2018年08月08日 10時00分 公開
カスタムナーチャリング

「情シスに頼んでも動かないので」と言わせない事業部門の「勝手クラウド」を封じるための情報シス部門の動き方

企業におけるデジタル変革の議論の中で頻繁に議題に上がるのが「動きの遅い情報システム部門」排除論だ。果たして情シスは絶対悪か。批判の背景から問題の打開策を考える。

[ITmedia]

 企業のデジタル変革事例で、よく目にするのが「自社の情報システム部門は動きが遅く、システム利用コストが高いので独自にクラウドサービスを利用した」という、ビジネス開発担当者の声だ。こうした状況は現在多くの企業で生まれており、それぞれの組織で、デジタル変革からの「情報システム部門外し」のような状況が生まれつつある。

 一方の情報システム部門からすると「しがらみなく気楽にクラウドを利用して成果を出す新規事業開発がうらやましい」という意見もあるだろう。企業全体の情報戦略を担うべく組織された情報システム部門は、なぜ「動きが遅い」と非難されるのか。その背景には、保守性や技術力不足といったありがちな理由ではない、過去資産の呪いを一手に引き受ける情報システム部門の苦悩がある。

 今あるベンダーがこの状況に現実的な解決策を提示している。それはどのような手法で、どう問題を解決しているのか。以降では、その詳細を見ていく。

既存資産の運用管理に残る課題と「動けない情報システム部門」

 企業情報システム部門にとって最も負荷が高いのは、既存IT資産の維持運用だろう。クラウドのように柔軟な環境とは異なり、システムごとにトラブル対応から数カ月がかりのシステム更新、突発的な障害やインシデントへの対応も必要だ。

 負荷の高い維持運用の例として、個別最適で構築されたシステムにありがちなのが、ハードウェアやファームウェアやソフトウェアスタックの更新計画がシステムごとに発生することだ。その都度、ハードウェアコンポーネントごとに依存関係や対応バージョンの確認が必要になる。

 例えば、ストレージシステムとサーバーシステムのファームウェアのアップデートはどちらが先であるべきか。オンプレミスの個別システムでは、こうした情報をあらかじめ把握して、テストや検証を含むシステム更新計画を立案して実行する必要がある。情報システム部門が管理する多岐にわたるシステムのそれぞれについて、全ての要素の情報を把握し、メンテナンスを実施し続けるのは大変な労力が掛かる業務だ。

 だが、残念ながらこれらの業務は維持するためのものであり、新しい価値を生む挑戦ではない。それにもかかわらず、現在の企業情報システム部門は、こうした既存システムの維持運用に多くの時間を割かざるを得ないのが現実だ。

 情報システム部門はこの状況でデジタル変革を求める事業部門から“クラウド”や“新しいアプリ開発”への対応を求められている。問題はデジタル化の主導権を握るべき情報システム部門が、既存システムのお守りで動けない状況が生まれている点にあるだろう。この問題を解決するには、既存の非生産的な業務の負荷をどう解消するかが肝になる。

運用負担を軽減するための効率的なITインフラ

 IT部門の運用管理負担の軽減という視点に着目すると、実は一足飛びのクラウド移行は最適解ではない場合が多い。一時的とはいえクラウドに移行するための工数が掛かる上に、外部に出せないデータなどはオンプレミスのシステムに残り続ける。この部分の運用管理負荷が軽減されなければ、移行が負担増になることもあり得る。

 ではどうすればよいか。回り道に見えても、まず既存オンプレミスの運用負荷を軽減することを考えるべきだ。

 運用管理の中でも、前述のようなアップデートに関わる負担が大きいのだが、幸いなことに、昨今ではこの部分に関して適切なツールを活用することで大幅な効率化が可能である。逆に言えばITインフラの選定では、効率的な運用管理ツールが利用可能なプラットフォームを選ぶべきだ。こう考えてみると、個別のコンポーネントを任意に組み合わせる従来型のインフラ構築は不利であり、統合型のインフラ製品に移行すべきだろう。

「SDDC Manager」と「HPE OneView」の組み合わせが他にない利点を持つ理由

 日本ヒューレット・パッカード(以下HPE)が戦略製品として提供する「HPE Synergy」は「統合型コンポーザブルインフラストラクチャプラットフォーム」と呼ばれる先進カテゴリのITインフラ製品だ。これからの時代に合わせて、ソフトウェア定義やAPIエコノミーに適するよう設計されているところに特徴がある。

 新たに投入する「HPE Synergy with VMware Cloud Foundation」は、このHPE Synergyを「VMware Cloud Foundation」と組み合わせることで、ヴイエムウェアが提唱する「SDDC(ソフトウェア定義型データセンター:Software-Defined Data Center)」をオンプレミスに構築できる。

 HPE Synergy with VMware Cloud Foundationでは、VMware Cloud Foundationのみに付属する運用管理ツール「SDDC Manager」でソフトウェア更新に関わる負荷を解消する。SDDC Managerでは稼働中のソフトウェアを全て把握し、バージョン管理や更新作業の自動化などを実現するので、ソフトウェアスタックの維持管理の負担は大幅に軽減されるわけだ。

 一方、ソフトウェアスタックに比べるとあまり意識されないが、ハードウェアコンポーネントの入れ替えやファームウェアアップデートなどの更新作業もIT部門にとっては多大な負荷となっている。ファームウェアアップデートなどは再起動を伴う更新も多いため、ソフトウェア以上に負担になっているかもしれない。これらの操作はHPE Synergyに内蔵されている運用管理ツール「HPE OneView」がカバーできる。

 運用管理やメンテナンスといった作業は「後ろ向きの作業」の典型である。負荷を大幅に軽減できる最新のITインフラを導入することで、IT部門を煩雑な“作業”から解放し、デジタルテクノロジーの戦略的な活用に取り組む余力を生み出すために、HPE Synergy with VMware Cloud Foundationのようなプラットフォームの導入を検討すべきだろう。

(出典:ヴイエムウェア)《クリックで拡大》

ITインフラの予算管理を高率化、所有ハードも「利用」にシフトする

 従量課金モデルによるコスト最適化や最新アーキテクチャへの対応、運用効率の向上など、クラウド化には多くのメリットがあるのは確かだが、既存システムを放り出して、いきなりクラウドで新規にシステムを構築していては、かえってコストがかさんでしまうこともある。

 まずは、動かしにくいオンプレミスで、ITインフラをクラウド型の運用方法に対応させていくべきだろう。

 この点、HPE Synergy with VMware Cloud Foundationでは既存システムの品質要件を維持しながら、一方で、セルフサービスでリソースを払い出したり、仮想サーバやアプリケーションコンテナの実行にもしたりといった、クラウド型の運用手法を採用できる。「インフラをクラウドのように使いたい」と望むユーザー部門の声に応えられる上、主要クラウドプロバイダーが対応するVMware Cloud Foundationを基盤とすることから、将来的なパブリッククラウドとの連携でも有利だ。

 さらにHPE Synergyについていえば、従量課金モデル「HPE GreenLakeフレックスキャパシティ」サービスを適用できる。オンプレミスのIT調達でありながら、他のクラウドサービス同様にハードウェア費用とソフトウェアライセンスを月次の従量課金に統一できるため管理効率も高まる。また、コンポーネント型のアーキテクチャを生かして予備リソースを導入しておき、必要な時だけ課金する使い方もできる。

 同様のプランは競合他社にもあるが、HPEの場合、リソースの「削減」にも柔軟に対応する点がユーザーメリットとなる。例えば、追加で稼働させたサーバブレードが不要になった場合、電源をオフにしてしまえばその分の課金は停止する。増やすことにのみ対応するプランもよくみられるが、柔軟に減らすことができてこそ、クラウド同様の従量制課金としてのメリットを得られる点には注意が必要だろう。

(出典:日本ヒューレット・パッカード)《クリックで拡大》

現実的な最適解としてのHPE Synergy

 クラウドへの移行は企業ITの大きな課題だ。しかし、移行さえすればメリットが得られるというわけではなく、手段次第では従来実現してきた性能や品質を維持できなくなる可能性もある。このため、現時点ではワークロードの特性に応じて最適なプラットフォームを選択すべきだろう。

 この点、“クラウドReadyな”SDDCをオンプレミスで実現するHPE Synergy with VMware Cloud Foundationであれば、ハードとソフトのどちらとも品質を維持しながら、負担が大きかった既存システムの運用自動化を促せる。IT部門からすれば、システムのお守り業務を効率化し、その分を事業部門のニーズをくみ取った「次のIT戦略」立案などに割り当てられる。

 IT部門の運用管理負担の軽減を皮切りに、ITインフラのコスト最適化、最新アーキテクチャをサポートするバイモーダルITの実現など、他のさまざまなメリットが同時に得られる点も大きい。リスクの最小化にもできるはずだ。

(出典:日本ヒューレット・パッカード)《クリックで拡大》
提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社

提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部/掲載内容有効期限:2018年10月31日