自社システムに合わせるため、カスタマイズと拡張を重ねてきたERP(基幹系情報システム)。こうして使い続けてきたERPがレガシー化し、IoTやAIなどが中心となったビジネスの変革に追従できない状況になっているという企業も多いのではないだろうか。
年間の保守費用に加え、サポート期限が来ればアップグレードコストなどの負担も大きくなるレガシーERPだが、それがビジネスの足かせになるようでは本末転倒だ。オンプレミスで運用される従来型ERPから脱却し、クラウド型ERPに移行する機運は高まっている。
本コンテンツは、レガシーERPの課題をまとめるとともに、クラウド型ERPへの移行による解決策を分かりやすく解説する。最新のクラウド型ERPがどのように既存の運用コストを削減し、移行の手間やコストを低減するための要素を有しているのか。また、完全移行、一部移行など、移行パターンに応じたコスト試算も解説されているため、基幹システムの運用負荷とコストに悩むIT部門の担当者に一読してほしいコンテンツだ。
業務標準化などの目的で導入されたものの、期待通りの効果を生み出しているとはいえないのが、各企業が導入しているERPだ。77%もの企業はERPの運用コスト、運用管理負荷に課題を感じており、繰り返してきたカスタマイズや拡張がERPを巨大化させ、運用コストが膨大になっている。
企業はこうしたレガシーERPからの脱却を求めている。既存システムのバージョンアップと、他社製品への移行を合わせると、約70%の企業がERPの刷新を検討しているという。しかし、巨大化したERPのバージョンアップ費用は移行費用と同等になるケースもあり、運用コスト削減につながると一概には言えないのが現実だ。
本コンテンツでは、レガシーERPが抱えているさまざまな課題を実態調査から明らかにし、分析結果をレポートとしてまとめている。他社が基幹システムにどのような課題を抱えているのかを自社と見比べながら、解決策の一助としてほしいコンテンツだ。
ITによる企業変革、すなわち「デジタルトランスフォーメーション」のニーズが高まっている。あらゆるモノがデジタル化され、ネットワークでつながる現代において、ITを駆使して新しい価値を生み出し、新たな競争力を身に付けたり、新しいビジネスを創出したりすることが、企業に求められている。
問題は、デジタルトランスフォーメーションのための原資をどこから捻出するかという点だ。そこでポイントとなるのが、レガシーシステムの見直しである。その代表例ともいえる基幹系システムは、企業にとって欠かせない仕組みではあるが、運用の負荷が大きいことでも知られる。
高額な投資で導入したERP(統合業務)システム(以下、ERP)が、今やレガシーとなってしまい、アップグレードに多額の費用が必要となり悩む組織も少なくないようだ。その中には、ERPの一部しか活用できていないというケースもあるという。ERPが新たなチャレンジへの足かせになってしまっているという皮肉な状態になっているのだ。
もちろん、全ての企業にとってERPが無駄であるということではない。旧来型ERPを利用し続けるか、新たな基幹システムへと移行するかは適材適所で考えるべきではないだろうか。
そこで本稿では、「レガシーERP」から脱却し、新しい基幹システムへと移行する方法、新しいERPの在り方を提案する。過剰なコストを削減し、原資を得ることで、デジタルトランスフォーメーションへの足掛かりとして、きっと役に立つはずだ。