2017年06月20日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品導入ガイドストレージ高速化の決め手はいまだ過渡期

増え続ける需要がオールフラッシュアレイにのしかかる中で、ストレージに対する新たなアプローチの必要性を検討する。

[Clive Longbottom,Computer Weekly]
Computer Weekly

 既存のストレージサプライヤーが、新興のオールフラッシュアレイ(AFA)サプライヤーに冷笑を浴びせていたのは、ほんの少し前のことだったように思える。今ではPure Data、Kaminario、Tintri、Tegile Systemsといった新参勢に加えて、Dell EMC、HPE、IBM、日立、NetAppなどがそろってAFAを提供するようになった。

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 この変動期に、安定した優良企業に見えていながら買収された企業(例えばSolidFireはNetAppに、XtremIOはEMCに買収された)もあれば、素晴らしい技術を持っていながら時代に付いていけず行き詰まった企業(例えばViolin Memory)もある。

 われわれは初期のAFAサプライヤーと、フラッシュの未来はどうなるのかについて話し合ったことがある。そのうちの数社は、フラッシュストレージシステムが何らかの形態のパフォーマンスティアリングを必要とするとは思わないという意見だった。フラッシュとHDDの性能差はあまりに大きく、ティアリングは筋が通らないというのがその理由だ。そうしたサプライヤーに対し、テープからHDDへの移行が始まったときも同じことが言われていたと指摘すると、大抵は戸惑った様子になった。

全面決着にはならず

 AFAの初期でさえも、ストレージ戦争がこれで全面決着に至らないことは明らかだった。Violin Memoryは「ディスク」のコンセプトの再定義を試み、ディスクをViolin Inline Memory Modules(VIMM)に入れ替えた。これは素晴らしいアーキテクチャだったが、サードパーティーOEMの支持は得られず、他のサプライヤーが使っている3.5インチおよび2.5インチの標準的なSSDの価格低下に付いていくことができずにいる。

 それでも急激な「ダッシュからフラッシュ」の結果として、実質的に水準は上がった。基本的なワークロードが次々とAFAに移行する中で、早くから採用した企業が得たパフォーマンス上の優位性は薄れつつある。サプライヤーは、目に見えるパフォーマンス向上を自分たちのAFAからもっと絞り出そうとして苦慮している。

 例えばHDDアレイでデータレイテンシが40ミリ秒だったと仮定する。これは高速に思えるが、HDDの高速化に伴い、サプライヤーはレイテンシを20ミリ秒へ短縮することに成功した。これを読み込み/書き込みのパフォーマンス向上と組み合わせれば、I/O性能(IOPS)は大幅に向上する。

マイクロ秒のレイテンシ

 AFAのレイテンシはマイクロ秒にまで縮小する。自社で調達した最初のAFAのデータレイテンシが400マイクロ秒だったと仮定すると、この2つの要素(40ミリ秒と400マイクロ秒)のパフォーマンス向上は、ストレージ管理者が生涯で記憶しているどんな性能の向上をも上回る。

 次にサプライヤーがAFAのパフォーマンスを400マイクロ秒から200マイクロ秒に引き上げた場合、50%の向上にはなるが、ストレージの相互接続やサーバ能力が足かせとなって、その高速なデータの流れには対応できないかもしれない。

 しかもAFAにおいては、そうした飛躍はHDDのときほど簡単ではない。パフォーマンスを最適化する目的で機械的に操れる部分は存在しない。フラッシュ基板レベルの大幅な改善のためには新しい基板製造工場が必要になる。そうした工場の建設には、新しい磁気ディスク工場以上に経費がかかる。

 だが、高速化の需要はいまだに存在する。そのために、ストレージへの新しいアプローチを探る必要性が生じている。確かに、今後も基板の進歩は予想される。3D NANDメモリへの移行によって、ストレージの高密度化とある程度のパフォーマンス向上が促進された。Intel/Micronの「3D XPoint」は、一層のパフォーマンス向上を促すだろう。

追い付こうと苦戦

 それでもHDDアレイの制約は目に見えている。iSCSI、イーサネット、ファイバーチャネル、そしてInfiniBandでさえも、よくできた高速3D NANDがネットワークに供給できるデータ量に追い付こうとして苦戦している。

 これを回避するのがサーバサイドストレージだ。

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