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MicrosoftとVMwareのライブマイグレーション機能を徹底比較追いついてきたHyper-V

仮想マシンの柔軟な運用に不可欠なライブマイグレーション機能。MicrosoftとVMwareはこの領域で激しい機能競争を繰り広げている。

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Computer Weekly

 米VMwareが2003年にライブマイグレーション機能を含む製品をリリースして以来、この機能は大きな進化を遂げた。そして最近、Microsoftがこの分野でVMwareを追い上げようとしている。

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本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 11月19日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

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 ライブマイグレーションとは、アクティブな仮想マシン(VM)を現在展開中の物理ホストから別の物理ホストへ移行させることを指す。その際、稼働中のサービスの停止またはサーバの停止は発生しない。

 ライブマイグレーション機能があれば、ホストで問題が起こってもユーザーの操作に影響を及ぼすことなく、システム管理者はそのホストの保守作業を行って問題を解決することができる。また、アクティブなVMをあるハイパーバイザーから別のハイパーバイザーに移行させることで、VMのパフォーマンスとハイパーパイザーの負荷のバランスを制御することができる。ハードウェアの保守の際、ハイパーバイザーからアクティブなVMを退避させることもできる。また、非ピーク時に、VMを負荷がより小さいサーバに移してリソースを温存することもできる。複数のVMを1つのハイパーバイザー上に集めて稼働させることで、ネットワークのスループットを最適化することもできる。

 2003年にリリースされたVMware ESX 2.0に搭載されたライブマイグレーション機能は、ITコミュニティーの中でたちまち人気を得た。

 VMwareがライブマイグレーションという革新的な機能の提供を開始してから6年後、MicrosoftはHyper-Vに同様のライブマイグレーション機能を組み込み、Windows Server 2008 R2に搭載した。この機能は、Windows Server 2008に含まれていたQuick Migration機能に改良を加えたものだ。ただし、Quick Migrationは移行処理中に短時間のサービス停止が必要だった。

ライブマイグレーションの基本を押さえる

 ライブマイグレーションの仕組みを理解するためには、VMの基本的なコンポーネントであるストレージ(仮想HDD)と、VMの構成や稼働状態に関する知識を得ておく必要がある。ストレージはストレージエリアネットワーク(SAN)の内部に配置されることが多い。従来のライブマイグレーションのプロセスでは、VMの稼働状態と構成をある物理ホストから別のホストへコピーしても、そのVMのストレージは移動することはなかった。

 VMが稼働している物理ホスト上で、VMを停止させることなく、VMを搭載しているディスクを別の場所に移動させるストレージのライブマイグレーションが利用されるようになったのは、ESX 3.0やESX 3.5が登場した2006〜2007年からだ。

 VMware製品の最新バージョンで、vSphere 5.5、vMotion(VMのライブマイグレーション機能)、 Storage vMotion(仮想ディスクのライブマイグレーション機能)はいずれも、vSphere Standardエディションに含まれている。VMの自動負荷分散機能(DRS:Distributed Resource Scheduler)はvSphere Enterpriseエディションに搭載されている。また、vSphere Enterprise PlusエディションにはDRSではなくディスクの自動負荷分散機能(Storage DRS)が含まれている。

 vMotionを利用するには、そのESXiサーバをVirtual Centerで管理する必要がある。さらに、ESXiサーバは同一の物理キャビネット上で互換性を備えていなければならない(言い換えるとCPUに互換性があり、重要度の高くない要件数件を満たしていればよい)。またハイパーバイザー間のVMの移動について、VM稼働中の物理ネットワークセグメントをまたぐ移動はサポートされていない。vSphereクライアント(従来のクライアント専用UIでもWebクライアントでも)上でvMotionの操作やライブマイグレーションをワンクリックで実行できるようにするには、システム管理者は既存のポートにタグ付けをするか、VMkernelポートを新規に作成する必要がある。Webクライアントを使うと、共有ストレージを設定していないVMの移動も可能だ(共有ストレージなしのライブマイグレーションがvSphere 5.1で導入された)。

 共有ストレージなしのライブマイグレーションは、従来のVMのライブマイグレーションとストレージのマイグレーションの組み合わせとなる。VMの稼働状態と構成が移動先のホストにコピーされ、ファイルシステムは移動先のストレージデバイスにコピーされる。システム停止を起こさないように、VMの稼働状態とストレージはそれぞれ移動前のホストとストレージで、複製の処理が完了するまで稼働を続ける。

VMwareのライブマイグレーションの進化

 VMwareはこの数年、ライブマイグレーション機能に改良を加え続け、アプリケーションで複数のネットワークインタフェースも利用できるようにして、ライブマイグレーションの処理速度を向上させた。2015年3月のリリースがうわさされる、次期バージョンのVMware vSphere 6では、以下のようなことが可能になると予測されている。

続きはComputer Weekly日本語版 11月19日号にて

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