企業ITの現実解　知っておくべきハイブリッドクラウドの今

　昨今、企業が活用するアプリケーションに対するビジネスニーズは、ますます複雑化しつつある。こうしたビジネスニーズに迅速に対応するには、プライベートクラウドとパブリッククラウドのリソースを柔軟かつ効率的に活用できるハイブリッドクラウド環境が求められている。

　しかし、エンタープライズITにおいて、ハイブリッドクラウド環境を構築するのはそう簡単なことではない。まず、既存のIT基盤をプライベートクラウドへ移行するために膨大な時間がかかる。また、セルフポータルに向けたサービスメニューの設計や作成ノウハウも必要となる。さらに、プライベートクラウド環境では、オペレーションを自動化するための複雑なワークフロー設計が課題となってくる。

　これらの課題に対して、セルフポータルの設計やオペレーション自動化を支援する豊富なテンプレートを提供し、エンタープライズIT向けに安心かつ迅速なハイブリッドクラウド環境を実現するソリューションが「EMC Enterprise Hybrid Cloud」だ。このホワイトペーパーでは、プライベートとパブリックを完全統合し、両方のメリットを最大化する「EMC Enterprise Hybrid Cloud」の概要を紹介する。

　これまで、企業がクラウドサービスを導入する際には、クラウドサービス単体の利用、もしくはオンプレミスと連係させた利用が一般的だった。しかし、ビジネスのスピードがますます加速している現在、オンプレミスにこだわらず、最初にパブリッククラウドを検討する“クラウドファースト”に取り組む企業が増えてきている。

　ただし、パブリッククラウドの利用においては、早い・安い・簡単といったメリットが得られる一方で、それぞれのサービスに一長一短があり、全てのビジネスニーズを満たせないのも実情だ。そこで、どれか1つだけを選ぶのではなく、複数のクラウドサービスを組み合わせた“いいとこ取り”のハイブリッドクラウドを検討することが重要になっている。また、進化の速いクラウド機能をキャッチアップし、自社システムを最適化し続けるためには、クラウドに特化したパートナー選びも必要不可欠といえるだろう。

　このホワイトペーパーでは、ハイブリッドクラウドの導入ポイントを活用事例を交えて具体的に紹介するとともに、パブリッククラウドを活用した効率的・効果的なシステム構築を支援しているテラスカイの取り組みを紹介する。

　「わが社のシステムもGoogleやFacebookのようなハイレベルなものにしたい」などと発言したら、少し前までは失笑を買っていたことだろう。しかし現在では大まじめに議論しても構わない。調査会社のガートナーは、2013年には10％以下だった「WebスケールIT」が、2017年までにグローバル企業の50％で運用されるアーキテクテクチャーになると予測している。これまで一般の企業システムとは縁遠いと思われていたWebスケールITの技術が身近なものになりつつある。

　挑戦的なビジネス要件にも迅速かつ弾力的に対応するWebスケールITこそ、Google、Facebook、Amazon.comなどのインターネット企業が採用するインフラストラクチャーのアーキテクチャへのアプローチだ。IT部門が目標にすべきは、彼らに見られるコスト性、シンプル性、運用効率性である。そのための方法として、サーバとストレージの機能をx86ベースの安価なサーバの中に物理的にまとめ込み、分散型のスケールアウトシステムとして運用する。

　WebスケールITは、複雑化したビジネスアジリティに対応できないシステムを根本から変えるアプローチといえる。一般の企業にも導入可能となった理由も含めて、この革新的手法の全容をつぶさにチェックしてみよう。