2016年09月23日 08時00分 UPDATE
特集/連載

各社の特徴は?6大サプライヤーのオブジェクトストレージ製品戦略

ストレージ界の6大ベンダーは、どのようなオブジェクトストレージ製品を提供しているのか。各社の戦略と製品の特徴をまとめた。

[Chris Evans,Computer Weekly]
Computer Weekly

 オブジェクトストレージは、膨大な非構造化データを格納するための現実的な手段と見なされている。ブロックとファイルのプロトコルを補完し、永続性のあるストレージにアクセスする3つ目の方法だ。

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 オブジェクトは固有のフォーマットを持たないバイナリファイルで(それでも実際には何らかの構造を持っている場合もある)、大規模でフラットな名前空間に格納される。メタデータはオブジェクトと一緒に格納されているもので、オブジェクトストア自体からオブジェクトを検索、取得する際に利用する付随情報を提供する。

 オブジェクトストアへのアクセスは、標準的なWebベースのプロトコルを使用する。プロトコルの中で最もよく知られているのは、Amazon Web Services(AWS)の「Simple Storage Service」(S3)が提供している「S3 API」を含むものだ。

 サプライヤーは、各社独自のインタフェースやSwift(「OpenStack」向けオブジェクトストレージのプロトコル)のサポートを提供している。また一部では、SNIAが開発した「CDMI」もサポートしている。

 オブジェクトストレージのサプライヤーは、ファイルベースプロトコルのサポートを追加する傾向にある。これにより顧客は、オブジェクトストアにデータを格納したり、オブジェクトストアからデータを取得したりすることができるようになった。またその際、(RESTベースの)HTTP APIにコードを追加する必要もない。

 ストレージ界の6大サプライヤーはいずれも、オブジェクトストレージのソリューションを提供している。そのうちHitachi Data Systems(HDS)、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、IBM、NetAppの各社は、いずれも他社を買収してオブジェクトストレージの製品ラインを開発し、既存のハードウェアアセットを利用してソリューションのパッケージ化を実現している。

 DellとHPEは、他のサプライヤーと提携することで同様のソリューションを実現し、(顧客視点での)購入先とサポート先の一元化を図っている。

 IBMは2015年10月、Cleversafeを買収した。この企業はかつてHPEの関連企業と提携していた。

 一方、HPEとDellはScalityと提携関係にある。Scalityもオブジェクトストレージ分野のけん引役といわれる代表的な企業だ。HPEはScalityに投資しているが、これが両社の関係を分かりにくくしている。HPEがScalityを買収する可能性があるのか、仮に買収が実現する場合、統合再編成が進む市場の中でScalityはいつDellから離れるのかといった疑問を、両社ははぐらかしているからだ。

 ただし、DellはEMCの買収手続きが進行中(手続きは2016年中に完了する予定)だ。この買収によって、Dellの製品ラインに組み込むオブジェクトストレージ製品は手に入る。ScalityがHPEに買収されたところで、Dellにとっては深刻な問題にはならないだろう。

Dell

 Dellはかつて、オブジェクトストレージのハードウェア製品ラインとして「DXシリーズ」を発売していたが、このシリーズは2013年に製造終了となった。そこでDellは、同社のハードウェアに搭載するソフトウェアを提供してくれるパートナーを新たに探さなければならなくなった。今のところ、DellはScalityと提携してオブジェクトストレージソリューション「RING」を開発、発売している。しかし同社はそもそも、DX6000シリーズが製造終了となった2013年にはCaringoと提携していた。

 Scalityはスケールアウト型オブジェクトストレージを提供している。この製品は標準的なオブジェクトプロトコル(S3、CDMI)、ファイルベースのアクセス(NFS、SMB)、OpenStack(Swift、Glance、Cinder)を全てサポートしている。Dellとの提携によりScalityの注目度は明らかに高まったし、Dellがテストとサポートを担当している標準化されたハードウェアプラットフォームへScalityのソフトウェアを搭載することもできる。

 先述の通りDellかHPEのどちらかが近い将来、Scalityを買収すると決断した場合、買収に関わらなかった方の企業のストレージ戦略が打撃を受けるリスクがある。現状では、HPEが買収する可能性が高そうだ。

 Dellは2016年末までに、製品ポートフォリオにEMC製品を統合するとみられている。恐らくこれが今後、Dellのオブジェクトストレージ製品のベースとなるだろう。

EMC

 EMCには、オブジェクトストレージに特化した製品はない。

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