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中堅企業にはエンタープライズ製品がベストチョイスとは限らないColumn

IBMやEMCなど、中堅企業向けに機能縮小版のソリューションを提供する大手ベンダーが増えてきた。こうした製品を導入するべきかどうかの判断は難しい。

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 このところEMCやIBMなど多くの大手ベンダーが、エンタープライズソリューションの機能を縮小した廉価版を提供しているが、中堅企業は重要な判断を迫られている。従来のベンダーの製品を使い続けるのか、業界大手の最新製品を試すべきか、という判断である。

 専門家によると、その判断を下す前に、自社のビジネスをしっかりと把握する必要があるという。予算内に収まるからという理由だけで、エンタープライズクラスの製品を購入すべきではない。ベンダー各社が製品を中堅企業市場向けに作り直したとしても、エンタープライズソリューションの複雑さに対応できない企業もあるかもしれない。

 逆にITシステムが手に余るほど複雑化し、もっと容易に管理できる環境が必要だという状況になってきたのであれば、エンタープライズクラスのベンダーが提供するツールを検討する価値がある。

 このところEMCやIBMなど多くの大手ベンダーが、エンタープライズソリューションの機能を縮小した廉価版を提供しているが、中堅企業は重要な判断を迫られている。従来のベンダーの製品を使い続けるのか、業界大手の最新製品を試すべきか、という判断である。

 専門家によると、その判断を下す前に、自社のビジネスをしっかりと把握する必要があるという。予算内に収まるからという理由だけで、エンタープライズクラスの製品を購入すべきではない。ベンダー各社が製品を中堅企業市場向けに作り直したとしても、エンタープライズソリューションの複雑さに対応できない企業もあるかもしれない。

 米コンサルティング会社プタック・ノエル&アソシエイツの創業者で上席アナリストのリチャード・プタック氏は、「必要以上の機能を備えた製品を買うと、ITスタッフのスキルを高めるのに苦労したり、ベンダーに手助けしてもらうために別途契約を結んだりしなければならなくなる」と指摘する。

 多くの中堅企業が、自社のシステムが複雑になってきたと感じているのであれば、「サーバをもう1台購入してラックに追加するのではなく、系統的な視点でITをとらえる必要がある」と話すのは、米調査会社パンディットリサーチの主席アナリスト、チャールズ・キング氏だ。

 ITに対して新たなアプローチで臨むべき時期を見極めることも大切だ。例えば、過去3〜5年間でITシステムがますます複雑化している企業のCIOであれば、一歩下がってビジネス全体を見渡す必要があるだろう。

 「中小企業の場合、ITシステムが手に余るほど複雑化し、もっと容易に管理できる環境が必要だという状況になってきたのであれば、エンタープライズクラスのベンダーが提供するツールを検討する価値がある」とキング氏は話す。

 プタック氏によると、CIOが判断に迷う場合には、自社のITシステムがビジネスに貢献しているのかどうか自問すべきだという。

 「ビジネス支援のためにリソースを有効利用するよりも、キャパシティー不足になっていたり、応答時間が低下していたり、運用管理が手に負えないと感じられたり、リソースと格闘するのに多くの時間を費やしたりしているようであれば、問題だと言える」とプタック氏は話す。

 EMCやIBMなどのエンタープライズ製品ベンダーにとって、中堅企業は未開拓の市場であり、各社は今後もこうした企業に狙いを定めた製品やサービスを投入するだろう。

 EMCは先ごろ、同社のIPストレージシステム「Celerra NS」シリーズの中堅企業向けバージョンとして「Celerra NS350」および「Celerra NS704」という新製品を発表した。さらに同社は、新しい「EMC Smarts IP Availability Manager」のリリースも発表した。

 NS350の価格は4万7000ドル(容量は1Tバイト)からで、12Tバイトまで拡張できる。NS704の価格は26万1000ドル(容量は2.2Tバイト)からで、48Tバイトまで拡張可能となっている。

 キング氏によると、NAS(Network Attached Storage)ソリューションを導入している中堅・中小規模企業の多くは、イーサネットベースの技術を利用しているという。しかしITニーズが拡大している企業の中には、EMCが提供している光ファイバーベースの本格的なストレージソリューションを検討しているところもある。

 「EMCの新しいソリューションは、そういった企業に狙いを定めている」とキング氏は話す。

 10Tバイト程度の容量を備えたCelerra NS350は、一部の中小企業にも訴求するだろう。キング氏によると、100台のPCを使っている中小企業が、そのくらいのデータを生成するようになる日もそう遠くないという。

 根本原因分析機能を備えたSmarts IP Availability Managerは、手作業による管理や故障診断が必要なことが多いNASシステムの問題を自動的に特定する機能を提供する。

 「手作業で対応できる間はいいが、中堅企業のビジネスが複雑化してくれば、ITスタッフは四六時中、因果関係や問題を特定する作業に追われることになるだろう」とプタック氏は語る。

 「ほとんどの中堅・中小企業は、根本原因分析ツールさえ持っていない」とプタック氏は指摘する。

 「彼らにできることと言えば、担当の技術者を全員集めて、問題の原因らしきものを取り除いてみることだけだ。Smarts IP Availability Managerでは、ストレージデバイスをネットワーク上のほかのデバイスと全く同じように扱うことができる。ある個所に問題があり、それがほかの個所の機能を阻害している場合、その問題の性質を特定・理解するのにSmarts IP Availability Managerが役立つ」(同氏)

 中堅企業が従来のベンダーの製品を使い続けるのか、エンタープライズ製品ベンダーの中堅・中小企業向け製品を試すのかを考える際に忘れてはならないのは、自分たちが有利な立場にあるということだ。

 「エンタープライズベンダーに対して、『導入の必要性を会社に説明するのを手助けしてほしい』と要求すればいいのだ。ベンダーは自社製品の価値をきちんと説明できなければならない」とプタック氏は話す。

 プタック氏によると、エンタープライズベンダーは、自社製品が顧客企業のビジネスにどのような影響を与えるのかも示さなければならないという。例えば、高価なソリューションであれば、ほかのリソースが解放されるとか、収益の拡大につながるといったメリットを示す必要がある。

 しかしCIOは、まず自分の判断を信頼しなければならない。そのためには、自社の要件とニーズを把握し、独自の評価プロセスを確立する必要がある。

 「これは容易なことではない。スムーズで明白なプロセスになることはないからだ。何よりも大切なことは、自社のビジネスと達成すべき目標を理解することだ。そしてニーズを把握し、その優先順位を決定すること。もちろんベンダーの説明も聞かなければならないが、自分の判断を信じることも重要だ」(プタック氏)

(この記事は2006年3月14日に掲載されたものを翻訳しました。)

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