2016年08月25日 08時00分 UPDATE
特集/連載

さまざまなブロックチェーンに触れよあらゆる用途にマッチする魔法のブロックチェーンは存在しない

ブロックチェーン技術が持つ特性は、さまざまな分野で応用されつつある。しかし、ブロックチェーン技術は1つではない。自社に必要なブロックチェーン技術を見つけるにはどうしたらよいのか。

[Martin Kuppinger,Computer Weekly]
Computer Weekly

 今後数年のうちに、何らかの形でブロックチェーン技術の大規模な開発が行われる可能性が高い。

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  • データの不正操作を許さない
  • タイムスタンプによってデータ構造を分散配置する
  • 複製可能なトランザクションをチェーン化および暗号化したブロックに格納する

などの基本的な構想は、間違いなくテスト段階に入っている。

 ただし、ブロックチェーンは1つ作ればそれで問題が全て解決するわけではない。このテクノロジーもまた、実務の必要性から進化を続けている。従って疑問なのは、ブロックチェーンは本当に事業運営上の問題の解決に役立つのか。もしそうだとしたら、どのバージョンでそれが実現できるのかということだ。ブロックチェーンは明らかに、万能のソリューションではない。

 数年前に仮想通貨「ビットコイン」の技術的基盤が注目を浴びた。同様に、ブロックチェーンが広く知られるようになってからというもの、多数存在する仮想通貨やその実装も進化してきた。その中で今のところ知名度が最も高いのは「Ethereum」(イーサリアム)で、いわゆるスマートコントラクトの概念を採用している。

 ブロックチェーンは、自動的に発効する契約(self-executing agreements)に依存する、さまざまなタイプのトランザクションが発生するという特質を持つユースケースには理想的とされている。この「自動的に発効する契約」はまた、前途有望とされる金融、保険、医療、モノのインターネット(IoT)などの分野の成長を促す要因の1つでもある。

 ビットコインは匿名化され、公開されていて許可を得なくても自由に利用できる仮想通貨だが、非公開で使用許可が必要な通貨も多数存在する。公開と非公開部分が混在しているものや、利用を希望する者はアクセスの(許可を得る)ために、フォームに情報を入力して事前に送信しなければならないものもある。ただし、これら全ての仮想通貨の基礎となっている要素は合意である。ビットコインの世界では、これは「発掘」(マイニング)と呼ばれる。言い換えると、どのノードのどのコピーも、全て誰にとっても等価であるということだ。

 さまざまな種類のブロックチェーンが、さまざまな数学的合意のメカニズムを展開し、各トランザクションを検証する。この仕組みによって台帳の整合性を維持し、監査可能なだけでなく不変の性質を持つレコードを作成する。仮にブロックチェーンを破綻させようとしても、その試みは失敗する。なぜなら、少なくとも理論上は、操作されたエントリーがあってもそれに続いて実行する合意プロセスの中で破棄されるからだ。

合意形成モデル

 合意モデルとは、ユースケースとパフォーマンスなどの特徴を定義するものだ。ビットコインでは、いわゆるproof-of-work(PoW:仕事の証明ともいう)のハッシュアルゴリズムを使い、仲介者が介在しなくても合意が確立する。金融業界においては、ビットコインで手形交換プロセスの費用を削減できる可能性がある一方、大量のエネルギーを消費するという不安材料もある。また、処理が低速で効率が良くない上に、ビットコインではセキュリティ関連のインシデントも何度か発生している。

 他方、許可を受けたブロックチェーンは、セキュリティの観点からはより魅力的に思える。合意は、偽造できない一種のデジタル署名の働きもするからだ。通常は高速に処理できるが、その場合仲介者を排除する可能性がなくなるし、公開されているユースケースではこのデジタルチェーンが使えないものが多い。制限事項や落とし穴はこれ以外にもある。

 結局のところ問題になるのは、業務上のビジネスケースだ。次のような個別の課題解決に役立つブロックチェーンは存在するだろうか。

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