電子メールアーカイビングの3つのアプローチ:Column
電子メールアーカイビングには、社内型、アウトソーシング型、ハイブリッド型の3つのアプローチがある。それぞれに利点・欠点があり、正しく検討すべきだ。
電子メールアーカイビングを行うにあたっては、社内型、アウトソーシング型、ハイブリッド型という3つのアプローチを検討すべきだ。
社内型
社内型のアプローチは読んで字のごとくだ。必要なハードウェアとソフトウェアを企業で購入し、自社のデータセンターにインストールして管理する。過去8年間に販売された電子メールアーカイビングソリューションの大部分は、このアプローチで使われるものだ。
社内型アプローチの一般的な利点には以下のようなものがある。
電子メールアーカイビングを行うにあたっては、社内型、アウトソーシング型、ハイブリッド型という3つのアプローチを検討すべきだ。
社内型
社内型のアプローチは読んで字のごとくだ。必要なハードウェアとソフトウェアを企業で購入し、自社のデータセンターにインストールして管理する。過去8年間に販売された電子メールアーカイビングソリューションの大部分は、このアプローチで使われるものだ。
社内型アプローチの一般的な利点には以下のようなものがある。
- 機密情報を社内に保管できる。
- カスタマイズ性が高い。
社内型アプローチの一般的な欠点には以下のようなものがある。
- ハードウェア、ソフトウェア、サポートなどの初期費用がかさむ。
- アーカイビングの開始までに時間がかかる。
- 社内のリソースが使用されるため、人員の補充採用が必要になるかもしれない。
社内型アプローチは主に、電子メールアーカイビングの管理を自社で行うことを望み、そのために必要な予算とITリソースを持つ企業のためのものだ。
アウトソーシング型
このアプローチでは、企業が送受信する電子メールはVPNやそのほかの安全なネットワークを介してサービスプロバイダーに転送される。サービスプロバイダーは受け取った電子メールにインデックスを付けて保存し、顧客が検索して取り出せるようにする。
以下のように、アーカイビングのアウトソーシングサービスを選択する理由は数多くある。
- 多額の初期費用を掛けずに迅速かつ円滑にアーカイビングを開始できる。
- 不要なハードウェアやソフトウェアを社内に抱える心配がなく、サービスが不満な場合は契約(通常1〜3年)の更新を断れば済む。
- 社内にIT部門がない企業や、IT部門の規模が小さかったり、IT部門に重い業務負担が掛かっている企業にとって、アウトソーシングは大きな助けになる。サービスプロバイダーが厄介な管理業務をすべて処理し、顧客が行う作業は比較的少ない。
- 一般にアウトソーサーは、ハードウェアとソフトウェアのリリースやバージョンを常に最新に保っている。自社で行う場合、アップグレードには多大な手間とコストが掛かる。
- スケーラビリティの確保やオフィスの地理的分散のサポートは、自社の社内システムで取り組むよりも、アウトソーサーが対応する方が実現しやすい。
しかし、こうした利点に魅力を感じない企業もある。以下のような企業の傾向は、アウトソーシングの欠点の一部を示している。
- 多くの企業は、最も機密性と重要性の高い業務記録の管理を他社に委ねることを嫌っている。
- アウトソーシングソリューションでは、メールの検索と取得の応答時間が長くなるという認識がある。
アウトソーシングソリューションは、IT予算やITスタッフが限られている企業や、システムに多額の先行投資を行うのではなく、システムの利用状況に応じてコストを掛けていきたいという企業に最適だ。
ハイブリッド型
ハイブリッド型のアプローチは、社内型とアウトソーシング型を組み合わせたものだ。このアプローチでは一般に、企業内にアプライアンスが設置され、送受信される電子メールの取り込み、インデックス作成、管理を行う。この電子メールは通常、暗号化されてサービスプロバイダーに送られ、安全に保存される。ハイブリッド型のアプローチは、もともとはストレージコストの高さを克服するために開発された。現在では、ハイブリッドソリューションの大半は月額料金制で提供されており、顧客は社内型とアウトソーシング型の両方の良さを享受できる。
ハイブリッド型アプローチの利点には以下のようなものがある。
- 初期費用が社内型よりも安い。
- 社内型よりもはるかに迅速にアーカイビングを開始できる。
- ストレージだけが社外に置かれる。
一方、ハイブリッド型アプローチには以下の欠点がある。
- 暗号化されている可能性が高いものの、機密性の高い電子メールが他社の施設に保管される。
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