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有能なスタッフの裁量は拡大しようColumn

有能なスタッフは管理し過ぎることなく、優れたアイデアを発揮できるような余地を与えるべきだ。

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 わたしはかつて、優秀なシニアネットワークエンジニアのブライアンと仕事をした。彼は、スタッフの能力開発という概念に苦しんでいた。彼にとっては、結果よりも手法の方がはるかに重要だった。スタッフが彼のやり方に従って仕事をする限り(そして彼はスタッフらが実際にそうしたかを確認するために状況を入念に監視した)、ブライアンは満足だった。その結果、ブライアンの部門では離職率が非常に高くなっていた。有能な人材にとって、「何を行うべきか」や「どう行うべきか」を常に命じられるのは居心地の悪いものだ。

 わたしはブライアンに、社内ネットワークへのログオンにかかる時間を短縮すべくログオンスクリプトを書き直すという作業を、彼のスタッフのうちの1人に任命するよう依頼した。わたしはブライアンに、希望はログオン時間の50%の短縮だと説明し、このプロジェクトを2週間で実行して欲しいと要請した。ブライアンはこの任務を彼のスタッフのうちの1人、クリスに割り当てた。だが、その後、プロジェクトのスケジュールは狂い始めた。そして約1週間後、ブライアンはわたしに、この任務を遂行するにはもっと時間が必要になったと報告してきた。

 わたしが理由を尋ねると、ブライアンは「クリスのコードを書き直さなければならないからだ」と説明した。なぜ書き直さなければならないかと言えば、依然としてログオンに時間がかかり過ぎるからではなく(クリスはログオン時間を60%削減した)、クリスの採った方法が、ブライアンが考えていた方法とは違っていたからだという。

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