2017年05月31日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品導入ガイドモバイルアプリの実装方法と開発&テストツール選び

モバイルユーザーの期待は高い。だが万能的な方法は存在しない。それがモバイルアプリ開発に及ぼす影響について解説する。

[Rob Bamforth,Computer Weekly]
Computer Weekly

 多くの組織が、従業員や消費者、他社の人たちと交流する優れた手段としてモバイルアプリに目を向ける。モバイル開発は、従来型のアプリケーションの後に考えるもの、あるいは従来型アプリの軽量バージョンだったものから、モバイルファーストへと移り変わった。

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 モバイルユーザーの期待は高い。だが万能的な方法は存在しない。スマートフォンやタブレットなど、さまざまな形態の端末と各種のOSが使われており、相互に入れ替えられない場合もある。これはモバイルアプリ開発に根底から影響を及ぼす。モバイルアプリはユーザーの好みの端末で使える必要があるだけでなく、異なる端末を横断する一貫した機能が求められる。アプリはまた、ユーザーにとって価値があり、魅力的なものでなければならない。従って、モバイルアプリ開発は従来のアプリ開発を超えた革新的で特殊な分野も網羅する必要がある。

ユーザーに重点

 ユーザーを第1としなければならない。これまでは美しさやルック&フィールに重点が置かれていたが、それは今、使い勝手や効率的な相互作用、全般的なユーザーエクスペリエンスへとシフトしつつある。使用感を高め、もっと使ってもらうために、この作用は従来のような小型モバイル画面を越えて、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)に移っている。

 仮想世界に浸りきれるVRの特質は以前から魅力を放っていたが、2016年に「Pokemon Go」の人気で大ブームが起きたのはARだった。VRとARは同じように聞こえるが、実は用途が全く違う。開発者の観点からは、完全に異なる思考が求められる。ARの方がVRよりも広く影響が及ぶだろう。ARは多くのアプリケーションに追加でき、ユーザーが没入する必要はなく、単純に物理世界とデジタル世界を重ね合わせる手助けをするにすぎない。このため既存のモバイル端末にも応用できる。

 ペースが速く、未発達のこの分野では、Nokiaの「Here」のような大型プロジェクトも含め、製品が現れては消えていく。恐らくプロプライエタリなAR開発ツールキットよりも、「ARToolkit」のようなオープンソースプロジェクトの方が数は多く、Azoftのような開発専門企業はARの統合を支援できる。「Aurasma」や「Blippar」「Wikitude」は、アプリ開発者が使うソフトウェア開発キット(SDK)を成熟させ、エンドツーエンド機能を提供している。

モバイルをコンテキストに

 変化しているのはモバイルアプリケーションの表面にとどまらない。かつてモバイルコンテキストの重点は、位置情報とロケーションベースサービスに置かれていたこともあり、見方によってはそれがARへの関心をかき立てた。今では、モバイル端末のセンサーとクラウドを利用したビッグデータのパワーと容量を組み合わせ、もっと幅広いコンテキスト認識に重点が置かれるようになった。これをリモート機能と組み合わせれば、人工知能(AI)や機械学習、環境知能(AmI:Ambient Intelligence)とも呼ばれる技術を活用できる。

 AmIは、多くの事例でパーソナルアシスタントやチャットbotの姿をしている。知的にサポートされたモバイル交流を、例えば電子メールによる通信過剰状態の簡略化や、エンタープライズアプリケーションの強化といった、ありふれた活動に使ってはいけない理由はない。

 既に、MicrosoftはIntelliSenseを「Visual Studio」に組み込み、Amazon Web Services(AWS)は最近、「Amazon Lex」の統合を発表した。Appleの「Siri」、Microsoftの「Cortana」、そして「Google Now」でさえも、オタクの域を越えて普及させようと苦戦してきた一方で、Amazonの「Alexa」は弾みがつき、既にビジネスアプリケーション向けに宣伝されている。音声起動型のアプリケーションが広がる中で、これはモバイルアプリケーション開発に影響を及ぼすだろう。

 ソフトウェア開発に対するアジャイルなアプローチを採用して、プロトタイプ開発やユーザーの関与をできるだけ早く実現することで、ユーザーエクスペリエンス重視が恩恵を受けることもある。ペースの速いプロトタイプ開発と、非プログラマーがビジネスアイデアをモバイルアプリケーションに変換できる市民開発は、ペースの速い価値の創出へと注目をシフトさせる。非技術系のアプリ開発者をターゲットとする「ローコード」や「ノーコード」のプラットフォームは多数存在する。このような高速プロトタイプ化とクラウドベースのバックエンドサービスを組み合わせたプラットフォームには、

  • Appery.io
  • MobileSmith
  • K2
  • Visualiser
  • Mercato KnowledgeKube
  • Mendix
  • OutSystems

などがある。こうしたアプローチでは、機能とニーズをマッチさせ、他の担当者の時間を解放して、もっと技術的な開発課題に対応してもらいやすくなる。

モバイルエクスペリエンスの構築

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