“社長ブロック”をどう避ける? HCI導入稟議を通す3つのヒント「高い」の一言で製品選定やり直し

HCI製品を選定していても結局、経営層の“高い”その一言で片付けられていないだろうか。コスト削減効果とHCIベンダーが発表した新サービスで、そんな経営層にも響く3つの説得材料を紹介する。

2017年09月21日 05時00分 公開
[Paul KorzeniowskiTechTarget]
画像 高いからダメ、にちょっと待った

 デジタル化、ビジネスディスラプション(ビジネスの創造的破壊)、市場変革などはIT業界で広く使われている言葉(バズワード)だ。だが、こうしたバズワードの裏にあるのは、コンピュータリソースの構築と運用を迅速にするという単純な目標だ。

 ハイパーコンバージドインフラ(HCI)を利用すれは、IT部門はこの目標に近づくことができる。だが、高額な初期費用と組織内の障壁がHCIによる企業躍進の妨げになることが多い。特にHCI製品への投資を経営幹部に促すのは容易なことではない。そのためには、強力な投資対効果の検討書を用意することが重要になる。本稿では、経営幹部とのHCIに関する議論に含めるべき3つの具体的項目について説明する。

スケーラビリティによる費用対効果

 数年〜数十年前に開発され、技術刷新が必要になった旧式システム(レガシーシステム)は限られた処理量をサポートするように構築されてきた。そのため、業務規模を変えるのは簡単なことではない。稼働するシステムが増え、既存のシステムに合わなくなる程に業務が成長したら、フォークリフトアップグレード方式(ハードウェアとソフトウェアをまとめて置き換える方式)で新たなシステムを導入しなければならなかった。

 HCI製品により、こうした業務規模変換が容易になる。システム一式を別のものに交換するよりも、必要に応じてサーバ、ストレージ、ネットワークなど、処理能力を段階的に増やすことができる方が望ましい。

 レガシーシステムのソフトウェアは、基盤となるハードウェアと密接に結び付いている。そのため、システム構成を変えるのは、複雑かつ時間を要する作業だ。IT担当者は、ここ数年急速に性能が向上し、同時に複雑さも増したサーバ、システム、ネットワークなど、さまざまなオプションに個別に手を加えなければならない。

 HCI製品は、管理者が迅速かつ簡単にサーバ、ストレージ、ネットワークなどのリソースを追加して稼働できるように設計されている。仮想化によって、システムソフトウェアに抽象化レイヤー(複雑な機能を抽象化して管理しやすくした仕組み)が追加されることで、システムのハードウェアとソフトウェアとの結び付きが緩やかになる。現在は、サーバのCPUなど、1つの要素を変更しても、管理者がOSやアプリケーションなどの要素まで変更する必要はなくなっている。こうした進化によって、企業は以前よりもずっと簡単に、インフラの処理能力を向上できるようになった。

 経営幹部にHCI製品への投資を提案する際は、レガシーシステムの複雑な構成手順やスケーラビリティ(拡張性)の問題を取り除くことで、IT部門の時間とコストを節約できること強調すべきだ。

自動化による費用対効果

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