2016年09月29日 08時00分 UPDATE
特集/連載

某社が隠した情報とは?AWS対Microsoft対Google──決算報告書に隠されたクラウド戦争の優劣

クラウド市場におけるAWS、Microsoft、Googleの三つどもえの戦いはさらにヒートアップしている。現在の実力差はどれくらいあるのか。各社の決算報告から見えてくるものとは?

[Caroline Donnelly,Computer Weekly]
Computer Weekly

 IaaS市場はAmazon Web Services (AWS)の独走状態だ。それでもMicrosoftは何とか顧客をつなぎ留めてきた。「Microsoft Azure」を武器に、オンプレミス環境を抱える古くからの顧客に対して社内のサーバを捨ててクラウドに移行するように説得することに注力したからだ。

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 Microsoftのこの戦略は当たったようだ。同社の2016年第4四半期の決算報告書によると、Azureクラウド部門の売り上げは102%増と、社内でも屈指の成長率を記録した。

 ここ数年、同社はコモディティ化したクラウドサービスのかなりの部分について、使用料をAWSと同等にすると公言している。これもマーケティング戦術として有効だった。例えば、Amazonがサービス料金の引き下げを発表すると、必ずMicrosoftも追随して同様の発表を行い、セールストークにその情報を巧みに挟み込んでいる。

 IaaS市場はAmazonとMicrosoftの一騎打ちという印象を持つ人も多いが、このイメージを払拭(ふっしょく)しようと躍起になっているのがGoogleだ。2015年の後半、同社はVMwareの共同創業者ダイアン・グリーン氏をクラウド部門の責任者に指名した。

 2012年にGoogleの経営陣に加わったグリーン氏は、オフプレミス(=クラウド)のインフラとソフトウェアの施策に関わる製品開発、エンジニアリング、営業、マーケティングの各部門を同社で初めて統合したクラウドサービス部門を率いて事業を進める役割を任された。

一貫したアプローチ

 Googleのサンダー・ピチャイCEOが参加して、Googleの親会社であるAlphabetの2016年第2四半期決算について議論した電話会議の中で、この組織再編が言及された。「クラウドに対して一貫性を高めたアプローチを取ることで、エンタープライズ顧客の拡大につなげたい」とピチャイ氏は語っている。

 金融専門サイト「Seeking Alpha」が報じたこの電話会議の議事録によると、ピチャイ氏は「これは大きな方針転換だ。明らかにその影響は大きい」と話したという。

 「私から見て、(今回の組織再編は)世界的な規模の大企業にアプローチするという新しい方針を打ち出したことを意味するものだ。この会議のような場に上る話題や当社が作成するRFP(提案依頼書)の記述内容に間違いなく影響する。当社が2016年になって、音楽配信サービスの『Spotify』やAppleなどと非常に大規模な契約を何件か獲得することができたのは、明らかにその影響の1つだ」(ピチャイ氏)

 この勢いを持続させるため、同社はこの方針転換に至った経緯を簡単に説明し、一部の部門では社員の増員を図っている。例えばクラウド部門は、第1四半期の採用人数と比べて、第2四半期の社員の採用人数は実に2460人増となった。

Google vs. AWS

 Alphabet全体の第2四半期の売上額は215億ドル、利益は49億ドルと報告されている。しかし現在のところAlphabetは、全社に対するクラウド部門の貢献度について、決算では詳細な内訳を公表していない。

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