人間はAI、RPAとどうコラボレーションをすべきか、先進事例を見る調査会社Forresterレポート

人間と機械のコラボレーションが進めば、働き方はよりシンプルで生産的で人間らしいものになる――調査会社Forrester ResearchのAI、RPAに関するレポートを紹介する。

2018年05月06日 05時00分 公開
[Brian HolakTechTarget]

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 調査会社Forrester Researchが最近発表した報告書によると、企業が人間と機械のコラボレーションを推進すれば、働き方はよりシンプルで生産的で人間らしいものになるという。そのためにIT担当者が果たすべき役割がある。

 同報告書によれば、企業は従業員エンゲージメントや従業員エクスペリエンスの向上のために多額の資金を費やしているが、あまり進展が見られないという。多くの企業ではレガシーシステムや統合しにくいアプリ、さまざまな規制とチャネルが混在し、従業員の仕事は複雑化する一方だ。

 同報告書は、考えられる解決策の1つに人工知能(AI)の活用を挙げる。例えば、顧客対応に利用しているのと同様の対話型AI技術を従業員に応用し、ビジネスデータや知識、規則に関する質問に答えたり、単純作業を代行したりすることができる。

 同報告書はITインフラとオペレーションの責任者を対象としている。これを執筆したクレイグ・ルクレア氏は「機械を恐れる必要はない。私たちは毎日いろいろなことを機械に頼っている」と述べ、人間にはGPS(全地球無線測位システム)のようなナビゲーションはできず、単純な検索エンジンのように膨大な数のWebサイトのコンテンツを記憶する力もないと指摘する。「こうした作業は機械の方が人間より得意であり、その急速な進歩が日々の仕事を支えている」(同氏)

 ビジネスプロセスや社内オペレーションにAI技術を適用し、従業員がそれを活用して業務を効率化するように促進する役割は、企業とそのIT部門にかかっている、と同氏は述べている。

サイボーグの発想を取り入れよう

 企業でAIを効果的に活用するための第一歩は、どの作業が人間に向いていて、どの作業が機械に向いているかを把握することだ。機械は、データの検索、相関性やパターンの照合、反復的なデータ入力、計算的推論やマルチチャネルコンテキストの把握、リスク管理などに優れている。一方、人間は、対話や共同作業、ブレインストーミング、感情分析、データと概念の結合、学習に優れている。

 このように能力を分けることで、人間と機械のコラボレーションの可能性が広がり、人事、ITサービス管理、コールセンターサポート、財務アドバイザーサポート、保険仲介サポートなどの分野に利用機会があるという。

 次の実例は、人間と機械のコラボレーションの効果的な活用を示している。

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