2018年07月13日 08時00分 公開
特集/連載

ソフトウェア定義ストレージの進化(前編)ソフトウェア定義ストレージの基礎と製品の選び方

ハードウェアのコモディティ化が進み、ソフトウェア定義ストレージを実現する環境が整ってきた。改めてソフトウェア定義ストレージの基礎から進化の方向性、製品の選び方を解説する。

[Chris Evans,Computer Weekly]

 データセンターのインフラはIntel x86アーキテクチャで標準化され、ストレージもハードウェアのコモディティ化の方向に向かっている。その結果、IT組織はサプライヤーが選択するハードウェアの影響を受けずに、ストレージソフトウェアのエコシステム全体を要件に合わせて開発できるようになった。

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 本稿では、ソフトウェア定義ストレージが行き着く先と、興味深い製品を幾つか取り上げる。

ソフトウェア定義ストレージの基礎

 まず、実際のソフトウェア定義ストレージとは何かを簡単に振り返ろう。ソフトウェア定義ストレージの公式な定義は存在しない。だが、ソフトウェア定義ストレージは一般に以下の基準を満たす。

  • コモディティハードウェア

ソリューションは、標準のサーバ、コントローラー、ドライブなどのコモディティコンポーネントで構築される。

  • ハードウェアの抽象化

ハードウェアを新しくしたり交換したりしても、サービスの提供には影響しない。例えば、パフォーマンスの基準はストレージメディアの速度ではなく、サービス品質(QoS)になる。

  • ソフトウェアベースの機能

圧縮やデータ重複排除のようなデータサービスは、特注のハードウェアコンポーネントではなく、ソフトウェアで実装される。

 サプライヤーが自社製品をソフトウェア定義に分類していても、実際に提供されるモデルはソフトウェアのみのものもあれば、アプライアンスが限定されるものもある。ハードウェアの提供を選択するベンダーは多い。連携して機能するコンポーネントを選別してテストする際に、顧客から求められる作業が少なくなるためだ。

 ソフトウェア定義モデルは、従来のストレージハードウェアよりも安価で柔軟性に優れている。IT部門は、ソリューションをこれまで以上に柔軟かつ革新的に設計できる。つまり、ソフトウェア定義ストレージの機能を既存のハイパーコンバージドインフラやパブリッククラウドで使うことができる。

イノベーション

 ソフトウェア定義ストレージの市場は、記事に取り上げるたびに進化を続けている。本稿執筆時点のデータセンターでは、ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージという3種類の主要ワークロードに対応する製品が見受けられる。

 だが、ハイブリッドクラウドという考え方が広がるにつれ、多くのソリューションはデータセンターだけでなく、パブリッククラウドでも導入できるようになっている。パブリッククラウドをソフトウェア定義ストレージソリューションで補完する必要があるという考え方は、既にストレージサービスが存在する現在、クラウドサービスという考え方とは相いれないように思える。

 だが、クラウドサービスプロバイダーがほぼ全てのユースケースに適したソリューションを提供しても、企業の要望がそれを上回ることがある。また、クラウドストレージは比較的独立した形で運用される。そのため、パブリッククラウドとプライベートクラウドの効率的な統合というものは事実上存在しない。ただし、ソフトウェア定義ストレージならその上位に層を重ねることができる。

開発者向けの構築

 新しいソフトウェア定義ストレージソリューションの多くは、開発者とオープンソースに重点を置いて構築されている。そのための要件の基本は、容易さとアジリティーが中心になる。パフォーマンスはあまり考慮されない。だが、「Kubernetes」のようなオーケストレーションツールを統合する機能が不可欠になる。

 興味深いのは、ストレージが構造上の主要コンポーネントになるのではなく、プラットフォームを問わずあらゆる場所で利用できるサービスへと急速に変化していることだ。ストレージは、仮想マシン(VM)やコンテナと全く同様にサービスになりつつある。

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