丸分かり「VMware NSX」入門 なぜ必要か? 何ができるのか?柔軟で安全な仮想ネットワークを実現

ネットワーク仮想化の手段として登場した「VMware NSX」。その実態はどのようなものなのか。導入によって得られるメリットとは。専門家の話を基に解剖する。

2017年06月08日 10時00分 公開
[ITmedia]

 「デジタルトランスフォーメーション」という言葉に象徴されるように、企業にとってITシステムが果たす役割は、単なるコスト削減ツール以上の大きなものになりつつある。他社との差異化を図りたい、高い付加価値を加えたいといったビジネス上の要請に柔軟かつ速やかに応えるため、システムを支えるインフラもまた大きく変化している。

 一連の変化を可能にしたのが仮想化や、その技術を活用したクラウドだ。何か新しいシステムやサービスを構築するために、数週間、数カ月単位の時間をかけてオンプレミスに物理サーバを調達し、あれこれ手作業で設定を行い、アプリケーションをインストールする……。そんなやり方は、もはや過去の話。数千台規模のサーバを抱える大企業だけでなく、中堅・中小企業においても、「まず仮想サーバ」「まずクラウド」が有力な選択肢になりつつある。

 理由は幾つかある。大きなポイントはリソースの集約によるコスト削減効果だが、市場の変化や顧客の要請に応じて迅速かつ柔軟性にリソースを増減できることも大きな魅力だ。そして現場のIT担当者にとってサーバの仮想化は、インフラ運用作業をある程度自動化でき、管理負荷を軽減できるという利点ももたらす。

 仮想化のメリットをフルに享受するには、サーバやストレージだけを仮想化するだけでは不十分だ。サーバ同士をつなぐネットワークの設定も、仮想サーバ同様に柔軟かつ迅速に実現できてはじめて、大きな効果が得られる。こうした新しいインフラに適したネットワークを実現する手段として登場したのが、VMwareのネットワーク仮想化製品「VMware NSX」だ。

 VMware NSXはすでに国内200社以上の販売実績があるが、新しいジャンルの製品のため、その全体像を知らない人もいるだろう。そこで本稿では、VMware NSXを実際に扱っている専門家の話を基に、その機能やメリットをできるだけ分かりやすく解説する。


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