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ITコンサルタントを最大限に活用するColumn

プロジェクトを成功させるコンサルタント選びとは? 自社のニーズに最適なITコンサルタントを選び、協調性、生産性および費用効果性に優れたチームを構築するためのポイントを紹介する。

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 ITコンサルティングの分野は年間売上高1300億ドルの巨大市場へと変貌し、さまざまなスキルを持った無数のコンサルタントが働いている。しかもITコンサルタントの供給ペースは需要を上回っているのが市場の現状だ。また、ITアウトソーシングとオフショア開発が盛んになるという状況の中、CIOやプロジェクトリーダーにとっては、かつてなく多くの選択肢がある。

 ITプロジェクトを成功させるためにコンサルタントを雇う際、どういった点に注意すればいいだろうか。コンサルタントにアクセスする前にしておくべきこと、選択のポイント、コンサルタントから質の高い提案を引き出す手段などを見ていく。

 また、コンサルタントの能力を最大限に活用し、協調性、生産性および費用効果性に優れたプロジェクトチームを構築するためのポイントを紹介する。

 ITコンサルティングの分野は年間売上高1300億ドルの巨大市場へと変貌し、さまざまなスキルを持った無数のコンサルタントが働いている。しかしITコンサルタントの供給ペースが需要を上回っているのが市場の現状だ。また、ITアウトソーシングとオフショア開発が盛んになるという状況の中、CIOやプロジェクトリーダーにとっては、かつてなく多くの選択肢がある。

 難しいのは、これらの選択肢をより分け、複数のソース(社内のソースを含む)を利用することにより、自社のニーズに最適なITコンサルタントを選び、協調性、生産性および費用効果性に優れたチームを構築することである。

コンサルタントを雇う前に

 中途半端な結果に終わらせないためには、プロジェクトに最適なITコンサルタントを選定することによって、コンサルタントを最大限に活用する必要がある。そのための取り組みは、ITコンサルタントを雇い入れる前から始まっている。彼らを招請するのは、プロジェクトの目的や規模、望ましいスケジュール、プロジェクトの組織編成、社内チームが担当する作業量といった戦略的問題が決定してからのことである。

 そのプロジェクトには会社のサポートが必要であるという合意を、IT部門および非IT部門の幹部から取り付けること。たとえITコンサルタントが優秀であっても、経営幹部の後押しが弱ければ、プロジェクトの成功はおぼつかない。さらに経営幹部は、コンサルティングに関する選択肢の中でどれを検討するのかも決定しなければならない。例えば、「オフショア開発も認めるのか」、「プロジェクトで開発するアプリケーションをアウトソースするのか」といった問題に対する判断が経営陣に求められるのである。

 そして、どのようなタイプのコンサルティング会社が適切であるかを決めること。「大手システムインテグレーション会社がニーズに適合するのか、それとも、小規模企業あるいは個人コンサルタントの方がいいのか」、「コンサルティング会社は1社で十分なのか、あるいは複数のコンサルティング会社が必要なのか」、「システムと管理の両方のコンサルティングに対応できる会社が必要なのか」といったことである。

 これらの問題に対する答えを出すことによって、コンサルタントの範囲を絞り込むとともに、コンサルタントとの当初の打ち合わせで質の高い提案を引き出し、最初の段階でつまずくのを防ぐことができるのだ。

最適解を見つける

 ITコンサルタントがクライアントに提供するのは、スキルとツールである。また彼らは、IT問題に取り組む方法に関する考え方を示してくれることも多い。クライアントのニーズに合わせたアプローチを提供するコンサルタントもあれば、既製のソリューションを提供する企業もある。後者の場合、「金づちが釘を探す」(問題の方を解決策に合わせる)という形になる。

 提案段階の前の会合を通じて、あなたの会社のニーズを理解し、洞察に富んだ質問をし、あなたの意見に熱心に耳を傾けるコンサルタントを見つけること。優れたコンサルタントは注文を聞くだけではない。目的に合った創造的なアイデアを出してくれるのだ。コンサルタントができることにあなたの会社のニーズを合わせれば、「金づち」を持ったコンサルタントが正しい選択肢だと思えるかもしれない。

 コンサルタントから提案書を受け取ったとき、最初に料金をチェックしたくなるのは当然だと言える。しかし料金は、コンサルティング会社のタイプおよびコンサルタントのアプローチによって異なる。このため、評価チームが提案書を検討する前に、料金を記載したページは抜いておく必要がある。

 コンサルタントと面会する前に、照会先に問い合わせること。コンサルタントが照会先リストに、不満を抱いているクライアントを載せている可能性は低いが、コンサルタントの仕事のやり方や能力などを詳しく聞き出すことが重要だ。「このコンサルタントを再び雇うとしたら、どういった部分を変更したいか」、「あなたの会社のプロジェクトでコンサルタントが行ったことで、特に評価できる点は何か」といった質問をするのもいいだろう。

 コンサルタントの態度、やる気、率直さ、才能、自社の社風に合うか、といった漠然とした要素を軽視してはならない。極めてスキルの高いコンサルタントであっても、あなたのチームと一緒に仕事ができないのであれば、時間とお金を無駄にすることになるだろう。

 コンサルティングチームと会うとき、相手の会社ではなく人物を評価すること。プロジェクト実施担当チームが営業チームと異なる可能性もあるので、評価担当スタッフはプロジェクトを担当する予定の各コンサルタントに面接する必要がある。

 コンサルティング会社(特に大手)の中には、指定された期限内にプロジェクトを発注することに合意しなければ、特定のコンサルタントが担当することを保証しないところもある。こういった形で契約を迫るプレッシャーには抵抗すること。選定作業にかかる期間が妥当なものであれば、相手側はコンサルタントをそれまで押さえておくべきである。

3つの重要な質問

 コンサルタントを雇う前に、次の3つの質問をすること。

  1. 「どんな出口戦略を持っているのか?」(コンサルタントがどういう形でプロジェクトを終了する計画であるのかを事前に知っておくこと。)
  2. 当社のチームはあなたから何を学ぶことができるのか?」(コンサルタントとの共同作業の結果、自社のチームの専門スキルは向上するのか。)
  3. 「あなたが不得意とするのは何か?」(この質問に対する答えによって、コンサルタントの誠実さを判断し、補強すべき弱点を把握することができる。)

 これら3つの質問に対して、はぐらかすような答えや、あいまいな答えしか返ってこないようであれば、ほかのコンサルタントを探した方がいい。

バランスを考える

 効果的なプロジェクトチームを編成するというのは、バランスを求める行為でもある。社内およびコンサルティングチームの人材の中から、適切なスキルの組み合わせを見いだすこと。

 フルタイムで換算したコンサルタントの数は、プロジェクトチームのメンバー総数の50%を超えてはならない(特に大規模プロジェクトの場合)。社外の専門知識というメリットを享受しながらも、プロジェクトの支配権を確保することが大切なのだ。社内チームのメンバーに対するコンサルタントの割合が50%近くになると、この支配権を失いかねない。そうなれば、本来は社内チームがすべき決定をコンサルタントがするようになるかもしれない。

 プロジェクトのすべてのフェーズをサポートし、大きな困難にも立ち向かっていくのが理想的なITコンサルタントである。しかしプロジェクトの成果物の所有権(そして説明責任)は、コンサルタントではなく、プロジェクトの責任者だけにあるのだ。コンサルタントの数が増えるのに伴い、説明責任の所在があいまいになり、その結果、遅い意思決定、スケジュールの遅れ、コンサルタントへの過度の期待といった問題が生じる可能性がある。

30-60-90ルール

 まず、90日以上に及ぶプロジェクトであれば、30-60-90ルールを実践すること。90日ごとに大きなマイルストーン(検証可能な中間結果)に到達するような計画を策定することにより、コンサルタントが努力を集中できるようにする。そして、30日目および60日目の時点でプロジェクトの包括的レビューを行い、90日目のマイルストーンに向けた進捗状況を測定する。これらのレビューは、コンサルティングチームの実績を評価し、必要に応じて調整を行う機会にもなる。

コンサルタントのやる気を引き出す

 ITコンサルタントにとっては、プロジェクトの成功が事業の拡大につながるのだ。彼らはクライアントの成功を手助けすること、場合によっては、自分たちの利益よりもクライアントの利益を優先することにモチベーションを見いだす。しかしITコンサルタントの能力をフルに発揮させるには、彼らをベンダーとしてではなく、パートナーとして考えることが重要である。

 クライアントのチームとコンサルタントが、協力と信頼に基づく環境の中で共通の目標に向かって仕事をしたとき、プロジェクトは成功する。この環境を築くのは、クライアントとコンサルタントの共同責任である。

本稿筆者のマイケル・W・マクローリン氏は、デロイトコンサルティングの社長であり、「Management Consulting News」および「The Guerrilla Consultant」の編集長を務める。著書にはジェイ・コンラッド・レビンソン氏との共著「Guerrilla Marketing for Consultants」がある。

(この記事は2005年11月2日に掲載されたものを翻訳しました。)

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