2018年10月12日 08時00分 公開
特集/連載

クラウドコスト節約Tips(前編)デメリットが多過ぎる、部門単位のクラウド導入

クラウドの導入は容易であり、IT部門を通さずに事業部門が直接導入するケースも見られる。だが、こうしたやり方にはデメリットも多い。

[Cliff Saran,Computer Weekly]

 IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)は事業部門をIT部門の束縛から解放する。だが、適切に監視しなければ瞬く間にコストが制御不能に陥る恐れがある。

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 クラウドの初期導入コストは比較的低い。そのため、独自にクラウドの予算を立て、それを自己管理するビジネスマネジャーもいる。だが、これには良い面もあれば悪い面もある。

 IT部門の束縛を受けることなく作業できる半面、ビジネスマネジャーはクラウドの契約を有効に管理する専門知識を備えていない可能性がある。例えばクラウドサービス導入に当たり、安価な低レベルのサービスを購入するか、無償のサブスクリプションを使用するとする。その後使用範囲が拡大したら、もっと安価にスケーラビリティの要件を満たせる経済的なサービスに移行することもできるのに、当初のサービスに割増料金を支払ってしまうこともあるだろう。

 2018年初めにDensifyが発表したレポートによると、IT部門の4分の1が「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」などのパブリッククラウドに実際にかかっているコストをほとんど把握していないという。

 ITの一元管理の点でいうと、このようにコスト全体が見えていないと、クラウドのサブスクリプションとクラウドベースのサービスに必要分をはるかに超えて課金される恐れがある。

 ITAM Reviewの業界アナリストAJ・ウィット氏によると、クラウドのサブスクリプションで約30%の無駄が発生しているというのが業界の一般的な認識で、そのほとんどは「買い過ぎ」に起因しているという。「バンドル品を購入しても全ての製品を使用していなかったり、100シート購入したのに70シートしか使用していなかったりする」と同氏は話す。

 ソフトウェア資産マネジャーは、実際の使用状況と照らし合わせてオンプレミスのライセンスを評価する。ビジネスユーザーもこれに倣い、クラウドのサブスクリプションの実使用状況を評価することを同氏は勧める。「(『Adobe Photoshop』などの)Adobe製品単体を購入すれば、バンドル製品を買うよりも安く済む。この他に、製品の選択を誤るという落とし穴もある。例えばAutodeskの『AutoCAD』でいえば、ほとんどのユーザーにとっては『AutoCAD LT』のサブスクリプション、または無償のビュワーで十分であるにもかかわらず、完全版を購入するといった具合だ」

 「この点では、オンプレミスのソフトウェアにあった問題がサブスクリプションベースのライセンスにも存在するといえる」(ウィット氏)

 SaaSは非常に簡単に購入できる。そのためマーケティング、営業、エンジニアリングの各部門が独自にサブスクリプションを購入する可能性がある。その結果として、それぞれに未使用のサブスクリプションが生まれることになる。だが、これらのサブスクリプションは1つの契約にまとめることができるとウィット氏は語る。

 同氏によるとSaaSは調達と導入が非常に簡単なので、調達部門のポリシーとIT部門のポリシーが迂回(うかい)されることが多いという。「SaaS最適化ツールプロバイダーの多くは、管理されていない支出を見つけることに特化している。そのため、契約データベースや資産台帳などの正式な情報源ではなく、まず支出と買掛金記録を詳しく調べるようになっている」

 同氏は、ベンダーとの契約を一元管理してレコードを1つにまとめない限り、企業が適正な価格を支払っているかどうか、または購入したサブスクリプションを使用しているかどうか判断することはできないという。そして、次のように付け加えた。「部門レベルで断片的に契約するとスケールメリットが失われ、ベンダーとの力関係も悪くなる」

過剰調達

 さらに、買い過ぎという問題もある。

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