1兆ドル企業Apple対Amazon、今後の勝敗を分けるAppleの弱点AppleはAmazonに学べ

2018年、AppleとAmazonが相次いで1兆ドル企業となった。先行したAppleだが、同社はある弱点によってAmazonとの競争に敗れると予想される。両社の違いとは何か。

2018年10月04日 08時00分 公開
[Cliff SaranComputer Weekly]

 2018年8月初旬、Appleは2018年第3四半期の業績を公表した。それによると、同社の「iPhone」とウェアラブル端末の好調な売り上げにより、売上高が533億ドル(約5兆9000億円)に達したという。

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 Appleは史上初の時価総額1兆ドル(約111兆円)の企業になった。だが、Forrester Researchが発表したレポートは、データの有効活用による顧客エクスペリエンスの向上を妨げる要因として同社のデータプライバシーに関するポリシーを挙げている。大手オンライン小売企業Amazonは、顧客から収集したデータを活用することで進化している。同社は間もなくAppleの時価総額を上回ると予想されている(訳注)。

訳注:AmazonもAppleに続き、2018年9月4日に時価総額が1兆ドルを突破した。

 このレポート「What To Learn From Apple's Coming Brawl With Amazon」(AppleとAmazonの競争から学ぶこと)は、Forresterのバイスプレジデント、ジェームズ・マキベイ氏が執筆した。このレポートでは、iPhoneの大成功と同社の製品に本質的に望まれる点に注目している。

AppleはAmazonに学べ

 マキベイ氏はAppleをAmazonと比較して次のように述べている。「Appleが特異なブランドであるという点を除いて、Appleにしかない強みはもう以前のような影響力を持っていない。そのブランドの特異性も以前のような力を持たなくなっている。それは、毎回快適さをもたらすことで培ってきた信頼の力に慣れてしまったためだ。Appleの優位性を脅かす脅威は幾つかあるが、その将来に最も大きな暗雲をもたらすのがAmazonだ」

 同氏によると、Amazonは既にAppleの大半の顧客を獲得しており、関連企業はAppleよりもAmazonの今後の動向に関心を寄せているという。「Amazonの、サービスと利便性を基本とする戦略がAppleの製品優先のアプローチを上回り、Amazonはより迅速に新しい市場にアクセスできるようになっている」とレポートは伝えている。

 マキベイ氏は、米国の1500万世帯でスマートスピーカーが利用され、その大半がAmazonの「Alexa」であることを証拠の一つに挙げている。

 Amazonが新たなインテリジェンスをAlexaに加えて会話が一層実用的で自然になれば、使用頻度は倍増するだろう。マキベイ氏は、車、職場、ホテルの客室にスマートスピーカーを設置してほしいという要望がAlexaの導入を加速すると予測する。

 一方でデータに対するAppleのアプローチが妨げになる恐れがあるとマキベイ氏は指摘する。

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