲覧可能)。

調査概要

目的: TechTargetジャパン会員のサーバ仮想化/デスクトップ仮想化の導入、検討、業務利用の状況について調査するため

方法:Webによるアンケート

調査対象: TechTargetジャパン会員

調査期間: 2016年4月11日から5月12日

総回答数: 285件

※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


サーバ仮想化の課題はバックアップと障害特定

 回答者の6割が「導入済み」もしくは「試験導入済み」の「サーバ仮想化」。開発・テストサーバやWebサーバはもちろん、データベースサーバや基幹業務系サーバに導入されることも当たり前になってきた。導入目的の多くはサーバ統合やハードウェアリソースの有効活用だ。加えて最近では、デスクトップ仮想化やクラウド化へのステップにサーバ仮想化を導入する企業もある。

 サーバ仮想化導入後の課題を聞いた設問では、例年通り「仮想環境のバックアップ」(26.3%)、「障害時の問題切り分け、特定」(25.6%)がランクインした(図1)。物理環境と同様のバックアップ方法では、バックアップ時間や容量、システムへの負荷で課題が残る。また、データの整合性といった観点では、データベースやゲストOSのファイルシステムなど複数のレイヤーを考慮してバックアップを取得する必要がある。こうしたことから、仮想環境に対応した適切なバックアップ製品の活用が欠かせない。

 障害の特定や切り分けも数年来の課題だ。障害監視には、仮想マシンや物理サーバ、物理/仮想スイッチ、ハイパーバイザーなどから情報を収集し、データを可視化することが求められる。仮想マシンの挙動やリソースの利用状況、システムの負荷状況を監視して障害箇所を検知する必要もある。全てのサーバが仮想化されているとは限らないことも障害検知を難しくする原因だ。物理環境と仮想環境を統合的に管理するツールは検討の余地があるだろう。

図 図1 サーバ仮想化導入後の課題

デスクトップ仮想化の課題といえばパフォーマンス

 試験導入も含めれば回答者の約3割が導入済みの「デスクトップ仮想化」。「導入予定/検討中」も2割近いことから、関心が高い技術だといえる。その導入範囲は、一部の大企業を除いて、役職や部門、職種を限定した部分導入である。そうならざるを得ない原因はコストだ。「デスクトップ/アプリケーション仮想化製品 導入後の課題」を聞いた設問では、「ROI(費用対効果)」(23.5%)が3位に入っている。日本ではVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を導入するケースが多く、数千万円の初期費用が掛かることも珍しくない。そのため最近では、VDIが不要な従業員に対して、アプリケーションのみを配信するSBC(Server Based Computing)方式のアプリケーション仮想化も注目を集めている。

 課題として多かったのは、「性能、パフォーマンス」(48.1%)と「システム運用管理」(24.6%)だ。導入するIT部門の立場では、エンドユーザーが直接的に利用するシステムなだけに、物理PCよりも性能が劣化することを避けたいと考えるだろう。パフォーマンスの改善策として一般的なのは、ハードウェアの刷新や増強だ。だが、ハードウェア投資はコストの高い点がネックである。最近では「Norskale」のように、VDI/SBCのパフォーマンスを改善するためのWindows環境最適化ツールが登場している。日本での実績は浅いが、今後導入事例も出てくるだろう。ソフトウェアで解決できる部分はソフトウェアを活用し、パフォーマンス改善に賢く取り組みたい。

図 図2 デスクトップ仮想化導入後の課題

 その他、回答者の詳細な属性、導入製品、導入したい仮想化関連技術など、本稿で紹介できなかった内容も含めた調査レポートの完全版を提供している。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。