iOSやAndroidでも使えるOffice 365のツール群拡大するOffice 365の全体像(後編)

Office 365は、クラウドアプリ化することでマルチプラットフォーム対応を実現。非Windowsユーザーでも使えるツールになった。さらにその先、Microsoftのクラウド戦略はどこへ向かうのか?

2017年11月02日 08時00分 公開
[Simon BissonComputer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 10月18日号掲載)では、「Office 365」の重要なポイントであるデータ処理機能を中心に解説した。後編では、Office 365のさまざまなツール群やマルチプラットフォーム対応、セキュリティ機能などについて解説する。

どの環境でも使えるアプリ

 Microsoftはこれまで、Office 365で斬新なアイデアを果敢に試してきた。ストーリーテリングアプリの「Sway」は、「Windows 10」が登場するよりもずっと前からiOS向けOffice 365ユーザーに公開されていた。

 Swayは興味深いツールだ。とはいえ現時点では、「インタラクティブなコンテンツ制作のため、PowerPointの代わりに使う」といった、代替手段としてのニッチな存在となりそうな雰囲気もある。一方「OneNote」のように、教育関連のユーザーに好評なサービスも存在する。これは、はかなり広い用途をカバーしたツールで、トレーニングの運営やハイレベルな要約レポートの作成にも利用できる。そのため、従来はPowerPointしか選択肢がなかった用途について、最近は扱いにくい場合もあるPowerPointとは違う役割も担うことができる。

 これ以外の新しいツールには、プロジェクト管理を迅速かつ簡単に行える「Planner」、企業向け動画サービス「Stream」、「Wunderlist」の後継を目的に開発された新しいTo Do(やること)管理サービスもある。

 こうした主流のツール以外にも、ショートメッセージ(SMS)向けのツール、タスクマネジャー、簡単なパブリッシングアプリケーションなど、実験的な機能が幾つか含まれている。

 既定路線であるWindows以外の環境にもツールを提供することで、Microsoftはモバイル端末のユーザーにも認知を広げると同時に、幅広いユーザー層のニーズを把握することができる。こうしたツールとしては、「StaffHub」などWebベースのツールもある。StaffHubは、業務用PCを持っていないが、シフトを管理し、共通のメールボックスとカレンダーにアクセスする必要があるワーカー向けのツールだ。

 Webベースになったことで、Office 365は従来のユーザーベースを超えて、非Windowsプラットフォームや非PC端末のユーザーも利用できる形態に変わった。MicrosoftはOffice 365サービスのWebユーザーインタフェースに注力しているため、ブラウザでアプリケーションを操作できる。ユーザーは、あらゆる種類のコンピュータで自分のアカウントを使い、どんな場面でも、必要なサービスを利用することができる。

 コラボレーションが必要なユーザーには、さまざまなオプションがある。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






ITmedia マーケティング新着記事

news038.jpg

生活者の生成AI利用動向 10代後半はすでに5割近くが経験――リクルート調査
テキスト型生成AIサービスの利用経験者の割合は若い年代ほど高く、特に10代後半はすでに5...

news108.jpg

今度の「TikTok禁止」はこれまでとどう違う?
米国ではまたしてもTikTok禁止措置が議論されている。これまでは結局実現に至らなかった...