現場の営業スタッフが使いたくなるSFAの条件強制は失敗のもと

現場の営業スタッフが抱えている顧客の情報は、現場からの自発的な共有と活用があってこそ企業の資産になる。初めにSFA導入ありきではうまくいかない。どうすれば使ってもらえるのか。

2016年12月01日 10時00分 公開
[ITmedia]

 SFA(営業支援システム)導入の目的としてよく挙げられるのは「営業における情報共有」「営業業務の効率化」である。逆にいうと多くの企業がこうした課題を抱えているということでもある。

 営業部門で情報共有や効率化が進まない理由の1つに、営業活動が営業スタッフの個性に依存し、属人化しやすいことが挙げられる。顧客の表情や言葉のニュアンスといった微細な感触も含め、直接顧客と顔を合わせて言葉を交わしたスタッフでしか分からない情報は数知れない。こうして、営業情報は客先を回る個々の営業スタッフ自身の中に閉じてしまう。

 だからこそ、営業に関する情報を組織として一元的に管理できるSFAに期待が集まっているわけだ。しかし、いくら「情報共有のため」といっても、それが個々のスタッフの動機付けになるわけではない。「Microsoft Excel」による日報提出の業務がSFAに変わるからといって、それでスタッフが積極的に情報共有する理由はほとんどない。むしろ慣れたやり方を変えることに心理的な抵抗があるかもしれない。また、SFAの利用を強制されることに「上司の管理が厳しくなって嫌だ」「情報を共有すると、同僚に仕事が取られるのではないか」といった反発が生じる可能性さえある。

 現場スタッフが積極的に情報を入力し、営業業務の効率化という真の目的を達成するため、SFA導入に際して何をポイントとすればいいのだろうか。次のページから見ていこう。


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