2018年06月06日 10時00分 公開
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ハイパーコンバージドインフラ(S2D Ready Node)で一挙解決目前に迫るWindows Server 2008サポート終了、「HCI」は解決策になるか

Windows Server 2008延長サポート終了目前。移行計画でチェックしたいのが「ただの置き換え」ではないアイデアを組み込んだ成功事例。成功ユーザーの目の付けどころは。

[ITmedia]

 2020年1月に迫る「Windows Server 2008/2008 R2」の延長サポート終了。既存ユーザーは、サーバの置き換えを検討せざるを得ない状況だ。ここで注意しておきたいのは、現在の構成で置き換えるだけではリプレースの「うまみ」を最大化できない点だ。

 例えば、Windows Server 2016への移行を視野に入れるならば、注目を集めるストレージ周りの機能強化やHyper-V環境の移行、運用の方法も調査しておきたい。

 また、バージョンや構成が異なる複数のシステムの運用をどう効率化するかも、できるだけ多くのアイデアや事例を知って最適解を見つけたいところだ。

 本稿では、実際にWindows Serverリプレース計画をきっかけに、既存運用ノウハウを生かしつつ、システムの「負債」を一気に解消した企業の取り組みを追った。

1200団体超の福利厚生をサポート、システム内製でサービス品質にもこだわり

 「福利厚生サービスを通じて“しあわせ”で“安心”できる暮らしをサポートし、企業・社会の活性化に貢献する」をミッションに掲げるイーウェル。「『あったらいいな』から『なくてはならない』サービスへ」を目指し、企業の従業員やその家族向けに多彩な福利厚生サービスを提供する。

 中でも、「WELBOX」はパッケージ型の福利厚生アウトソーシングサービスとして、1200を超える企業や団体の福利厚生制度を支援してきた実績を持つ。専用のWebページで提携先の施設やサービスを検索し、いつでも自由に会員価格で利用できる。予算に応じてサービスや施設、期間、回数をカスタマイズできることも大きな特徴だ。同社は顧客ニーズに柔軟に対応すべく業務システムの内製を重視し、技術者による技術情報発信にも積極的だ。

イーウェルのサービス一覧

バージョン違いサーバ混在環境、更新保守業務は手作業の限界に

 同社が社内システム基盤で抱えていた課題は、システム管理の複雑化と運用負荷の増大だ。マーケティングIT企画本部IT管理部インフラグループ マイスターの並木孝弘氏は「社内システム基盤は、Windows Server 2008/2008 R2、Windows Server 2012などのHyper-Vをベースに構成していました。しかし、機器が老朽化し、また事業の拡大に伴ってシステムが複雑になり、設計やサイジングの負荷が高まっていました。加えて、Windows Server 2016へのリプレース時期も迫り、これらの課題が一気に表面化したのです」と話す。

イーウェル 並木孝弘氏

 社内システム基盤には、事業部ごとに利用するアプリケーションや全国にあるコールセンター関連のシステムも含まれる。プロキシやセキュリティなど事業継続に影響を及ぼすものがあるため安定性の確保とともに、ビジネス拡大にも柔軟に対応する必要性があった。

 当時の社内システム基盤が抱えていた大きな課題は、構成の異なる複数の仮想基盤の存在だ。Windows Serverのバージョンは2008 R2、Windows Server 2012など複数あり、それぞれでバージョンの異なるHyper-Vホストが動作していた。加えて「Microsoft Failover Cluster(MSFC)」を用いたHyper-Vのフェイルオーバー構成もあり、管理が煩雑だった。結果、どのホストがどの筐体にあるのかを見つけ出すことすら困難になり、管理作業に多くの時間を費やしていた。

 また、既存サーバの老朽化とスペック不足も大きな課題だった。事業拡大に伴ってサーバやストレージリソースを増強したが、継ぎ足しになることでシステムを構成する機器が部分的にサポート切れに陥ることがあった。リソース増強と機器リプレースに並行してシステムの設計やサイジングを行うことは困難を極めた。

構成やバージョンが混在するため、運用工数が膨大に

2020年1月の延長サポート終了を最も効率良く乗り切る方法は?

 課題が表面化したきっかけは、2020年1月に控えたWindows Server 2008 R2の延長サポート終了だ。アップグレードのためにシステム全体の設計と検証を自分たちで行うにはコストも作業時間も見合わなくなっていた。

 そこで採用したのが「Dell EMC Storage Spaces Direct Ready Node(S2D Ready Node)」だ。

 「Storage Spaces Direct(S2D)」は「Windows Server 2016」から搭載されたソフトウェア定義ストレージ機能。リリースからわずか1年半で、1万クラスタ超もの稼働実績を誇る。採用組織は実に多彩で、2ノード構成のスモールビジネスからラージエンタープライズ、政府機関など、数百ノード規模のクリティカルなアプリケーションやインフラまでを網羅している。

 複数の個別最適化したシステムを抱えるWindows Serverユーザーにとって、物理/仮想を問わず集約でき、かつ標準ライセンスのみで運用可能なソフトウェア定義ストレージは、待ちに待った機能といえるだろう。

 並木氏らが採用したS2D Ready Nodeは、このS2Dを搭載した完全検証済みの「Dell EMC Ready」ソリューションとして提供される。このため、素早い導入が可能で、設計、導入、運用の各フェーズでのサポートが手厚い点も特徴だ。

 「次期システムに向けて、管理が容易で柔軟な拡張性を持った基盤構築を目指しました。そこで視野に入ったのがハイパーコンバージドインフラ(HCI)です。ただ、全く新しいHCI基盤では、既存資産の管理ノウハウを生かせません。そのため有力な選択肢となったのがS2D Ready Nodeでした」(並木氏)

高価なFC接続ストレージと同じ性能が簡単に使える

 イーウェルでは2017年4月にS2D Ready Nodeの採用を決定し、同年7月に導入作業を開始した。約10週間でシステム移行を終了させ、10月から本格稼働を始めた。

 S2D Ready Nodeの導入メリットは大きく分けて3つあった。マーケティングIT企画本部IT管理部インフラグループの高崎真史氏*は、1つ目のメリットとして、導入や移行の容易さを挙げる。

*高は正しくははしごだか。

 「完全検証済みなので、数カ月かかっていた作業が約1週間で済むなど、導入工程を簡略化できます。機器の設置からシステムのデプロイまでをDell EMCの技術者に任せられるので、われわれは他の作業に集中できました」(高崎氏)

イーウェル 高崎真史氏

 S2D Ready Nodeでは、機器やOSの検証だけでなく、Hyper-Vの設定、クラスタの共有ボリューム(Clustered Shared Volumes)の設定や検証なども事前に済ませているため、設置後すぐに移行作業に取り掛かれたという。

 2つ目は、パフォーマンスや拡張性の向上だ。一般にHCIでは、サーバと共有ストレージの間の通信が性能ボトルネックになりやすい。そこでS2D Ready Nodeでは、RDMA(Remote Direct Memory Access)に対応した「Dell EMC Networking S4048-ON」スイッチを採用し、システム全体のパフォーマンスを向上させた。

 並木氏は「特別な設計や構成が不要で、これまでの8Gbpsファイバーチャネル(FC)接続のSANを使ったMSFCクラスタと遜色ない性能を出せるのは大きなメリット」と評価する。

 拡張性の面では、CPUやメモリはノード単位で、ストレージはディスクアレイ単位で拡張するWindows Server 2012 R2までと比べて、Windows Server 2016ベースのS2D Ready Nodeでは、それぞれをノード単位で拡張できる。「状況を見ながらノード単位でインフラを拡張できるため、サイジングなどの作業負荷が減り、ビジネス側の要求に応えやすくなりました」と並木氏は話す。

品質とスピード、全国規模でのサポートが力強い存在に

 3つ目のメリットは管理性の向上だ。S2D Ready Nodeは、一般的なHCIのようにソフトウェア定義ストレージ(SDS)の管理ツールと仮想基盤の管理ツールが分かれておらず、SCVMM(System Center Virtual Machine Manager)で一元的に管理できる。

 構成は4ノードで、当初は移行で乗せ換えた17台の仮想マシンが稼働していた。その後、ビジネスの拡大やユーザーの増加に伴って仮想マシン数が増え、現在では25台ほどの仮想マシンが稼働する。

 「Hyper-Vホストが分散するなど、構成管理がままならなかったという課題をSCVMMで解消できました。さまざまな環境を一元的に把握できるだけでなく、仮想マンシが増えても管理性が損なわれないことは大きなメリットです。以前より利用してきた管理ノウハウがそのまま活用できるため、追加の学習コストは不要です。WindowsやHyper-Vの運用経験があれば容易に運用できます」と並木氏は話す。

現在のシステム構成イメージ。バックアップを含む運用を一元化した

 また、高崎氏は、導入や運用ではDell EMCのサポートやサービスが大きな助けになったと話す。

 「HCIで管理性が向上しても、ときにはトラブルが発生したり、新しいノウハウが必要になったりします。その際にサポートが迅速に対応してくれることは大きな助けとなります。特にこの数年、Dell EMCのサポートのスピードの速さと品質の高さには目を見張るものがあります。全国にコールセンターがある当社にとっては、全国規模のサポートが受けられるDell EMCの存在は大変貴重です」(高崎氏)

 Dell EMCが提供するS2D Ready Nodeは、ITを武器に福利厚生サービスを展開するイーウェルに欠かせない基盤となった。今後は、企業や社会に向けた「『あったらいいな』から『なくてはならない』サービス」の提供にますます力を発揮するはずだ。

提供:デル株式会社

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アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部