海外の先端事例から学ぶ、日本金融サービスに足りない視点とは?今、金融業界に「UX」が求められる理由

世界トップレベルを走り続けてきた日本の金融サービス。Fintechの取り組みも進むが、世界に後れを取り始めた部分がある――UXだ。今、日本に必要なUX向上の視点とは。

2018年01月18日 10時00分 公開
[ITmedia]

 先進ITを駆使して、これまでにない斬新な金融サービスの実現を目指す「Fintech」。現在、ブロックチェーンや人工知能(AI)、仮想通貨といった新技術を使った金融サービスが世界中で次々と生まれており、日本も金融庁を中心に積極的な施策を打ち出している。

 特に仮想通貨や金融APIなど、バックエンドサービスにおいては世界最先端の取り組みを進める日本の金融機関だが、店舗空間やオンラインサービスのデザイン、ユーザビリティーといったフロントサービスについては、残念ながら旧態依然としたものが圧倒的に多い。

 一方、海外の金融機関は実店舗かオンラインサービスを問わず、洗練されたデザインと、ユーザーの関心事にフォーカスした内容で構成されたユーザーエクスペリエンス(UX)を武器に、新規顧客の獲得や、既存顧客のロイヤリティー向上に成功している。あるいは、モバイルやクラウドを駆使したUXを通じて、紙書類を用いた旧来の煩雑な手続きを簡素化し、デジタルネイティブな若い世代の顧客に強力にアピールしている。

 このように、現在、世界の金融業界ではデジタル技術を用いた新たなUXの開発に各社がしのぎを削っており、その成否が将来のビジネス成長を大きく左右するともいわれている。翻って、Fintech熱に沸く日本の金融業界においては、本来はFintechの重要な構成要素であるはずのUXに対する配慮が抜け落ちているのが実情だ。逆にいえば、UXの重要性に気付き、適切な技術への投資をいち早く始める金融機関こそが、リテールバンキングの分野をリードしていくことになるだろう。

 では、金融サービスのUXを向上させるために、具体的にどのようなデジタル技術を活用すればいいのだろうか。


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