クラウドサービスなど、新しい業務システムを導入する際に気を付けるべきは、ユーザーの受け入れ姿勢だ。賛成派の協力を取り付け、反対派の理解を得るにはどうすればよいのだろうか。
企業のIT部門は、クラウドサービスがもたらす“低コストで素早く導入できるスケーラブルなテクノロジー”というメリットを認識するようになった。
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クラウドサービスが社内外で広く普及するにつれて、導入の成否はユーザーが受け入れるかどうかに大きく懸かってくる。ユーザーが受け入れなければ、クラウドがもたらすメリットは影を潜め、消え去るだけだ。
職場に導入した新しいテクノロジーが受け入れられるかどうかは、関係者のタイプを理解しているかどうかに左右される。変化と受け入れに対する各個人の熱意は、その動機と懸念によって変化する。
この点を理解していないと、クラウド導入スケジュールに支障を来し、プロジェクトに過剰な費用が掛かることになる。こうした理由から、IT部門はクラウド移行時に出会う可能性の高い、最も一般的な7つのタイプの関係者を理解しておく必要がある。
IT部門が最初に出会う、最も特徴的なグループが推進派だ。推進派の多くは上級幹部で、精力的かつ熱心に活動し、個人的にもプロジェクトの成功に力を注ぐ。クラウドサービス導入の提案側になるため、クラウドサービスがビジネスにもたらす潜在的メリットを強く認識している。
だが、クラウド導入を実際に成し遂げることに情熱を傾けることがある。導入を成功させることに強い関心を持ち、計画が早く進むことを見据え、フィードバックのためにあらゆる段階で情報を得ることを望む。従って、導入リーダーは導入の各マイルストーンでの成果と提供するメリットを推進派に伝えることに気を配らなければならない。
受け入れ派は、全てのタイプの中で一番主張が少ないが、大多数を占めることから導入の成否を左右する。受け入れ派はトレーニングに応じ、意図された目的に沿ってソリューションを導入するが、その動きは緩やかだ。受け入れ派は、スーパーユーザーでもなければ社内の推進派でもない。チームの効率が上がり、KPIを満たし、賞与を受け取るという願望が動機になっている。
IT部門は、このタイプの関係者が導入を促進する要因を認識し、社内のコミュニケーションを調整することが重要になる。社内の変化に対する典型的な抵抗に対処できないと、「自分には何のメリットがあるのか」という疑問が生じ、すぐに成功は心もとなくなる。
その名が示すように、熱狂的支持派は新しいテクノロジーの導入や業務の改善に意欲がある。あまり乗り気でない他のタイプの関係者にベストプラクティスを伝えるために利用するには最適だ。だが、熱狂的支持派には、危うさも潜む。最初は前向きだ。積極的に特徴や機能を調べ、誰よりも早くスーパーユーザーへの道を突き進む。しかし不適切な点を見つけると、急速に自信を失う。情熱を熱心に語っていただけに、その情熱が失われるとクラウド移行の大きな障害になる可能性がある。
熱狂的支持派には導入のロードマップを事前に伝え、新しい機能のβテストに招待することでこのような事態を避けることができる。熱狂的支持派が特定した問題点を受け入れ、その解決策を取り入れれば、おおっぴらに批判する可能性は低くなる。
反対派は、新しいテクノロジーに抵抗があり、不満を口にする。もともと受け入れ派であっても、適切に扱われなかったり、ちょっとした懸念が一因となったりして、プロジェクト全体に対する反対派に変わる。プラットフォームの選択に関与できないこと、新しく透明性のある作業プロセスがこれまでの非効率部分を明らかにすることへの恐怖などが、反対派の懸念として挙げられる。
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