「電子化なんて不便なだけ」を解決 現場視点の教育&レポーティングツールタブレットを配るだけでは何も変わらない

業務の効率化を目的に紙のマニュアルやカタログを電子化して従業員に共有する企業は少なくない。しかし使い勝手の悪さから、利用が進まない企業もあるだろう。業務資料は、どんなツールでどのように共有すれば業務を効率化できるのだろう。

2018年12月28日 10時00分 公開
[ITmedia]

 紙のマニュアルやカタログ、手順書があふれ、探すだけでも精いっぱい。解決策としてペーパーレス化とタブレットの配布が行われたものの使いにくい。結局、紙に戻ってしまい、タブレットは放置──。

 製造現場や営業現場で業務のIT化を行うに当たって、ありがちな話だ。ITシステムは、それを使いこなせるユーザーにとっては効率化の武器になる。しかし、目の前の業務をいかに遂行するかを重視する現場にとって、ITシステムが少しでも使いにくければ仕事の邪魔をする存在でしかない。

 だが、深刻な人手不足によって現場の働き方改革は喫緊の課題だろう。この課題を解決するのに有効なのは、製造業の現場ニーズを徹底的に吸い上げて開発された情報共有、レポートツールだ。日本トップクラスの企業にも採用されて鍛えられたツールで、現場のニーズに応える数々の特徴がある。

タブレットを配布しただけでは現場は何も変わらない

 現場が抱える課題を現場目線で解消すべく開発されたのが、日本デジタルオフィスが提供するマニュアル&レポーティングツール「do!book eX」だ。同ツールを使うと、カタログ、マニュアル、ビデオ、写真といったさまざまなコンテンツを、元データの形式を問わずに一つにまとめて“BOOK”と呼ばれる資料として公開、共有することができる。作成したBOOKは現場への情報提供やスタッフの教育に利用できる他、現場担当者がツールを使えば、現場からのレポートをまとめたBOOKを作成して本部に情報を共有するといった使い方もできる。遠隔地にいる相手に資料画面を共有し、画面操作をシンクロさせて相手に見せることができる「会議室機能」もオプションで提供されている。

日本デジタルオフィスの代表取締役 濱田 潔氏(濱は正しくはさんずいに賔)

 そもそも現場での働き方改革を推進する上で、従来のIT製品では何が課題になりやすいのだろうか。日本デジタルオフィスの代表取締役 濱田 潔氏は次のように話す。

 「IT部門や管理部門が必要だと思った要件や機能を基に製品を作っても、現場のニーズにそぐわないことが多いのです。営業ツールとしての活用を見込んでカタログなどをペーパーレス化してタブレットで共有しても、ただ閲覧するだけのツールになってしまいがちです。さらに複数のファイル形式でファイルを共有している場合、形式が異なるファイルを見るにはソフトを切り替える必要があります。忙しい中で閲覧に手間が掛かるため、現場への情報共有用としての活用すら見込めません」

 例えば製造現場では、図面や手順書、説明動画、マニュアルといった多種多様な資料を使って作業を進める。営業現場などでもカタログや写真集、提案書、見積書といった資料から必要なページをその場でスピーディーに探し顧客に示す必要がある。こういった現場に、ただ単純に電子化した資料とタブレットを導入しても、欲しいファイルを探して閲覧するだけで膨大な手間が掛かるため仕事の効率化にはつながらない。ペーパーレス化やタブレット配布は実現できても、現場の働き方改革という本来の目的は何ら達成できないのだ。

 「現場のIT化を掲げてシステムを導入しても、結局紙に戻ってしまったという事例は数多くあります。現場で本当に求められているものを作り込んでいかなければ、いつまでたっても使われないシステムを現場に提供するだけになります」

 do!book eXは、そうした製造現場や営業現場の課題に応えようと開発された。

トヨタ自動車や清水建設が使う情報共有&レポーティングツール

 do!book eXには、日本デジタルオフィスが培ってきた製造や営業など現場起点の開発ノウハウが詰め込まれている。同社は、トヨタ自動車や清水建設といった日本を代表する製造業に向けて独自開発のパッケージシステムを提供してきた。

 2006年に大規模ドキュメント管理システムとして「do!book」をリリースし、現場のニーズに応える形で機能を強化、改善してきた。トヨタ自動車は、全販売店で営業スタッフが提案ツールとして利用している。さまざまなファイルフォーマットを混在させたプレゼンテーションを一つのツールで作成、閲覧できることとセキュリティの堅牢(けんろう)さが同社に評価されたという。清水建設は建設現場へのドキュメント配信ツールとして活用している。スマートフォンからPCまでマルチデバイスで利用できるため、現場にいても必要な情報にスピーディーにアクセスできることがポイントだ。

 この他、住友林業、三井ホーム、しまむら、青山商事のスーツブランドである「THE SUIT COMPANY」、いすゞ自動車販売、エイチ・アイ・エス、関西電力などdo!シリーズは多種多様な現場で活用されている。do!book eXはこうした採用実績を踏まえ、必要十分な機能を搭載したパッケージ製品として2018年10月にリリースした新製品だ。

 「トップ企業が現場にシステムを導入する際に、それを成功に導く要因は大きく分けて3つあります。1つ目は、できるだけ多くの情報を現場に配信できること。そのためには、ファイル登録数が無制限であるシステムを導入するのがよいでしょう。2つ目は、従業員全員が利用できるようにすること。そのためには、マルチデバイスでユーザー数無制限のシステムを選ぶことがポイントです。3つ目は効率化を追求できること。単に閲覧できるだけでなく活用できるシステムかどうかがポイントです」(濱田氏)

 この3つのポイントを押さえるには従来の情報共有アプリやレポートアプリでは難しかった。それを可能にしたのがdo!book eXだ。

現場への情報共有と現場からのレポートが劇的に変わる

 do!book eXの機能面の特徴は、スピード、操作性、コミュニケーションにある。これらの特徴を生かすことで、現場への情報提供や現場からのレポートをスムーズに行える。do!book eXでは、クライアントPCにインストールした「BOOKクリエータ」と呼ばれるBOOK作成ツールを用いて、さまざまなファイル形式の資料を一つのBOOKにまとめていく。この作業は簡単に行える。作成したBOOKは利用企業のクラウド環境にアップロードして、マルチデバイスで閲覧できる。

 「現場が必要としているのは資料全体ではなく、資料に含まれる“必要な情報が書かれたページ”です。そうしたページだけを抜き出して一つのBOOKとして提供することで活用がスムーズに進みます」(濱田氏)

 例えば、手順書(pptx)、動画(mp4)、要領書(xlsx)、図面(pdf)から必要なページを抜き出し、それをBOOKクリエータで「取り込み」操作する。これをBOOKとして書き出すと、タブレットの左右スワイプ操作で、必要なページを簡単に閲覧できるようになる。動画や写真の取り込みも自由自在に行える。

BOOKクリエータによるBOOK編集画面。左側のファイル一覧で選んだファイルが右側の編集エリアに表示され、ページの掲載順を編集することで、ファイルフォーマットが混在したBOOKをスピーディーに作成できます《クリックで拡大》

 現場からのレポート作成においても、特徴的な機能を利用できる。製造業の現場でレポートを作成する場合、キーボードを使って文字を打ち込むのはかなりの手間だ。タブレットであっても、メモを取ったり現場の写真を添付して送信したりといった作業をスムーズにこなすのは簡単ではない。

「これに対し、do!book eXは手書きメモや付せん、写真をBOOKに書き込んで相手と直接共有できます。QRコードを読み込んで必要な図面に瞬時にアクセスしたり、URLリンクを送ってBOOK内のページに相手を招待したりもできます。BOOKへの書き込みはリアルタイムで反映されるので、その場でコミュニケーションが取れるのです。このように情報へのアクセス性が格段に高いことが大きな特徴です」(濱田氏)

現場起点のツールだからこそできる現場の働き方改革

 現場スタッフの教育にも効果を発揮する。スタッフ教育では、教材を作ってもうまく活用できなかったり、マニュアル作成に時間がかかったりすることが課題になる。テレビ会議やスマートフォンなどを活用しようとしても成果が上がらないケースも多い。一方do!book eXは、情報へのアクセス性が格段に高いためスタッフ教育のツールとしても活用できるのだ。

 例えば教育ツール用BOOKを作成する際に、BOOKにチェックボックスや手書きメモを設けたレポート機能を簡単に組み込める。また、Skypeと連携し、ボタン一つでSkypeの会議室に参加できるため、ユーザー同士のコミュニケーションにも使える。

 「指先でさっと情報にアクセスし、タブレットとペンを使って簡単にレポートを作成できます。さらに会議室ツールや情報共有ツール、ユーザー同士のコミュニケーションツールにもなります。こうした特徴は、現場起点で現場に必要な機能を加えてきたことで実現できたものです。現場が使えるツールだからこそ、現場の働き方改革につながるのです」(濱田氏)

クラウド上のサーバ負荷を抑え低コストに

 do!book eXはリリースされたばかりの新しい製品だが、基盤となる技術は10年以上の実績があり、日本トップ企業によって検証されてきた高い信頼性を持つ。パッケージ価格は、BOOK作成数と閲覧ユーザー数が無制限、マルチデバイス対応で38万円となっている(保守費用年間6万円が別途必要)。

 サービスは顧客側の「Microsoft Azure」で運用を行う。Microsoft Azureそのものの運用も全て任せたいという企業には、設定から運用監視まで含んだ「eXクラウドサービス」をセットで導入できる。追加費用は年額12万円から(ストレージ50GB、通信量50GBの場合)。

 現場の働き方改革がうまく進まないと悩む企業にとって力強い味方となる製品だ。ぜひ検討していただきたい。


提供:日本デジタルオフィス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTargetジャパン編集部