2017年12月20日 08時00分 公開
特集/連載

条件が何もかも変わった容量と速度だけで考えると失敗するビッグデータ時代のストレージ

保険会社IAGが保有するデータは、1年間で80TBから2PBに増加した。この間に、データの量だけでなくストレージシステム、管理方法、クラウドなども大きく変化した。ストレージ戦略を見直すべき時がきたのだ。

[Computer Weekly]
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 大手保険会社Insurance Australia Group(IAG)が1年前に保管していたデータは80TB余りにすぎなかった。だがその量は毎月14TBずつ増加し、同社が管理するデータは2P(ペタ)Bバイトに達した。

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 IAGのデータは文書、顧客との通話記録、無秩序な広がりを見せるモノのインターネット(IoT)ネットワークのデータや自動運転のテストデータなどで構成されている。これはまさにデータの「Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(発生速度や更新頻度)」の典型といえる。

 Cisco Systemsの最新調査によると、全世界の年間インターネットトラフィック量は2016年には1.2Z(ゼタ)Bバイトだったが、2021年には3.3ZBに到達するという。個人の単位では、2016年は1カ月当たり13GBだったが、2021年にはこれが35GBに達すると見込まれている。

 当然、こうしたデータの多くはコンシューマーデバイスやクラウドサービスに保管される。とはいえ、この調査が明らかにしている兆候はデータの増加速度だ。

ストレージを見直す

 IAGでデータおよび生産エンジニアリングとデータ運用の部門を率いるエディ・サタリー氏によると、使用方法や収集場所といったデータの性質も変化しているという。その結果、同氏がIAGで勤務した16カ月の間に、ストレージへのアプローチが大きく変化した。

 「当社は、レガシーのストレージエリアネットワーク(SAN)を、商用/非商用のオープンソースストレージに移行した」とサタリー氏は言う。さらに、コモディティストレージとコンバージドストレージをソフトウェア定義ネットワーク(SDN)で利用することで、データプールの稼働速度が大幅に上がったとも補足する。

 こうした速度や柔軟性の向上は、イノベーションだけでなく、突如急増する需要に対処するためにも不可欠だ。台風などの大きな天候異変が発生すると、平常時の4〜5倍のストレージ容量が必要になる場合があるとサタリー氏は説明する。こうした変動には、低コストで瞬時に対応できることが非常に重要になる。

 パフォーマンス、データ量の増加、コストのバランスをうまく取ることも必要だ。同社はこうしたバランスを取るために、複数のホスティングプロバイダーを利用するOpenStackの共有クラスタを導入している。複数の層からなるストレージメディアを利用し、最上層にはフラッシュストレージを配置している。また、8TBのアーカイブ用ストレージもある。

 「ストレージ環境にはバースティングを可能にするため25%のオーバーヘッドを見込んでいる。これは、四半期ごとに見直しを行う」とサタリー氏は言う。さらに、ストレージアーキテクチャを改良して、「完全な柔軟性を得た上で、5分の1のコストで4倍のパフォーマンス」を実現している。

高度テクノロジー

 調査会社Gartnerでストレージインフラとコンバージドテクノロジーの調査部長を務めるジュリア・パーマー氏は、ストレージサプライヤーが行うハイレベルなイノベーションにより、ストレージの問題が高度化していると指摘する。

 だがこうしたイノベーションに伴い、プライマリーストレージとセカンダリーストレージに使用するテクノロジーや、さまざまな種類のデータに使用するテクノロジーが多様化し、複雑性も増している。その上、CIO(最高情報責任者)が求めるのはパフォーマンスを低下させずにデータの増加をサポートするテクノロジーだ。

 基盤となるストレージメディアについては、パフォーマンスを重視する多くの企業がソリッドステートドライブ(SSD)を検討している。だが、サプライヤーの主張はともかく、ビジネスクリティカルなアプリケーションを実行できるほどSSDが安定しているかどうかは慎重に検討する必要がある。

 オールフラッシュとSSDの売り上げは2020年まで毎年31%ずつ増加すると予測される。だが、一般的にレガシーアプリケーションの設計では、高速ストレージに対応するのはキャッシュソリューションぐらいだ。こうした設計がフラッシュ導入の妨げとなる。

 パーマー氏は、依然として、「オールフラッシュ用にソフトウェアスタックを設計するのは大仕事」であることを挙げ、「フラッシュの導入はいまだに時期尚早だ」と言う。

 Dell EMCのCTO(最高技術責任者)アーロン・パターソン氏は、さらに課題を挙げた。

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